急速に人気が高まる動画広告市場。中でも一際強い存在感を示すのがYouTube広告です。
動画を用いたPR活動をしようとした際、真っ先に思い浮かぶ媒体と言えるでしょう。
しかし、日常の中で多くの方が利用するYouTubeですが、配信のこととなると案外知られていないことが多いのも実情です。
例えば「YouTube広告を利用するメリットは?」「費用に対して十分なリターンが得られるのか?」こういった疑問を持たれる方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、動画制作から配信まで一気通貫で提供しているCINEMATO(シネマト)が、YouTube動画広告の種類や、配信費用、配信費用を抑えるポイントを解説します。
- YouTube広告の利用者増加の背景
- YouTube広告を利用する目的・メリット
- YouTube広告の出稿方法
目次
YouTubeサービスの利用状況
YouTubeは、言わずと知れた世界最大の動画プラットフォームです。ここではYouTubeおよびWEB広告・動画広告の市場規模を、具体的な数字を交えて解説します。これらの数字を正確に捉え、広告運用の戦略を練る際に活用していきましょう。
年代別のYouTubeサービス利用状況
年代 | YouTube利用率 |
---|---|
10代 | 96.4% |
20代 | 98.2% |
30代 |
94.7% |
40代 |
89.0% |
50代 |
85.3% |
60代 |
66.2% |
全年代 |
87.1% |
引用元 : 「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
令和5年に総務省によって公開された「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、13歳〜69歳の男女1,500名を対象にしたアンケートから、全年代の87.1%がYouTubeを利用していることがわかりました。
なかでも、10代〜30代では90%を超え、最も利用割合の低かった60代でも66.2%がYouTubeを利用しています。
拡大するWeb・動画広告市場
また、スマートフォンの普及を背景に、様々なWEBサービスを利用することが日常的になったことから、WEB広告市場も急速な成長を見せています。
同じく総務省による「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、2021年(令和3年)のデジタル広告を利用した広告費は2兆7,052億円となっており、マスコミ4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費合計(2兆4,538億円)を初めて上回ったことがわかりました。
引用元 : 「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」
要約すると、以下の内容となります。
- YouTubeは幅広い年代に利用される動画プラットフォームである
- YouTubeは全年代の約90%が利用する
- インターネット利用が日常的になり、WEB広告の市場規模も拡大している
YouTube広告を活用するべき企業は?
以上のように、現在日本また世界ではWEB広告市場、動画市場が急速な成長を遂げています。
ただ、あまりにも話の規模が大きく「動画広告、WEB広告は大企業だけが取り組むもの」と考えてしまう方も少なくないでしょう。
結論、YouTubeは企業の規模に関わらず、様々な企業・業態のPRに活用できるツールです。以下の章ではYouTube広告の特徴・メリットについて解説します。
「YouTube広告を利用することで自社でどのような課題を解決できるか?」「自社のビジネスに最適な利用方法はどういったものか?」に焦点を当て、1つずつ見ていきましょう。
YouTube広告のメリット
YouTube広告には以下のように多くのメリットがあります。
- 利用ユーザーが多く、リーチできる数が多い
- マーケティングファネルに合わせた目標設定ができる
- YouTubeの豊富な配信フォーマット
- YouTubeの様々なターゲティング手法
- 少額からでも出稿可能で費用対効果が高い
- 精度の高い効果検証ができる
広告動画の制作前、運用開始前にこれらを何度もご確認いただき、YouTube広告のメリットを最大限活用しましょう。それぞれのメリットについて、章を設けて詳しく解説していきますので、まずはそれぞれの概要を簡単に理解しましょう。
専門用語が出てきますが、後述する章でそれぞれ解説していきますので、ご安心ください。
利用ユーザーが多く、リーチできる数が多い
YouTubeは世界中で20億人以上の月間アクティブユーザーを持つ、世界最大級の動画共有プラットフォームです。
2023年にGoogleが発表した情報によると、日本国内でのYouTube月間ユーザー数は、18歳以上で7,120万人(※)にものぼります。
※引用元:Think with Google
非常に多くのユーザーが利用しているため、YouTube広告は多様なターゲットにアプローチするための理想的なプラットフォームと言えます。
マーケティングファネルに合わせた目標設定ができる
YouTube広告を使用することで、自社の顧客となりうる様々な層にアプローチが可能です。
具体的には、まだ商品・サービスを知らない、もしくはその必要性に気づいていない「潜在層」。他社の商品との比較検討を行う「見込み層」。すでに自社の製品に魅力を感じ、購入まであと一歩の「顕在層」。
これらのターゲットに向けて、購買確度に合わせた訴求をおこなうことができます。
認知獲得〜購買促進といった目的に合わせて広告配信ができるYouTube広告は、自社のマーケティング戦略を成功に導く心強い味方となってくれることでしょう。
YouTubeの豊富な配信フォーマット
また、一言に「YouTube広告」と言っても、その配信手法は様々です。動画広告では再生時間や課金体系に種類があり、さらに静止画・テキスト広告も選択できます。
そのため、商品の特性や戦略に合わせた配信が可能。配信フォーマットに合わせてクリエイティブを制作することで、視聴者を自社の期待する行動に導きましょう。
YouTubeの様々なターゲティング手法
YouTube広告は、お客様の商品やサービスに興味を持っているユーザー層とつながりを築くために有効な手段です。
ユーザー属性グループ、興味/関心、プレースメント、リマーケティング リストなどのさまざまなターゲティング方法を使用し、ユーザーの属性、関心、表示コンテンツに基づいて、特定のユーザーに広告を表示できます。
Find My Audience(※)を使用すれば、ユーザー層の興味や習慣、購入意向に基づいて、ターゲティング可能。サービスに興味関心がある、価値の高いユーザーと接触できます。
※Google広告でYouTubeキャンペーン作成の際に、”広告対象に適したカテゴリの指定”まで導入をサポートしてくれるサービス
少額からでも出稿可能で費用対効果が高い
YouTube広告で広く使われるストリーム広告は、費用対効果が高いのが特徴です。ストリーム広告は、YouTube内で広く使用される動画広告のフォーマットで、動画の視聴前後や検索結果、関連動画などに表示されます。
また、ユーザーが広告を再生して30秒以上視聴した場合か、広告をクリックした場合にのみ課金されるため、無駄な配信を避けられます。同時に、興味がある人のみが動画を見るため、効果が出やすいのも特徴です。
精度の高い効果検証ができる
動画広告に対する視聴者の反応を、YouTubeアナリティクスで可視化できます。広告配信結果を分析し、パフォーマンス改善をのためのアクションにつなげることができます。
以上のように、YouTube広告はただユーザーに触れる機会が多いだけでなく、広告配信機能も優秀です。動画広告を検討中であれば、必ず候補に入るでしょう。
では、次の章では、メリットの2つ目で紹介した”マーケティングファネルに合わせた目標設定”について確認していきましょう。
YouTube広告で意識すべき3つのマーケティング目標とは?
YouTube広告は、ただ配信して多くの視聴者の目に触れれば良いかといえばそうではなく、目的に合わせて活用することが重要です。
YouTube広告の活用方法には大きく分けて「認知拡大」「比較検討」「行動(購買)促進」の3つの目的があります。
本章ではこれら3つの目的、また、それぞれの施策が必要となる場面を解説します。ここで紹介する内容をよく理解し、明確な目的を持った広告配信をおこないましょう。
- 商品・サービスの認知拡大
- 商品・サービスの比較検討
- 行動(購入)促進
【商品・サービスの認知拡大】注目を集める
商品・サービスを販売しようとした際、まずは潜在顧客に自社の商品・サービスを知ってもらうことが必要です。YouTube広告は、こうした「認知拡大」を目的に活用することができます。
認知拡大効果を狙ってYouTube広告を運用するのであれば、このあと詳細を紹介する「バンパー広告」「インストリーム広告」「アウトストリーム」「マストヘッド広告」が効果的と言えるでしょう。
従来「認知拡大」をおこなうためにはテレビCMをはじめとしたマス広告が効果的とされてきました。しかし、現代のテレビ離れやYouTube利用者の増加により、YouTube広告によって認知拡大効果を得ることは十分に可能となっています。
【商品・サービスの比較検討】関心を高める
商品・サービスの購入を検討するユーザーは、購入決定の前に多くの類似商品を調べ、比較をおこないます。この段階もYouTube広告を活用して自社の製品をアピールするべきタイミングです。
具体的には、比較検討をおこなうユーザーに対しては「インストリーム広告」「インフィード広告」を用いて訴求するのがおすすめです。
これらの広告フォーマットを使用することで、自社の商品が購入を検討するユーザーの目に触れる機会を増やすことができます。
自社の製品をYouTube利用者の印象に残すことで、他社より競争優位に立つことができるでしょう。
【アクション】消費者の行動を促す
YouTube広告の最終的な目標は、見込み顧客に広告をクリックしてもらい、その後の商品購入や登録といった、購買につながるアクションを起こさせることです。
この目的を達成するためには「ファインド広告」「動画アクションキャンペーン」を利用します。
「ファインド広告」は、YouTubeホームフィードや次のおすすめフィードに広告を表示するフォーマットです。
Googleの機械学習を用いたターゲティングをおこなって広告表示し、興味を持ったユーザーのクリックによって動画広告が再生されるため、自ずとコンバージョン率が高くなります。
「動画アクションキャンペーン」は、広告動画と合わせて広告テキストを表示するフォーマットです。
広告動画で視聴者を惹きつけ、次に起こしてもらいたいアクションを示すことができるため、「動画広告キャンペーン」は消費者の行動を促すために最も効果的なフォーマットと言えるでしょう。
8種類の配信フォーマット
ここでは上の章でも触れた、YouTube広告の配信フォーマットについて解説します。
まずは以下の表で、配信フォーマットの一覧をご覧ください。
フォーマット | スキップ | 尺 | 目的 |
---|---|---|---|
TrueView インストリーム広告(スキップ可能) | 可 | 制限なし 15~60秒推奨 |
ブランド認知向上・リーチ 商品やブランドの比較検討 販売促進 見込み顧客の獲得 |
TrueViewインストリーム広告(スキップ不可) | 不可 | 6~15秒 | ブランド認知向上・リーチ |
インフィード広告 (旧:TrueViewディスカバリー広告) |
– ※ | 制限なし | 商品やブランドの比較検討 |
バンパー広告 | 不可 | 6秒以内 | ブランド認知向上・リーチ |
アウトストリーム広告 | 不可 | 6~15秒 | ブランド認知向上・リーチ |
マストヘッド広告 | – ※ | 制限なし | ブランド認知向上・リーチ |
ファインド広告 | – ※ | 制限なし | ブランド認知向上・リーチ 販売促進 見込み顧客の獲得 |
動画アクションキャンペーン (旧:TrueViewアクション広告) |
可 | 制限なし 20-60秒推奨 |
販売促進 見込み顧客の獲得 ウェブサイトのトラフィック増加 |
※動画の前後や途中に再生される広告ではないため
それぞれ詳しく説明していきます。
スキップ可能なインストリーム広告
※引用元 : 動画広告フォーマットの概要 – YouTubeヘルプ
スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前後または再生中に配信される動画広告です。5秒経過するとスキップ可能(視聴にはカウントされない)で、CTAを設置できます。
広告が30秒以上視聴されたとき、または、動画が最後まで表示されたとき(動画広告が30秒未満)のみ課金されるため、効果が高いのが特徴です。あらゆる目的に対して使えるため、もっとも人気の高い広告になります。
- YouTube動画再生ページ
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリ
スキップ不可のインストリーム広告
※引用元 : 動画広告フォーマットの概要 – YouTubeヘルプ
スキップ不可のTrueViewインストリーム広告は、動画の再生前後または動画の再生中に配信される15秒以下の動画広告です。動画はスキップできないため、最後まで視聴されます。
似たフォーマットにバンパー広告がありますが、こちら(インストリーム広告)のほうが再生時間が長く商品の紹介などに向いています。
- YouTube動画再生ページ
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリ
インフィード広告(旧:TrueViewディスカバリー広告)
※引用元 : インフィード動画広告 – Google 広告 ヘルプ
インフィード動画広告は、動画の再生中や前後で表示される広告ではありません。ユーザーがYouTubeで通常の動画コンテンツを見つける場所(関連動画の横/検索結果画面/YouTubeモバイル版トップページなど)で表示されます。
動画のサムネイル画像とテキストで構成されるタイプの広告で、ユーザーがサムネイルをクリックして広告(動画)が再生された際に料金が発生します。
- YouTubeの検索結果
- YouTubeの関連動画の横
- YouTubeモバイルのトップページ
バンパー広告
※引用元 : 動画広告フォーマットの概要 – YouTubeヘルプ
バンパー広告は、6秒以内の動画広告です。モバイル時代に適した短めのフォーマットで、ユーザーのストレスが少なく済みます。
再生時間は限られていますが、スキップできないため確実に伝えたい内容を伝えられます。
- YouTube動画再生ページ
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリ
アウトストリーム広告
※引用元 : 動画広告フォーマットの概要 – YouTubeヘルプ
アウトストリーム広告はモバイル専用の動画広告で、YouTube以外のウェブサイトやアプリで配信されます。ニュース記事の間やゲームのプレイ前など、ユーザーが画面に関心を向けているタイミングで広告表示が可能です。
音声なしで自動再生されるため、音がなくても興味を引くような内容にします。(ユーザーがタップするとミュートは解除される)
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリ(YouTubeは含まれない)
マストヘッド広告
※引用元 : YouTube マストヘッド – Google 広告 ヘルプ
マストヘッド広告はYouTubeのトップページの最上段に掲載される、最も視認性の高いYouTube広告です。
新しい商品やサービスの認知度を高めたい場合や、短期間で大規模なオーディエンスにリーチしたい場合(販売イベントなど)に使用します。
マストヘッド広告は、最小利用金額が設定されており、Google担当者を通じて予約が必要です。
音声なしで自動再生され、ミュートアイコンをクリックすると音声を有効にできます。動画の時間に制約はありません。
- YouTubeアプリのホームフィード上部
- m.youtube.comのホームフィードの上部
ファインド広告
※引用元 : ファインド キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ
ファインド広告は、YouTubeユーザーの行動促進を目的に使用する広告フォーマットです。
YouTubeホームフィードや「次のおすすめ」欄にサムネイル形式で広告を表示し、ユーザーのクリックによって広告動画が再生されます。
サムネイルを見て興味を持ったユーザーにだけ配信され、広告費用対効果や高いCV率を期待できる広告フォーマットです。
- YouTubeホームフィード
- YouTube「次のおすすめ」欄
- Google Discover
- Gmail [プロモーション][ソーシャル]タブ 等々…
動画アクションキャンペーン
※引用元 : 動画アクション キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ
動画アクションキャンペーンは、見込み顧客の獲得やコンバージョンを促進する広告です。「今すぐ購入」や「詳細を確認」など、「行動を促すフレーズ」、テキスト オーバーレイの見出し、終了画面を動画広告に追加します。
スキップ可能なインストリーム広告、または、インフィード動画広告のフォーマットを使用します。一言で表すと、「よりコンバージョンさせる(ユーザーの行動を促す)ことに特化した広告」というイメージです。
スキップ可能なフォーマットで、動画の時間制限はありませんが、離脱を防ぐため20-60秒程度の長さを推奨しています。
- YouTube動画再生ページ
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリ
オーバーレイ広告(2023年4月6日廃止)
※こちらの広告は、2023年4月6日に廃止されました。パソコンのみで表示されていた広告で、視聴者の混乱を招きかねない広告フォーマットであったことが廃止の理由のようです。
オーバーレイ広告は、YouTube動画コンテンツ再生中に画面下部20%の範囲内に画像もしくはテキストといった静止画広告を掲示するフォーマットです。
広告のサイズは468×60ピクセルまたは728×90ピクセルのいずれかで、YouTubeをパソコンで利用した場合にのみ表示されます。
- YouTubeブラウザ(パソコンのみ)
ターゲットは「人」+「コンテンツ」
YouTube広告には、視聴者を対象にした「オーディエンスターゲティング」と表示する場所を対象とした「コンテンツターゲティング」の、大きく分けて2つのターゲティング方法があります。
この章ではYouTube広告のターゲティングの詳細を理解し、配信の効果を高める準備をしましょう。
オーディエンスターゲティング
YouTube広告のオーディエンスターゲティングは、以下のように非常に細かくターゲット設定をおこなえます。
オーディエンスターゲティング
- ユーザー属性グループ
- 詳しいユーザー属性
- 興味・関心
- データセグメント
- カスタマーマッチ
- 類似セグメント
ユーザー属性グループ
年齢・性別・子供の有無・世帯年収を基準にターゲティングする
詳しいユーザー属性
大学生・住宅所有者・最近子供が産まれたなど、共通の特徴を持ったユーザーに幅広くアプローチする
興味・関心
表示されたトピックからカテゴリを選択し、そのトピックに興味のあるユーザーを対象に広告を配信する。興味・関心ターゲティングは、さらに以下のように細分化できる。
- アフィニティ セグメント
- カスタム アフィニティ セグメント
- ライフイベント
- 購買意向の強いセグメント
- カスタムセグメント
データセグメント
広告主のYouTube動画を視聴したユーザーや、広告主のホームページを訪れたことのあるユーザーを対象に広告配信をおこなうターゲティング手法。
カスタマーマッチ
オンライン・オフラインの自社データ(顧客リスト等)を使用し、配信先を決めるターゲティング手法。
類似セグメント
データセグメント・カスタマーマッチで使用するユーザーリストを元に、それとよく似た属性を持ったユーザーに広告を配信するターゲティング手法。
コンテンツターゲティング
YouTube広告は、YouTubeをはじめGoogleディスプレイネットワーク上のアプリやWEBサイトに配信できます。詳細は以下の通りです。
コンテンツターゲティング
- プレースメント
- トピック
- キーワード
- デバイス
プレースメント
YouTube広告は具体的に以下に記載する場所に表示可能です。
- YouTube チャンネル
- YouTube 動画
- Google ディスプレイ ネットワーク上のウェブサイト
- Google ディスプレイ ネットワーク上のアプリ
トピック
YouTube広告でトピックターゲティングを使用すると、選択したトピックに関連する様々なWEBサイトやコンテンツ、動画に自社の広告を配置可能です。
例えば「自動車」というトピックを選択すると、自動車に関連する記事や動画に広告が表示されます。
キーワード
使用する広告フォーマットによっては、キーワードを指定したターゲティングも可能です。キーワードターゲティングを使用すると、指定した単語やフレーズに基づいて、それに関連する動画やサイトに広告が表示されます。
デバイス
現在のインターネットユーザーは、オフィスや自宅、電車内で動画を視聴し、その状況によって使用するデバイスを使い分けます。YouTube広告ではこうしたデバイスごとの利用状況から、デバイスを指定した広告配信が可能です。
- パソコン
- スマートフォン(iPhone・Android)
- モバイルデバイス(タブレット)
このいずれか、もしくは複数をターゲットにすることができます。
配信フォーマット別の課金形態と入札戦略
費用対効果が高いYouTube広告の課金体系
YouTube広告の課金体系は4種類です。
- CPV(Cost Per View)
- CPM(Cost Per Mile)
- CPC(Cost Per Click)
- vCPM(Viewable Cost Per Mile)
CPV(Cost Per View)
ユーザーが30秒間視聴(30秒以内の動画の場合は最後まで視聴)したか、30秒経つ前に動画を操作した場合に課金されます。
対象の広告フォーマットは、スキップ可能なインストリーム広告です。
CPM(Cost Per Mile)
広告が1,000回表示されるごとに課金されます。
対象の広告フォーマットは、スキップ不可のインストリーム広告、バンパー広告、マストヘッド、オーバーレイ広告です。
CPC(Cost Per Click)
ユーザーがサムネイルをクリックして、広告を視聴した場合にのみ課金されます。
対象の広告フォーマットはファインド広告です。
vCPM(Viewable Cost Per Mile)
動画が2秒以上再生された場合にのみ課金されます。
対象の広告フォーマットアウトストリーム広告です。
Googleの機械学習を用いた自動入札の概要
YouTube広告の運用時は、Googleの機械学習を用いて自動入札を利用できます。自動入札を利用することで、運用者は手作業による入札価格変更から解放され、少ない工数でパフォーマンスを向上させることができます。
- コンバージョンの最大化
- 目標コンバージョン単価
- 目標広告費用対効果
コンバージョンの最大化
「コンバージョンの最大化」は、指定した予算内でより多くのコンバージョンを獲得するために使用する入札戦略です。
この入札戦略を使用した場合、過去・リアルタイムのデータをもとにGoogleのAIがオークションごとの入札価格を自動調整し、コンバージョン見込みの高い場所に広告を表示します。
ただし、コンバージョン最大化の戦略使用時は1日の予算額を全額消化してCV獲得を目指すため、日割り予算額の調整と、費用対効果の面では注意が必要です。
これまで予算未消化で終わっていた広告が予算額ギリギリまで消化され、また、CV獲得を目指して積極的な広告運用がされるため、CVRが低い広告の場合、費用対効果が下がる恐れがあります。
目標コンバージョン単価
「目標コンバージョン単価」を使用した際は、広告主の指定したCPA(コンバージョン単価)を目標としてGoogleのAIが広告を運用します。
広告主からするとCPAが低いに越したことはありませんが、目標値をあまりに低く見積もることには注意が必要です。
相場を大きく下回るCPAを設定した場合、入札するオークションの数が限られ、大幅な機会損失を産む可能性があります。
ある程度CV数を獲得し、それを基準に徐々にCPAを下げていきたいと考えた際に「目標コンバージョン単価」を使用するのがおすすめです。
目標広告費用対効果
「目標広告費用対効果」の入札戦略は、広告運用費の投資収益率を最大化するように入札価格を自動調整する戦略です。
これを使用した場合、CVに繋がる見込みが高いと判断されたオークションでは入札価格が上がり、CV見込みの低いオークションでは入札価格を下げるといった調整がおこなわれます。
目標広告費用対効果の入札戦略についても、非現実的な目標値は機会損失の原因となる点、また、過去30日以内に15件以上のCVを獲得していることが利用条件となる点には注意が必要です。
YouTube広告の効果測定方法
YouTube広告のメリットに「精度の高い効果測定」があるということは、上でお伝えした通りです。これにはGoogle広告管理画面と、Googleアナリティクスというツールを使用します。
- Google広告管理画面
- Googleアナリティクス
これらには明確に異なる役割があるため、両方を使いこなすことで広告運用のPDCAを回しましょう。
【Google広告】パフォーマンス測定
Google広告の管理画面は、YouTube広告の基本的なパフォーマンスを確認するのに使用します。出稿した広告の表示からCVまでの様々な数値を確認できます。
Google広告管理画面で確認できる数値を参考に、広告のターゲティングや入札価格など、広告表示を調整するための様々なデータを取得できます。
主なパフォーマンス指標
- インプレッション数(表示回数)
- クリック数
- クリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン数(CV)
- コンバージョン率(CVR)
- コンバージョン単価(CPA)
【Googleアナリティクス】クリック後の動向調査
一方、Googleアナリティクスを用いた効果測定は、主にコンバージョン率(CVR)を高めるのに使用します。Googleアナリティクスでは、広告をクリックした後の遷移ページで、ユーザーがどのような行動を取ったかを詳しく検証します。
というのも、「誘導したページの使い勝手が悪く成約に繋がらない」「クリックしてみたものの商品に魅力が感じられない」といった理由で、広告の重要指標であるCVRが低くなるといったことがよくあります。
効率よくコンバージョンを獲得するために、上記2つのツールを使いこなしましょう。
YouTube広告で成果を出すための事前準備
YouTube広告のメリットと、そのメリットを発揮するための仕組みをご理解いただけたところで、ここからは実際にYouTube広告を出稿する方法や、広告出稿時のポイントを解説します。
ここから解説する内容を確認し、広告運用までの流れをイメージしましょう。
運用の設計
YouTube広告の運用を検討する際、まずは広告を出稿する目的・目標を明らかにします。
例えば「製品の購入促進」「会社のブランディング」「入社希望者の増加」といった目的、「売上」「メルマガ登録者数」「採用応募者」といった数値に置き換えられるものを目標として設定します。
また、ここでは動画制作費用や広告運用費といった予算を明確にすることも重要です。実際に広告に投資を始める前に、広告運用の全体をイメージしましょう。
はじめての動画広告の制作で費用感が掴めない場合は、一度動画広告の運用をワンストップで提供する動画制作会社に問い合わせをしてみるのがおすすめです。
YouTube動画の配信計画
動画広告配信の目的・目標を設定したら、次に効果的な配信方法について検討します。こちらは上で解説した「YouTube広告の3つのマーケティング目標」を参考にしてください。(YouTube広告の3つのマーケティング目標)
YouTube動画の構成と制作
YouTube広告の目的と配信フォーマットが決まったら、次はいよいよ動画の制作です。使用する広告フォーマットによって再生時間等が異なり、効果的な構成に違いがあります。
「スキップ可能なインストリーム広告」を採用する場合は冒頭に結論を持ってくる。「スキップ不可のインストリーム広告」であれば長い動画も最後まで再生される。「バンパー広告は6秒以内」。
効果の高い広告配信には、広告フォーマットに最適な動画を制作することが重要です。
広告の出し方7ステップ
この章ではYouTube広告を出稿する際のステップを、準備〜入稿完了まで7ステップで解説します。慣れないうちは少し難しく感じる部分もあるかもしれませんが、本章を何度も見返して頂き、広告の出し方をマスターしましょう。
- YouTube広告出稿前に用意するもの
- YouTube動画をアップロードする(YouTube)
- キャンペーンを作成する(Google広告)
- キャンペーン目標を選択する(Google広告)
- 予算設定をおこなう(Google広告)
- ターゲット選定をおこなう(Google広告)
- 動画クリエイティブを入稿する(Google広告)
①YouTube広告出稿前に用意するもの
まずYouTube広告の入稿を始める前に、広告出稿に必要なものを準備します。広告出稿に必要なものは以下の3つです。
それぞれ登録等はほんの数分で終了します。またそれぞれの利用は無料なので、後回しにせずに完了させてしまいましょう。
- Google広告のアカウント作成
- YouTubeアカウントの作成
- YouTube広告に出稿する広告動画
Google広告のアカウント作成
YouTube広告は、Google広告の管理画面を使用して入稿・管理をおこなうため、まずはGoogle広告アカウントを作成します。
以下のリンクから右上の「今すぐ開始」をクリック。その後ご自身のGoogleアカウントを使用してログイン頂き、「使用通貨」「支払い方法」を入力すれば完了です。
「使用通貨」については後からの変更ができないため、注意して登録をおこないましょう。
YouTubeアカウントの作成
YouTubeのアカウント作成にもGoogleアカウントが必要です。
YouTubeホーム画面右上の「ログイン」ボタンをクリックし、遷移先ページで「アカウント作成」をクリック。その後「個人用」もしくは「ビジネスの管理用」を選択すれば完了です。
YouTube広告に出稿する広告動画
Google広告アカウント、YouTubeアカウントに加え、YouTube広告として利用する広告動画も事前に準備しましょう。動画のアップロード方法についてはこの後解説します。
②YouTube動画をアップロードする(YouTube)
広告出稿に必要なアカウント・動画の準備ができたら、次に広告用動画をYouTubeにアップロードします。この作業はWEBページだけでなく、アプリを使用しても可能です。
- YouTubeホーム画面左の「自分の動画」をクリック
- 遷移先ページ(YouTube Studio)右上の「作成」ボタンから「動画をアップロード」を選択
- 「詳細」「動画の要素」「チェック」「公開設定」の順に設定を進めれば動画のアップロードは完了です。
③キャンペーンを作成する(Google広告)
次にGoogle広告の管理画面から、次はYouTube広告のキャンペーン作成です。
Google広告ホーム画面で「新しいキャンペーンを作成」をクリックします。
④キャンペーン目標を選択する(Google広告)
YouTube広告を入稿する際は、以下の6つの中からキャンペーン目標を選択します。
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度とリーチ
- 目標を指定しないでキャンペーンを作成する
この時、一部のキャンペーン目標ではコンバージョンの測定方法(Webサイト・電話)の選択が必要です。
その後キャンペーンタイプの中から「動画」を選択し、「続行」をクリックすれば完了です。
⑤予算設定をおこなう(Google広告)
次にキャンペーンの全般設定をおこないます。複数の設定項目がありますが、ここでの必須項目は「キャンペーン予算」のみです。
キャンペーン全般設定は後からでも変更が可能なため、わかる範囲で設定を進めます。
- キャンペーン名
- 入札戦略
- 予算と日程
- ネットワーク
- 地域
- 言語
- その他の項目(広告グループの作成)
⑥ターゲット選定をおこなう(Google広告)
上で解説したキャンペーン全般設定画面で、動画広告のターゲット設定もおこなえます。この画面上でターゲット設定に関する項目は、以下の通りです。
ターゲット設定項目
- ネットワーク:キャンペーン設定項目
- 地域:キャンペーン設定項目
- 言語:キャンペーン設定項目
- その他の設定(デバイス):キャンペーン設定項目
- ユーザー(オーディエンスターゲティング):グループ設定項目
- 詳細設定(コンテンツターゲティング):グループ設定項目
⑦動画クリエイティブを入稿する(Google広告)
最後に一番下の「動画広告を作成する」の欄で動画のURL指定や広告文の作成を行えば、YouTube広告の入稿は完了です。
- 広告に使用する動画のURL
- 最終ページURL(広告クリック後の遷移先ページURL)
- 表示URL
- 広告文
- 広告のURLオプション
広告運用を成功に導くポイント
YouTube広告出稿までの一連の流れがわかったところで、マーケティング施策を成功に導くための重要なポイントを紹介します。ここで解説する内容を十分に理解し、実際の運用に活かしましょう。それでは1つずつ解説していきます。
- YouTube広告を配信する目的を明確にする
- 機械学習と目視を併用し、PDCAを回して改善を繰り返す
- 他のマーケティング施策と連動させる
- 高品質な動画を制作する
YouTube広告を配信する目的を明確にする
YouTube広告を出稿する際は、まず目的を明確にします。前述の通り、施策の費用対効果を高めるには、対象となるターゲットに、適した広告を配信することが重要です。
自分たちが目的とするものはなにか。大きく分けて「認知・想起率の向上(ブランディング)」「比較・検討」「行動促進」を明らかにします。
目的を明確にすることは、出稿する動画のフォーマット選び、動画のシナリオなど様々な要素に影響を与えます。
「結局何が言いたいかわからない動画」が出来上がってしまったり、費用対効果の上がらない広告運用にならないために、まずは動画広告を活用する目的を明確にしましょう。
機械学習と目視を併用し、PDCAを回して改善を繰り返す
運用を成功に導くポイントの2つ目は、数値を元にPDCAを回すという点です。このとき細かく数値を確認して手動でターゲットや入札単価を調整することと合わせて、機械学習機能を使いこなすことが重要です。
Googleの機械学習は、施策で効果を出すことと、運用の作業の手間を減らすことに貢献します。
広告を出稿して終わりにするのではなく、目視・機械学習を駆使してパフォーマンス向上に努めましょう。
他のマーケティング施策と連動させる
施策を成功に導くために、YouTubeを他のマーケティング施策と連動させることも非常に重要です
例えば広告をクリックした先のホームページ・ランディングページの品質を高めたり、SNSからYouTubeに集客するといったことがその具体例です。
マーケティング施策
- 自社サイト・サービスページ・オウンドメディア
- SNS(Twitter・Instagram・Facebook・LINE)
- YouTube
- 店舗・営業所
これらが連携して相互送客をおこなう仕組みを構築することで、マーケティング施策の最終目的である売上獲得に向けて大きな力を発揮します。
高品質な動画を制作する
当然のことながら、動画を利用した広告を配信するのであれば、高品質なクリエイティブも必要不可欠です。目的や戦略に沿った動画・映像を制作し、効果の高い広告配信を目指しましょう。
YouTube広告用の動画制作事例[CINEMATOの実績紹介]
ここまでの内容で、YouTube広告について概要は理解できたことと思います。最後に、過去にCINEMATOがYouTube広告用に制作した事例をいくつかご紹介します。
動画制作・映像制作は、ただかっこいい、面白い、おしゃれな動画を制作すれば良いわけではなく、マーケティングや事業の戦略に紐づいていることが大切です。YouTube広告を制作する際のクオリティの参考にしていただければ幸いです。
YouTube広告用動画のCINEMATO制作事例 : ShopifyJapan株式会社
動画の種類 | 実写動画 |
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ポイント | 個人事業主のリード獲得のためのWebCMです。個人でデザインから売上までを一括で管理できるというメリットを訴求しています。 |
Shopifyは誰でも簡単に始められるネットショップ開設サービスで、企業・個人に関わらず、顧客が展開するビジネスのスケールアップをサポートします。
本CMでは「Shopifyとは何か?」「Shopifyで何ができるか?」をシンプルにわかりやすく伝えることで、認知拡大を狙っています。
YouTube広告用動画のCINEMATO制作事例 : 株式会社KAKEAI
動画の種類 | アニメーション動画 サービス紹介動画 |
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ポイント | 1on1の属人化を防いで、組織に定着させるクラウドツール「Kakeai(カケアイ)」のサービス紹介動画です。サービスサイトで機能訴求はできているため、コンセプトを伝えてCVを高めるためのPR動画を制作しました。 |
ビジネスでのコミュニケーションにも「本音が必要」ということを伝えるため、日本の歴史上最も上司と部下で本音のコミュニケーションが足りなかったと言われている織田信長と明智光秀をメインビジュアルに採用しています。
YouTube広告用動画のCINEMATO制作事例 : freee株式会社
動画の種類 | 実写動画 認知拡大/CV促進動画 |
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ポイント | 会計freee=小規模事業者向けという認知を100-200名規模の企業でも利用できるという認知に変えるため、変化と機能メリットをシナリオと演出に落とし込んで表現しています。 |
freee株式会社はクラウド会計ソフトfreee・クラウド人事・労務ソフトfreeeを提供する企業です。本CMでは「クラウド会計ソフトは小規模事業者の利用する機能が不十分なもの」というイメージを変えていくための認知転換(ブランディング)を目的に、WebCMを制作しています。
freeeを利用することで営業・情報システム・経理・経営者のかくポジションのワークフローにどのような変化が起きるのか。問題提起と解決後の姿をBefore・After形式でわかりやすく説明しています。
その他の制作事例も数多く公開しておりますので、気になる方は以下のページもあわせてご覧ください。
まとめ
以上、本記事では今多くの企業が注目するデジタルマーケティング施策、「YouTube広告」について解説しました。
文中でもお伝えした通り、YouTube広告は様々なマーケティング目標を達成するために、顧客に効果的にアプローチできる優れたツールです。
「認知拡大」「比較検討」「行動促進」といった自社がユーザーに期待する行動は何かを明確にし、それに応じた適切なフォーマットを使い分けましょう。
また、YouTube広告は印象に残るクリエイティブに目が行きがちですが、優れた効果測定機能があることも忘れてはいけません。
適切にPDCAを回し、費用対効果の高い運用をおこなっていただくために、何度も本記事を読み返して頂けたらと思います。
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新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。