今では様々なWEB広告があるものの、運用するとなるとどれを選んでいいかわからない。なかでも、YouTube広告に実際効果はあるのか?
企業のマーケティングに携わる方であれば、そんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
本記事ではYouTube広告を検討している、または、YouTube広告の費用対効果や他の広告との違いを知りたいという方に向けて、YouTube広告の効果やメリット・デメリットについて解説します。
目次
YouTube広告についてさらに詳しく理解したい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。(ページ下部にも同記事へのリンクを設置しています。)
当ページでご紹介しているYouTube広告の効果・メリットをさらに細分化した解説や、配信フォーマットの解説、実際にYouTube広告で使用することを目的に制作した動画事例など、YouTube広告に関する情報を網羅的に解説しています。
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なぜテレビCMではなくYouTube(ユーチューブ)広告なのか?
まずはYouTubeを含むWEB広告と、テレビCMの違いを整理しましょう。テレビCMは番組を見る不特定多数の視聴者に向けて広告を配信します。
一方、GoogleやFacebookをはじめとしたWEB媒体の利用者に向けて配信されるのがWEB広告です。年齢や性別はもちろん、過去の検索履歴に基づいた趣味趣向など、様々なターゲット設定をおこなうことができます。
なかでも、YouTube広告は近年5Gの普及により利用者が急増するYouTubeという媒体を利用して、動画広告を配信する方法です。
YouTube広告とテレビCMには以下のような違いがあります。
テレビCMの特徴・違い
- YouTube広告では詳細なターゲティングができる
- YouTubeは利用者増加傾向・テレビは視聴者減少傾向
- どちらも情報量の多い動画広告
具体的なデータを引用すると、総務省による「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、2021年(令和3年)のデジタル広告を利用した広告費は2兆7,052億円となっており、マスコミ4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費合計(2兆4,538億円)を初めて上回っています。
YouTube広告を含むWEB広告は、いまや企業の広報活動において無視できない媒体となってきています。
引用元 : 「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」
期待できるYouTube広告の効果とは?
- 自社ブランドの認知拡大
- 潜在層へのリーチによる新規顧客獲得
- 製品サイトやLP(ランディングページ)に誘導し、購入を含むCV獲得
- 広告スキップの場合は費用が発生せず費用対効果が高まる
- ターゲティング機能を使用して効果的な広告配信ができる
YouTube広告を利用することで期待できる効果は、上記の5つがあります。顧客に対する宣伝効果と費用面の効果の2種類にわけて、YouTube広告の効果を解説します。
YouTube広告によって得られる顧客への3つの宣伝効果
YouTube広告を利用することで、顧客への宣伝という面で、以下3つの効果が期待できます。
(顧客への宣伝効果)
- 自社ブランドの認知拡大
- 潜在層へのリーチによる新規顧客獲得
- 製品サイトやLP(ランディングページ)に誘導し、購入を含むCV獲得
【効果①】自社ブランドの認知拡大
YouTube視聴時に何度も広告を見ることで、ユーザーの記憶には自社ブランドの名前やイメージが認知される効果があります。
令和5年の総務省の調査「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、全年代の87.1%がYouTubeを利用しているという結果が出ています。(13歳〜69歳の男女1,500名を対象にしたアンケート)
引用元 : 「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
また、NTTドコモ モバイル社会研究所の調査でも、YouTubeの認知率は96.5%、利用率(月1回以上利用)は67.7%となっています。(2023年1月実施/有効回答数6559)
引用元 : モバイル社会研究所「2023年一般向けモバイル動向調査」
幅広いユーザーが日常的に利用しているYouTubeであれば、様々な属性の利用者へ商品やサービスを宣伝し、認知拡大を進めることができます。
また、認知拡大という点では、YouTube広告とテレビCMとの併用が最も効果的です。2つの媒体を使用して広告を配信することで、より広い層へのアプローチが可能となります。
【効果②】潜在層へのリーチによる新規顧客の獲得
YouTube広告で得られる効果の2つ目に、新規顧客の獲得があります。
YouTubeを介して商品やサービスを認知したユーザーは、その場で広告をクリックして自社のページを訪れるかもしれません。また、そうでなくても、将来的に自社のサービスを検索する可能性が高まります。
このように、ユーザーが次のアクションに移るきっかけとなり得るのがYouTube広告です。
【効果③】製品サイトやLP(ランディングページ)への誘導、および購入を含むCVの獲得
YouTube広告には、視聴者による商品の購入やCVの獲得が期待できるといった効果もあります。
まず、映像や音を使って視聴者の気持ちを高めたり、もっと知りたいというような感情を持たせることができるのが動画広告のメリットです。
さらに、動画コンテンツの中にCTA(サイトやLPへの誘導ボタン)を配置することができるため、ユーザーはその場で次のアクションを起こすことができます。
YouTube広告によって得られる費用面での2つの効果
- 広告スキップの場合は費用が発生せず費用対効果が高まる
- ターゲティング機能を使用して効果的な広告配信ができる
テレビCMと比較して安価に広告出稿できるYouTube広告では、費用面においても以下の効果が期待できます。
【効果①】広告スキップの場合は費用が発生せず費用対効果が高まる
YouTubeでは広告に興味のないユーザーはそれをスキップできます。その際は費用がかかりません。つまり、商品やサービスに興味を持った視聴者だけに広告を見てもらうことができるわけです。
【効果②】ターゲティング機能を使用して効果的な広告配信ができる
YouTube広告では以下のような様々なターゲティングができるというメリットがあります。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 趣味趣向
- 行動習慣
- 指定したURLやアプリにアクセスした履歴
- 特定のキーワードでのGoogle検索履歴
- 商品の価格比較サイトやレビューサイトの閲覧履歴
- これまで動画広告を視聴した経験のあるユーザー
自社の顧客やこれまでに広告から得たデータを加味して、自社の求める行動をとる可能性の高いユーザーに優先的に広告を配信できるというメリットがあります。
目的に合わせた正確なターゲティングを行うことで、効果的な広告配信をおこなえるでしょう。
気になるYouTube広告の運用料金とその仕組み
YouTube広告の課金システムは大きく分けて3つあります。これらを一つずつ見ていきましょう。
CPC(CostPerClick)
CPCはユーザーが動画広告の見出しやサムネイルを1回「クリック」するごとに費用が発生する課金システムです。相場は、YouTube広告内のリンク 1クリックに対して2円~30円程度です。
CPV(CostPerView)
CPVはユーザーが広告動画の「再生」1回ごとに費用が発生する課金システムです。
YouTubeでは広告動画30秒以上の視聴1回とカウントし、30秒未満の動画であれば最後まで視聴することが課金の条件となります。
相場は、YouTube広告1再生に対して2円~25円程度です。
CPM(CostPerMille)
CPMは広告の表示に伴い料金が発生する課金システムです。別名「インプレッション単価」とも呼ばれ、「表示回数1,000回」毎に広告費が発生します。
YouTube広告の表示回数1,000回に対して、10円~600円程度が相場となっています。
豊富な広告の種類とそれぞれの広告料
ここからはYouTube広告の種類について解説します。
YouTubeでは潜在層・見込み層・顕在層、様々なターゲットに合わせて広告を使い分けることができるメリットがあります。
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前後・途中に再生される動画広告です。再生開始から5秒経過するとユーザーは広告をスキップすることができます。
同広告はYouTube及びGoogle動画パートナー上のウェブサイトやアプリで配信される動画再生時に広告を表示するときに使用します。
広告表示場所 | ・Yotube動画再生ページ ・Google動画パートナー上のWebサイト・アプリ |
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課金体系 | ユーザーが動画広告を30秒間視聴した際、 または30秒経過前に広告をクリックした場合に料金が発生 |
料金相場 | 2円~25円/1回 |
使用するキャンペーン目標 | ・販売促進 ・見込み顧客の獲得 ・ウェブサイトのトラフィック ・ブランド認知度とリーチ ・商品やブランドの比較検討 |
スキップ不可のインストリーム広告
スキップ不可のインストリーム広告は、別の動画の再生前後、途中に再生される15秒以下の動画広告です。この広告はスキップできません。
同広告はYouTube及びGoogle動画パートナー上のウェブサイトやアプリで配信される動画再生時に広告を表示するときに使用します。
広告表示場所 | ・Yotube動画再生ページ ・Google動画パートナー上のWebサイト・アプリ |
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課金体系 | 目標インプレッション単価制が採用され、 広告の表示回数に応じて料金が発生します。 |
料金相場 | 400円~600円/1,000回表示 |
使用するキャンペーン目標 | ブランド認知度とリーチ |
インフィード動画広告(旧:TrueViewディスカバリー広告)
インフィード動画広告は動画のサムネイル画像とテキストで構成されます。
この広告のサイズや見え方は表示先によって異なります。インフィード広告はユーザーにクリックにより再生され、YouTube動画再生ページかチャンネルホームページで動画が再生されます。
強制的に再生されるようなYouTube広告と違い、広告に興味を示して能動的にクリックしたユーザーにのみ配信できる点がメリットとなるYouTube広告です。
広告表示場所 | ・YouTubeの検索結果 ・YouTubeの関連動画の横 ・YouTubeモバイルのトップページ |
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課金体系 | ユーザーがサムネイルをクリックした場合に課金 |
料金相場 | 2円~25円/1クリック |
使用するキャンペーン目標 | 商品やブランドの比較検討 |
バンパー広告
バンパー広告は動画の再生前後、途中で再生される、スキップ不可の動画広告です。6秒間の短いYouTube動画広告です。
同広告は短くて覚えやすいメッセージで幅広い視聴者にリーチするときに使用します。
広告表示場所 | ・Yotube動画再生ページ ・Google動画パートナー上のWebサイト・アプリ |
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課金体系 | 目標インプレッション単価制が採用され、 広告の表示回数に応じて料金が発生します。 |
料金相場 | 400円~600円/1,000回表示 |
使用するキャンペーン目標 | ブランド認知度とリーチ |
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、短期間で大規模なオーディエンスにリーチしたい場合に使用する広告です。YouTubeホームフィード画面(ホーム画面のトップ)で自動的に再生されるのが特徴で、使用するデバイスごとに表示形式が異なります。
パソコンの場合
- YouTubeホームフィード画面で最大30秒間音声なしで自動再生
- ミュートアイコンをクリックすることで動画の音声を有効にすることもできる
- 自動再生が終わるとメイン動画はサムネイルになり、クリックするとその動画のYouTube再生ページに移動
モバイルの場合
- YouTubeアプリまたはm.youtube.comのホームフィード上部に音声なしで自動再生
- 動画の時間に制約なし
- 動画のサムネイル・カスタマイズ可能な広告見出し、説明文・カスタム外部リンクのテキストを表示
- マストヘッド広告をクリックするとYouTube動画再生ページに移動
テレビ画面の場合
- テレビ向けYouTubeアプリのホームフィードの上部で音声なしで自動再生
- 動画の時間に制約なし
- 自動再生が終わるとメイン動画はサムネイルになり、クリックするとその動画のYouTube再生ページに移動し、全画面で視聴可能
- テレビ画面のマストヘッド広告には行動を促すフレーズを追加できない
広告表示場所 | ・YouTubeホームフィード画面に表示 ・パソコン・モバイル・テレビのそれぞれで表示形式が異なる |
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課金体系 | インプレッション単価制で課金 |
料金相場 | 1日あたり数十万~数百万 |
使用するキャンペーン目標 | マストヘッド広告は予約ベースでのみ利用できるため、 Googleの広告チームへの相談が必要。 |
動画アクション キャンペーン
動画アクションキャンペーンは、1つの自動キャンペーンを使用してYouTubeやそれ以外の様々な場所でコンバージョンを促進できる方法です。
動画アクションキャンペーンではスキップ可能なインストリーム広告・インフィード動画広告フォーマットを使用します。(動画の長さは10秒以上)
広告表示オプションや商品フィードをキャンペーンに追加し、コンバージョン促進が可能です。
広告表示場所 | ・YouTubeホームフィード ・YouTube動画再生ページ ・YouTube「次のおすすめ」 ・YouTube検索結果 ・Google動画パートナー |
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広告表示オプション | インストリーム広告 ・行動を促すフレーズ(半角10文字・全角5文字) ・広告見出し(半角15文字・全角7文字) ・クリエイティブオプション (サイトリンク表示オプション・リードフォーム表示オプション・Merchant Centerの商品フィードを追加可能) インフィード広告 ・行動を促すフレーズ(半角10文字・全角5文字) ・広告見出し(半角90文字・全角45文字) ・説明文(半角70文字・全角35文字) |
使用するキャンペーン目標 | ・販売促進 ・見込み顧客の獲得 ・商品やブランドの比較検討 |
ファインド広告
ファインド広告はYouTubeホームフィードや次のおすすめに加え、Google DiscoverやGmailのタブを通じてユーザーにアプローチする方法です。ファインド広告は広告の構成要素(広告見出し・画像・ロゴ)を設定し、入札目標と予算に基づいて広告を表示します。
広告表示場所 | ・YouTubeホームフィード・次のおすすめ ・Google Discover ・Gmail |
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入札方法 | ファインド広告は広告予算を設定の上、自動入札のみ可能。 入札戦略は以下の2つ ・目標コンバージョン単価 ・コンバージョン数の最大化 |
使用するキャンペーン目標 | ・販売促進 ・見込み顧客の獲得 ・Webサイトのトラフィック |
目的別におすすめの広告配信方法を紹介
YouTube広告配信の際、その目的に応じて選択するものが異なります。
ここでは広告運用の様々な目的に応じて、どの種類のYouTube広告を選択すべきか解説します。
認知度向上目的に使用するYouTube広告
認知度向上を目的にする場合には以下のフォーマットの使用が効果的です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- バンパー広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- マストヘッド広告
これらの広告はユーザーの検索やクリックといった行動を必要とせず、広告主のターゲティングによって広告を表示できるメリットがあります。
なかでもバンパー広告・スキップ不可のインストリーム広告は、インプレッション数(表示回数)に応じて料金が発生する課金体系です。そのため設定した数のユーザーに、確実にリーチすることが可能です。
消費行動者の行動を促すYouTube広告
消費者の行動を促すためには以下の2つのフォーマットが効果的です。
- 動画アクションキャンペーン
- ファインド広告
これらのフォーマットでは見出しや広告文を用い、広告の訴求力を高められるメリットがあります。
特に動画アクションキャンペーンではインフィード広告(サムネイル)・インストリーム(動画)の2種類のフォーマットを使用し、YouTubeやGoogle動画パートナーサイトに訴求力の高い広告を配信することが可能です。
このようにWEB広告の1種として、様々な配信方法を選択できるYouTube広告には多くのメリットがあります。次章では、YouTube広告の持つメリット・デメリットを整理しましょう。
他の媒体と比較した際のYouTube広告のメリット
YouTube広告には大きく分けて3つのメリットがあります。
- メリット①:コストパフォーマンス(費用対効果)
- メリット②:ターゲティングおよび効果検証の精度
- メリット③:幅広い層への認知獲得
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット① コストパフォーマンスに優れている
YouTube広告を利用するメリット1つ目は、コストパフォーマンスの高さです。
例えば、インストリーム広告はスキップされれば課金されないため、広告に興味をもったユーザーの閲覧に対してのみ費用が発生します。これは、CM枠の購入時点で費用が発生するテレビCMや、広告表示の回数に応じて費用が発生するFacebook広告などにはないメリットです。
メリット② ターゲティングや効果検証が簡単
ターゲットを絞って広告配信できるのはWEB広告全般が持つメリットです。
地域・性別・年齢・好み・キーワード・時間帯・曜日といった様々な条件を組み合わせてターゲットをセグメントすることができ、これまでの自社のサービス利用者の傾向やこれから開拓していきたいターゲット層など、広告の目的に応じて細かなターゲット設定をおこなえます。
また、それぞれのターゲット層の反応について効果検証がおこなえるため、実際の数値に基づきPDCAを回せる効果があります。
メリット③ サービスの認知度アップに強い
YouTubeは日本国内で1日に10億時間以上、月間6,500万人が利用すると言われている動画プラットフォームです。そのため幅広い層をターゲットに広告を配信できるメリットがあります。
子供から老人まで、さまざまなターゲットを対象に認知獲得を狙える点が、他の媒体にはないYouTube広告のメリットです。
他の媒体と比較した際のYouTube広告のデメリット・注意点
残念ながらYouTube広告にはメリットだけでなく、以下のようなデメリットが存在します。
- 高品質な動画制作が必要
- 試聴されない可能性
- 動画制作コスト
これらについて解説します。
デメリット① 動画のクオリティによっては逆効果
YouTube広告は宣伝効果が高く、多くの人気を集めていますが、それは高品質な動画クリエイティブがあることが前提です。
ターゲティング選定など他の点がどんなに優れていたとしても、配信する動画そのものの品質が低いとマイナスイメージを持たれてしまうかもしれません。YouTube広告で成果を得るのであれば、まずは広告動画の制作に力を入れましょう。
デメリット② 広告動画全てを見てもらえない可能性もある
YouTube広告は配信する種類によってはスキップできるものもあり、冒頭の5秒間しか見られないといったケースが多々あります。
また、YouTubeの視聴者の中には作業中や移動中に画面を見ずに音だけ聞いている場合もあります。そのため、映像でけでなく音楽やナレーションなど、聴覚を刺激する仕掛けも必要となるでしょう。
デメリット③ 動画制作にコストがかかる
先ほどYouTube広告成功のためには高品質な動画制作が必要と説明しましたが、動画制作を外注するにはそれなりのコストがかかります。YouTube動画広告制作の依頼先に制作会社やフリーランスなど様々な選択肢があります。
撮影から依頼するか編集のみを依頼するのか、表現方法は実写かアニメかといった違いで費用が大きく異なります。YouTube広告の制作には、最低でもおおよそ5万円〜50万円ほどを見積もっておくと良いでしょう。
動画制作の相場に関して気になる方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
YouTube広告の費用対効果をデータ測定するためのツール・サービス
動画広告は配信するだけでなく詳細な効果測定を行い、数値を最大化させることが重要です。YouTube広告では主に次のデータを確認できます。
- インプレッション数(表示回数)
- クリック率(広告表示回数に占めるクリックされた数の割合)
- コンバージョン率(購入や申込など設定した目標に至った割合)
さらに、以下のような効果測定サービスを併用します。
YouTubeアナリティクス
YouTubeアナリティクスはYouTubeの無料分析ツールです。YouTubeアナリティクスを使用することで、誰が・いつ・どこで・どのくらい・どのように広告を視聴したのかがわかります。具体的には以下のデータが集計できます。
再生回数
- 日付ごとにグラフ表示
- YouTube内・外部サイト上の埋め込み両方をカウント
→ 広告動画閲覧数の傾向を掴み、表示回数の調整に役立てます
視聴者維持率
- 動画がどこまで見られ、どこで離脱したかを確認
→ 離脱前に重要なメッセージを伝える、試聴時間を伸ばすためにどうするかなど、動画クリエイティブの改善に役立てられるメリットがあります
ユーザー層
- 年齢・性別ごとの構成を確認
→ ターゲット層と実際の視聴者層のズレを確認し、動画の内容やキーワード選定の改善に役立てることができます
再生場所
- ユーザーが動画を再生した場所(YouTube動画再生ページ・他サイトの埋め込み)を確認
トラフィックソース
- ユーザーが動画に流入した経路を確認
- YouTube・Googleの検索ワード、流入数を確認
端末
- パソコンやスマホなど、ユーザーの再生環境を端末ごとに確認
→ 端末や想定される視聴環境を知ることで、最適な動画クリエイティブの制作が可能になります
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスを使用することで、WEBサイトクリック数や動画再生時間の割合などのデータを得られます。「広告向け機能」を有効にすると、視聴したユーザーの属性を判断できるメリットがあります。
Google広告ブランド効果測定サービス
Google広告ブランド効果測定サービスは、Googleアカウント担当者のついた、一部の大口アカウントのみで利用できるサービスです。
これを利用すると「認知・理解・ブランディング・想起」といった通常のGoogleアナリティクスでは計測できないデータを集計できるというメリットがあります。
ブランド効果測定サービスを利用した際にはターゲットユーザーに対してアンケートを表示し、ブランド認知に関する以下のことがわかるメリットがあります。
- 広告の再生によりどんな効果があったか
- 商品やブランドの検索にどう繋がったか
- ブランド認知が進んだユーザー属性はどこか など
効果的なYouTube広告映像制作のポイント
YouTube広告の仕組みや効果について説明してきました。この章では実際にどういった広告動画を制作するのが効果的なのか?という点についてお伝えします。
興味や共感をひきつけるなら勝負は冒頭の5秒
繰り返しお伝えしたように、YouTube動画広告はスタートしてから5秒後にスキップが可能です。逆に言えば確実に5秒は視聴されます。この冒頭の5秒で視聴者を惹きつけ、「続きを見たい!」と思わせることが重要です。
たとえスキップされたとしてもブランドの認知が広まるよう、初めの5秒に企業名・ブランド名を組み込むのも効果的でしょう。
ユーザー行動を意識して、アクションを促す
せっかく広告動画を視聴してもらったのであれば、それで終わりにするわけにはいきません。
「続きはWEBで」などユーザーに検索行動を促す方法もありますが、数値に基づく効果測定を行うのであれば、動画アクションキャンペーン等を用いて、直接サイトに飛んでもらうのが最も効果的です。
ターゲティング精度とPDCA
誰に向けて広告を配信するかは特に重要です。
毎日多くのユーザーが利用するYouTube上ではターゲティングの少しのズレで広告の運用結果が大きく変わります。様々なターゲティング条件をよく検討し、効果を最大化させましょう。
また、配信後は随時実際の結果を見ることができるので、適切な頻度で調整をおこなうのが効果的です。
YouTube限定のタイアッププロモーションの実施
人気ユーチューバーやクリエイターとのタイアップキャンペーンを実施するのも効果があります。
ここでのポイントは、SNSでの拡散や「誰かにシェアしたくなるような動画であるか?」という点です。好感度の高い有名人の起用や話題性のある動画作成を行うことで、視聴者が視聴者を連れてくる仕掛けを作りましょう。
YouTube広告を出稿する手順解説
最後にYouTube広告を出稿するまでの手順を解説します。
①出稿の準備
出稿の準備は大きく分けて3つの項目があります。
- 広告動画を作成し、YouTubeにアップする
- 広告フォーマットを把握・理解する
- Googleディスプレイネットワーク広告(GDN広告)を知る・理解する
GDN広告とはGoogleの関連サイト(Gmail・Google Map・YouTubeなど)やGoogle Adsense提携サイトに掲載する広告です。これを利用すると設定画面からYouTube動画にも広告掲載するかどうか選択できます。
②広告キャンペーンを設定する
Google AdWordsアカウントを作成し、「キャンペーンタブから」以下の内容を設定します。
- 予算
- 配信方法
- 掲載スケジュール
- ターゲット地域
- 配信対象デバイス
- 掲載ネットワーク
③広告を作成する
①でアップした動画広告を指定し、フォーマットを選択します。
ここで性別や興味など細かいターゲティングや単価を設定します。
④審査結果を待つ
ここまで終えたら注文を完了し、審査(大体1営業日)がスタートします。
無事審査が通ったらCTA(オーバーレイ広告)を動画上に設置しましょう。
まとめ
本記事ではYouTube広告の種類や効果、メリット・デメリットについて解説しました。
- YouTube広告とテレビCMとの違い
- YouTube広告の課金方法
- YouTube広告の種類と目的
- YouTube広告のメリット・デメリット
- YouTube広告を制作する際のポイント
これらについて理解して頂けたと思います。
YouTube広告は動画を用いて多くの情報を伝えられるだけでなく、ターゲティングや効果検証、費用対効果にも優れた広告です。これからのマーケティング戦略の一環として、YouTube動画広告にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。