近年、市場急拡大中の動画広告。TVを見る時間よりもスマホを見る時間が増えた現在、WEBを中心とした動画広告は増々重要になっています。動画広告の配信を検討してこの記事を見ていただいている企業担当者様も多いのではないでしょうか。
動画広告を始める前には、従来のバナー広告と何が違うのか、どんなメリットがあるのかなど、詳しく知っておきたいですよね。
そこで、当記事では、動画広告を動画制作から広告配信まで提供しているCINEMATOが、動画広告のメリットや配信先、種類や課金体系を徹底解説します。
今回ご紹介するのは、動画広告を始めるのは初めてという方向けの内容です。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
では、初めに、動画広告市場がどれくらい拡大しているのかを確認していきましょう。
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こちらの資料では、SaaS企業向けプランの詳細だけでなく、実際のクライアント様の課題や制作動画の効果を記しており、資料でしか分からないより具体的な導入事例や制作実績が確認できます。
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目次
動画広告とは?
動画広告とは、動画を利用した広告、動画クリエイティブを用いた広告のことを指します。
広義の意味ではTVCMなども動画広告の1つになりますが、主にYouTubeなどのWeb上で目にする動画広告を指していることが多いです。
今までもTVCMなどの動画広告は存在していましたが、Web上の動画広告が身近な存在になったのは比較的最近です。
インターネットが普及した1990年頃は、テキストを用いた広告が主流でした。そこから、2010年頃からスマホの普及によって、画像やアニメーションを用いたバナー広告がメインの広告となっていきます。そして、現在普及してきているのが、今回詳しく解説する動画広告です。
インターネット回線速度の向上や技術の発展に伴い、求められるコンテンツのリッチ化が進んでいることにより、動画広告は急速に人気になってきています。
今後も5Gなどの高速通信技術の発展に伴い、動画広告市場が拡大していくのは必然と言えます。
急成長する動画広告市場
引用:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を実施
株式会社サイバーエージェントが2024年に発表した”国内動画広告の市場動向調査”によると、動画広告市場は急速に拡大する見込みです。
動画広告の市場規模は、2023年の6,253億円から2027年には1兆円を超え、4年で約1.6倍に成長するとされています。
なぜここまで急速に市場が拡大しているのでしょうか?動画広告が普及している理由は、そのメリットにあります。
動画広告のメリット
動画広告は、従来のバナー広告と何が違うのでしょうか。
動画広告のメリットは大きく分けて以下の5つです。
- テキスト・静止画よりも多くの情報を伝えられる
- 認知されやすい
- コンバージョンしやすい
- 拡散(シェア)されやすい
- コストパフォーマンスに優れている
テキスト・静止画よりも多くの情報を伝えられる
動画広告は、テキストや静止画よりも豊富な情報を効果的に伝えることができます。
1分間の動画で伝達できる情報量は、Webサイト約3,600ページ分になるとも言われています。従来のテキストや静止画だけのバナー広告と比較して、動き、音、ストーリーなどの興味を引く要素が多く、ユーザーの目に止まりやすいからです。
動画広告は、映像や音声の組み合わせにより、製品やサービスの特徴や使い方、魅力的なストーリーを視覚・聴覚に同時に伝えることが可能です。
認知されやすい
動画広告は情報量が多くユーザーの記憶に残りやすいのが特徴です。ブランディングのような、イメージが先行する用途には動画が向いています。
形のないイメージやブランドは、画像やテキストだけではユーザーの記憶に定着しません。動画が持つ情報の多さ、ストーリーなどの要素を併せ持つ動画広告が向いていると言えます。
また、視覚的な要素と音声の組み合わせによって人々の注意を引きやすい点もポイントです。動画広告は視聴者に強いインパクトを与えることができるため、印象的な動画広告は視聴者の記憶に残りやすく、ブランド認知の向上にも役立ちます。
コンバージョンしやすい
興味感心や理解を醸成しやすい動画広告は、コンバージョンしやすいという特徴もあります。
Criteo(クリテオ)が実施した調査(※)によると、消費者の5人に2人が動画広告を視聴後に、広告主のWebサイトを訪問して購入していることが分かりました。動画広告は認知だけでなく、消費意欲を喚起させ購買につなげる効果もあることが伺えます。(参考:Criteo公式)
魅力的な映像やストーリーテリングを活用することでユーザーの関心や欲求を刺激することができれば、適切なCTA(コールトゥアクション)によって視聴者のアクションを促すことができます。
拡散(シェア)されやすい
動画コンテンツにストーリー性がある場合、ユーザーが拡散してくれることがあります。拡散されるということはコンテンツ自体が話題になっている証拠です。
そもそも広告を配信するということは、ユーザーと接触するために行います。ユーザー自らがコンテンツを拡散してくれれば、その分配信費用を抑えることができるのです。
コストパフォーマンスに優れている
バナー広告と比較して動画制作費がかかるというデメリットがあるものの、コンバージョン率、クリック率の向上などパフォーマンスがよいのが特徴です。コンバージョンを目的とする動画広告の場合、購買率が上がれば、上記のコストは充分回収可能です。
また、テレビ広告のような動画広告と比較すると、制作費用やメディア掲載費用は比較的安く抑えることができます。
さらに、後ほどご紹介する動画広告の配信プラットフォームでは、ターゲットユーザーを絞り込む機能や、効果測定方法が多種多様に存在します。これにより、限られた予算の中で効果的な広告キャンペーンを展開することができ、ROI(投資対効果)を最大化することが可能です。
動画広告のメリットをまとめると下記の通りです。
- テキスト・静止画よりも多くの情報を伝えられる
- 認知されやすい
- コンバージョン(リード獲得)しやすい
- 拡散(シェア)されやすい
- コストパフォーマンスに優れている
続けて、デメリットについても確認しておきましょう。
動画広告のデメリットや注意点
前述のとおり、動画広告の制作には、手間や費用がかかるというデメリットがあります。
制作コスト(手間・費用)がかかる
動画制作には専門的な知識や技術が必要であり、動画制作会社への依頼が一般的です。制作チームや機材、編集ソフト準備から企画、撮影の費用が発生します。動画制作の相場は30万円から200万円程度が一般的です。
また、上記の製作費とは別に、広告配信費用も必要になります。
動画広告の配信・運用代行までをセットで依頼する場合は200万円~を予算として見ておくとよいでしょう。
また、動画の制作には時間もかかるため、スケジュールの調整や制作プロセスの管理にも注意が必要です。動画制作の発注依頼から納品までは1ヶ月から3ヶ月程度を目安としておくのがおすすめ。
費用や製作期間など注意すべき点はあるものの、効果的な動画広告は、ブランド価値を高めたり、売上や顧客満足度の向上に繋がります。適切な動画制作会社に依頼をすることで、投資に見合った成果を得られるようにしましょう。
動画広告のメリット・デメリットが理解できたところで、続いて、動画広告の配信先を確認していきましょう。
配信できる主な配信先と媒体の特徴
配信先は、Youtube、Facebook、Instagram、LINEなどのSNSプラットフォームが主流です。
SNSが人気な理由は、ユーザーの多さと細かなターゲティングができることです。個人の興味関心に合わせて広告を配信できるため、無駄な配信を減らせます。
YouTube
YouTubeは、世界最大の動画共有プラットフォームであり、幅広いユーザー層にリーチすることができます。
令和4年に総務省によって公開された「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」による13歳〜69歳の男女1,500名を対象にしたアンケートでは、全年代の87.9%がYouTube利用していることがわかっています。
YouTubeの動画広告では、幅広い広告配信フォーマットを用いて、効果的にターゲットにアプローチすることが可能です。具体的には、以下のような広告配信フォーマットがあります。
フォーマット | スキップ | 尺 | 目的 |
---|---|---|---|
TrueView インストリーム広告 (スキップ可能) |
可 | 制限なし 15~60秒推奨 |
ブランド認知向上・リーチ 商品やブランドの比較検討 販売促進 見込み顧客の獲得 |
TrueViewインストリーム広告 (スキップ不可) |
不可 | 6~15秒 | ブランド認知向上・リーチ |
インフィード広告 (旧:TrueViewディスカバリー広告) |
– ※ | 制限なし | 商品やブランドの比較検討 |
バンパー広告 | 不可 | 6秒以内 | ブランド認知向上・リーチ |
アウトストリーム広告 | 不可 | 6~15秒 | ブランド認知向上・リーチ |
マストヘッド広告 | – ※ | 制限なし | ブランド認知向上・リーチ |
ファインド広告 | – ※ | 制限なし | ブランド認知向上・リーチ 販売促進 見込み顧客の獲得 |
動画アクションキャンペーン (旧:TrueViewアクション広告) |
可 | 制限なし 20-60秒推奨 |
販売促進 見込み顧客の獲得 ウェブサイトのトラフィック増加 |
また、YouTubeは、動画広告の効果測定ツールやターゲティングオプションの提供など、広告効果を最大化させるためのサポート機能も充実しています。
動画広告を始める際に配信先を迷った場合は、まずはYouTube広告を検討してみるとよいでしょう。上記の広告配信フォーマットに関する詳細や、YouTube広告に関する更に詳しい情報は、以下の記事もあわせてご確認ください。
Facebookは世界的に利用されているソーシャルメディアプラットフォームであり、YouTubeと同じく、幅広いユーザーにリーチすることができます。
ただし、ある調査(※)によれば、10~20代の利用率が極端に低いというデータもあり、ターゲット・メディア選定時には注意が必要です。(※参考:株式会社ガイアックス「性別・年齢別 SNSユーザー数」)
メインユーザー層が30~40代であることや、実名登録制であることからビジネスマンの名刺交換代わりのように使われている側面もあることから、ビジネス関連の動画広告と相性が良いSNSプラットフォームと言えるでしょう。
動画広告は、フィード広告やストーリーズ広告として配信されます。
Facebookは広告のターゲティングオプションが豊富であり、ユーザーの属性(年齢・性別)や興味関心・行動データに基づいて広告を配信することが可能なため、ターゲティングに優れた広告配信プラットフォームです。
国内の月間アクティブアカウント数3,300万を超えるInstagram(※)は、ビジュアルコンテンツ(写真や動画)のシェアに特化したSNSプラットフォーム。そのため動画広告との相性も非常に良いSNSです。(※参考:メタ・プラットフォームズ公式)
Instagramは、特に若年層やファッション、美容、ライフスタイル関連の情報が多いプラットフォームでした。しかし、近年は投資や住居などより幅広い情報が発信されるプラットフォームになってきており、企業のビジネスアカウントも増えてきています。
動画広告は、フィード広告やストーリーズ広告として配信され、通常の投稿の中に混在しています。画像や動画に対する意識の高いユーザーが多いため、魅力的な映像表現・クリエイティブの活用が非常に重要です。
また、Instagramユーザーの嗜好に基づいたターゲティングが可能な点も、当プラットフォームの特徴の1つです。
TikTok
TikTokは、短尺の縦長動画コンテンツが主体のソーシャルメディアプラットフォームで、特に10代~20代の若年層に圧倒的人気があります。
Z世代をターゲットとしたマーケティングを行う際に利用を検討するのがおすすめなSNSプラットフォームです。
ユーザー自身が積極的に動画を投稿する媒体であることから、動画に対する抵抗感が少ないユーザーが多い一方で、日々動画に触れているため、広告のクリエイティブや没入感・共感性の醸成には、より注意が必要になります。
LINE
LINEは、日本で最も多く利用されているメッセージアプリです。
「LINE」アプリのタイムラインやトークリストなどの幅広い機能部分にだけでなく、「LINEウォレット」や「LINE NEWS」「LINE マンガ」などの各種ファミリーサービスの中にも動画広告の配信面が用意されています。
日本で最も多く利用されているメッセージアプリで、利用ユーザーの年齢層が幅広いことから、国内の幅広いユーザーにアプローチしたい場合に有効な配信媒体と言えます。
以上、代表的な動画広告の配信媒体をご紹介しました。続いては、動画広告の課金形態について確認していきましょう。
課金形態
動画広告の主な課金形態は、主に以下の3つです。
- CPV(視聴単価)
- CPM(インプレッション単価)
- CPC(クリック単価)
CPV(視聴単価)
CPV=広告出稿費用÷再生回数
CPV(視聴単価)とは、Cost Per Viewの略で、「動画広告視聴1回あたりの費用」を指します。CPVはさらに「入札型」と「予約型」に分類されます。
- 入札型:表示回数を入札形式で決定する方法。表示回数に応じて、その分の料金を支払う
- 予約型:再生回数に応じて料金を払う方法。再生回数に応じて、その分の料金を支払う
広告が実際に再生された場合にのみ課金されるため、広告の視聴率やエンゲージメントを重視する動画広告に適しています。
視聴者が広告を閲覧し、一定時間以上再生した場合にカウントされ、広告費が発生します。
CPM(インプレッション単価)
CPM=インプレッション数÷広告出稿費用×1,000
CPM(インプレッション単価)は、Cost Per Milleの略で、広告が表示されるたびに一定金額を支払う広告形態です。
広告が目に触れた回数あたり(インプレッション数)に基づいて課金されるため、広告の露出やブランドの認知度を重視する場合の動画広告に適しています。
動画が視聴されたかどうかは問われず、WEB広告へのインプレッション(表示)が課金のタイミングとなっていることがほとんどです。
CPC(クリック単価)
CPC=配信費用総額÷クリック数
CPC(クリック単価)は、Cost Per Clickの略で、広告がクリックされた場合に課金される広告形態です。
広告のクリック数に基づいて課金されるため、実際のユーザーアクションやコンバージョンを追求する場合の動画広告に適している課金形態です。
CPCで動画広告を出稿する場合は、効果的なターゲティング設定や魅力的な広告コピーの作成が必要不可欠です。
- CPV(視聴単価)
- CPM(インプレッション単価)
- CPC(クリック単価)
これらの課金形態は、広告主・動画広告の目的や性質に応じて選択します。動画広告を出稿する際は、広告の目的にあった課金形態を選ぶことで、広告の費用対効果(ROI)最大化を狙いましょう。
続いて、動画広告フォーマットの種類についても確認していきます。
動画広告の種類
動画広告は特徴で分類できます。どの場所で配信するか、スキップ可能かどうか、動画の尺など、フォーマットごとに制限があります。
今後動画広告の配信をおこなっていく際に、よく見かけることになるであろう広告配信のフォーマットをご紹介します。
- インストリーム広告
- インリード広告
- インバナー広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- インフィード広告
- オーバーレイ広告
1つずつみていきましょう。
インストリーム広告
現在最も主流の動画広告フォーマット。YouTubeなどの動画配信媒体において動画再生中に流れる動画広告で、バナー広告よりも大画面で表示され、訴求内容を効果的に伝えることが可能です。
インストリーム広告は再生するタイミングによって、さらに3つの種類に分類できます。
- プレロール動画広告:動画が再生される前に配信
- ミッドロール動画広告:動画を視聴中に配信
- ポストロール動画広告:動画が終了した後に配信
さらに動画広告の視聴継続を選択できる「スキッパブル広告(=スキップができる広告)」と、必ず最後まで視聴する必要がある「ノンスキッパブル広告(スキップできない完全視聴型広告)」に分類できます。
インバナー広告
バナー広告枠・ディスプレイ広告枠に配信される動画広告。別名ディスプレイ広告。
アウトストリーム広告の一つで、WEBサイトやアプリ内で表示されます。
インリード広告
Webページをスクロールしたときに画面に表示される動画広告。ユーザーが画面を動かしたのちに自動表示されるため、広告と認識されずに自然に接触機会を作ることが可能です。
YouTubeの検索結果に表示される広告枠がイメージしやすいでしょう。
画面占有率が高く、バナー広告よりもさらに視認性が高いのが特徴です。
バンパー広告
バンパー広告は6秒以内の動画広告で、スマホユーザーに向いた広告です。
尺は短いのですがスキップできないのが特徴で、メッセージを確実に届けることができます。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、広告プラットフォーム外に配信できる動画広告フォーマットです。プラットフォーム上で表示されるインストリーム広告に対して、アウトストリーム広告はプラットフォーム外での配信枠に表示されます。
動画配信に対応したDSPなどから配信可能です。
※DSP…ディスプレイ広告の一種である「DSP広告」を出稿するためのプラットフォーム。
インフィード広告
インフィード広告は、SNSのタイムライン上でメインコンテンツに混ざって表示されるWebCMです。
メインコンテンツと同様の見え方で表示されるため視認性が高く、ユーザーに違和感を感じさせないのが特徴です。
オーバーレイ広告
オーバーレイ広告は、Webサイトの画面に重なるように表示されるWebCMです。
スクロールしても動画欄が追従するものなど、視認性が高いのがメリットですが、表示サイズが大き過ぎたり非表示ボタンがないとユーザーのサイト閲覧の妨げとなります。この場合ユーザーの印象が悪くなる恐れがあるため注意が必要です。
以上、動画広告の種類をご紹介しました。
- インストリーム広告
- インリード広告
- インバナー広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- インフィード広告
- オーバーレイ広告
動画広告を出稿できる媒体や出稿する広告の種類について理解が深まったところで、簡単に動画広告の相場に関しても確認しておきましょう。
動画広告制作の相場や動画広告出稿費用の相場は?
ここでは、動画広告用の映像を制作する際にかかる制作費用の相場と、制作した動画を各媒体に出稿する際にかかる費用の相場を確認していきます。
まずは、動画広告用の映像制作にかかる費用相場をみていきましょう。
動画広告用の映像制作の相場
動画制作・映像制作1本あたりの費用相場は、もちろん動画の内容によって大きく異なるため、一概いくらと言い切ることはできません。ただ、大体30万円から200万円程度になることが一般的です。
映像の制作費用は、映像の用途・目的・種類などによって大きく異なります。
動画の種類 | 動画制作1本あたりの料金相場 |
---|---|
商品紹介・サービス紹介動画 | 70万円~150万円 |
会社紹介動画 | 100万円~200万円 |
インタビュー動画 | 50万円~150万円 |
ブランディング動画 | 200万円~1,000万円 |
アニメーション動画 | 30万円~100万円 |
実写動画 | 50万円~200万円 |
動画の種類によって、上記のように相場感は異なってきます。動画制作会社から見積もりをもらった際の参考にしていただければ幸いです。
動画制作の相場については、以下の記事もぜひあわせてご確認いただけると、より理解が深まります。
動画広告出稿費用の相場
続いて、各媒体への出稿費用の相場を確認しておきましょう。ここでは、主要なSNS・ウェブサービスとして、「YouTube」「X(旧Twitter)」「Instagram」「Facebook」を取り上げます。
YouTube広告の出稿費用の相場
YouTube広告の出稿費用はオークション形式となり、相対評価で金額が異なってきます。そのため、あくまでも一例、目安としてご確認ください。
課金方式 | 料金・相場 | |
---|---|---|
TrueViewインストリーム広告 | 30 秒以上視聴(CPV) または 広告リンククリック(CPC) |
最低入札単価2円〜25円 |
TrueViewディスカバリー広告 | 広告リンクのクリック(CPC) | 最低入札単価3円~20円 |
バンパー広告 | 表示回数によって課金(CPM) (課金されるのは1,000回から) |
400円~600円/1,000回表示 |
マストヘッド広告 | 日数ベースのカウントで課金(CPD) または 表示回数によって課金(CPM) (課金されるのは1,000回から) |
~1日数百万円 |
目的にあった広告を選択することや、競合の少ない出稿タイミング・場所を選んでいくことが、広告費を抑えるカギになります。
X(旧Twitter)広告の出稿費用の相場
X(旧Twitter)広告にかかる費用も、いくつか課金方式があり、選択する課金方式によって変動します。自社の目的にあった適切な内容を選びましょう。課金方式と費用相場は、同じくあくまで目安となりますが、以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 |
---|---|
クリック課金 | 1クリックあたり24円~200円 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションで400円~650円 |
フォロー課金 | 1フォローあたり40円~100円 |
エンゲージメント課金 | 1エンゲージメントあたり40円~100円 |
アプリインストール課金 | 1インストールあたり100円~250円 |
再生数課金 | 1再生あたり5円~20円 |
Instagram広告の出稿費用の相場
Instagram広告も、ここまでの広告出稿媒体と同様に複数の課金方式があり、相場もあくまで目安となります。
課金方式 | 費用相場 |
---|---|
クリック課金 CPC(Cost per Click) |
1クリックあたり40円~100円 |
インプレッション課金 CPM(Cost per Mille) |
1,000インプレッションで500円~3,000円 |
アプリインストール課金 CPI(Cost per Install) |
1インストールあたり100円~250円 |
再生数課金 CPV(Cost per View) |
1再生あたり4円~10円 |
Facebook広告の出稿費用の相場
Facebook広告も、ここまでの広告出稿媒体と同様に複数の課金方式があり、相場もあくまで目安となります。
課金方式 | 費用相場 |
---|---|
クリック課金 | 1クリックあたり100円~200円 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションで100円~500円 |
再生数課金 | 1再生あたり10円~150円 |
あくまで目安の相場ではありますが、媒体によって大きく異なる、ということはなさそうです。そのため、ターゲットや目的に合わせて媒体を選択していくことが、動画広告出稿の成功のカギとなります。
例えば、他の媒体と比較すると、Facebookを積極的に利用しているユーザーはビジネスマンが多くなります。そのためBtoBサービスの動画広告の場合は、Facebook広告を利用して動画広告を出稿するのがパフォーマンスが良いかもしれません。(あくまで一例です)
媒体・市場調査をしっかりおこない、広告出稿中も効果測定をおこなって費用対効果を確認していきながら実施していくとよいでしょう。
続いては、動画広告の事例を紹介します。
[CINEMATO制作実績]動画広告の事例
【サービス紹介動画】株式会社リクルート
動画の種類 | アニメーション動画 |
---|---|
予算 | 80万前後 |
ポイント | カムバック採用という新しい概念を伝えるため、カムバック採用が求められる時代背景や企業課題を冒頭に置き、サービス詳細の説明に入るシナリオになっています。 |
株式会社リクルートのカムバック採用サービス「Alumy」のサービス紹介動画です。「Alumy」は企業と退職者の関係性を繋ぎ、様々な共闘機会を生み出す退職者情報管理システムを提供しています。
こちらの動画広告は、冒頭で企業の抱える課題を明確化するとともに、それに対する提案を分かりやすく解説する販売促進動画となっています。
システム導入までの工数や費用を明示することで、サービス利用への心理的ハードルを下げている点もポイントです。
【WebCM】freee株式会社
動画の種類 | 実写動画 |
---|---|
ポイント | 会計freee=小規模事業者向けという認知を100-200名規模の企業でも利用できるという認知に変えるため、変化と機能メリットをシナリオと演出に落とし込んで表現しています。 |
freee株式会社はクラウド会計ソフトfreee・クラウド人事・労務ソフトfreeeを提供する企業です。
こちらの動画広告は、ブランディングを目的とした動画で、「クラウド会計ソフトは小規模事業者の利用する機能が不十分なもの」というイメージを変えていくためのWebCMになっています。
【認知・CV促進動画】ShopifyJapan株式会社
動画の種類 | 実写動画 |
---|---|
ポイント | 個人事業主のリード獲得のための動画広告です。個人でデザインから売上までを一括で管理できるというメリットを訴求しています。 |
こちらの動画広告では、「Shopifyとは何か?」「Shopifyで何ができるか?」という内容をシンプルに伝えることによる、認知拡大を狙っています。
【サービス紹介動画】株式会社SUPER STUDIO様 ecforce
動画の種類 | アニメーション動画 |
---|---|
ポイント | ecforceが提供する様々な機能を訴求しました。実際のUIを想起させる、立体感のあるアニメーションをテンポよく切り替えることで、ユーザーが疑似体験ができるような演出にしています。 |
落ち着いたトーンのナレーションによる機能の概要説明と立体的なアニメーションにより、販売促進(資料請求)効果を狙っています。テロップとアニメーションの連動性が高いことが視覚情報と言語情報を紐付け、サービスを視聴者の印象に残すための仕掛けとなっている点にも注目です。
[CINEMATO制作実績]動画広告制作&広告運用の成功事例
最後の4つ目の動画制作事例では、「動画広告」の成功事例として、実際に「どのような媒体で」「どのような広告配信を行い」「どのような結果が得られたのか」という点について詳しく見ていきましょう。
ジンジブ様の動画広告事例
弊社が動画マーケティングに携わらせて頂いたクライアント様で、CV(お問い合わせ)が7倍という結果が出た動画広告の事例をご紹介いたします。
■企業
株式会社ジンジブ様
■動画広告の概要
新卒大学生と比較して、多くのしがらみ抱える高校生新卒の就職・採用を変えたいという思いから高校生新卒の就職・採用プラットフォームの”ジョブドラフト”を企画運営。
■動画広告の制作目的
法人向けの問い合わせ数を増やしたい。
■動画広告のターゲット
採用担当者
■動画広告の配信チャネル
Facebookが中心。その他にも、YouTube、GDN・YDN、タクシー広告などで配信
※GDN…Google ディスプレイネットワーク
※YDN…Yahoo!ディスプレイアドネットワーク
■動画広告を運用した結果・効果
- CV数:昨年比7倍増
- マーケティングROI:90%改善
動画広告の利用目的、ターゲット選定、配信チャネル選定といった戦略が、見事にマッチした結果と言えます。
以上、動画広告の一例をご紹介しました。
最後に、効果がでる動画広告を出すには、どのような点に注意したらよいのかポイントを確認していきましょう。
成果が出る動画広告を作るポイント
動画広告で成果を出すには、動画コンテンツと広告配信手段の2つの視点から戦略を組む必要があります。
- 動画広告を制作・配信する目的を決める
- 動画広告のターゲットを決める
- 目標設定する
- ターゲットを分析し、広告の配信先を決める
- 動画制作は、コンセプトから決める
- 効果検証する
- ABテストを繰り返す
動画広告を制作・配信する目的を決める
はじめに、動画広告の目的を決めることが大切です。
ブランディングなのか、購買なのか。目的を明確にすることで、どのようなコンテンツを作るか方向性を決めます。
動画広告のターゲットを決める
動画広告の目的が決まったら、広告のターゲットも明確にしましょう。
誰に対して、どんな動画広告を届けたいのか。このターゲットさえ決まれば、動画が刺さりやすく、適切なユーザーへ広告を届けられます。
目標設定する
目的やターゲットが決まったら、KPIを設定しましょう。
例えば、購買を目的とした場合に、広告のクリック率を改善するのが目的なのか、それとも理解を促すのが目的なのかを設定します。
ここが決まれば、どんな動画コンテンツを制作すればよいかが定まってきます。
ターゲットを分析し、広告の配信先を決める
狙ったターゲットは、どこにいるのかを分析します。
- ターゲットはどこに存在しているのか?
- ターゲットをセグメントできるか?
- ターゲット以外を除外できるのか?
上記の分析を元に最適な広告配信先を決定します。
動画制作は、コンセプトから決める
動画制作は、コンセプト、構成、演出という3つの要素から成り立っています。ポイントは、「コンセプト→構成→演出」の順に決めることです。
よくあるのが、構成を決めて演出やコンセプトを織り込むという方法です。この場合、何を伝えたいのかわからない動画になってしまいます。
家を建てることを例にするとわかりやすいかと思います。
- 洋風の家(コンセプト)
- 設計図(構成)
- 演出(内装)
洋風の家というコンセプトが決まって初めて、設計図が書ける。そして、ユーザーが洋風だと思う内装(演出)を施す。
この順番を間違えると、何が言いたい動画かズレてしまいます。
効果検証する
実際に動画広告を出稿したら、効果検証が重要です。KPIは達成したのか、なぜその結果になったのか仮説を立てます。
検証結果を元に、次の施策を立て改善を実施します。
ABテストを繰り返す
あとはひたすらABテストを繰り返し、パフォーマンスの最大化を図ります。
広告配信は、正解がありません。だからこそ愚直にテストを繰り返し、自社のサービスに最適な勝ちパターンを探っていくのです。
以上、動画制作と広告配信を一貫した戦略下で実行することの大切さを知っていただけたのではないでしょうか。
広告は投資ですから、愚直にパフォーマンスを改善していきましょう。
まとめ
-
動画広告のメリット
- テキスト・静止画よりも多くの情報を伝えられる
- 認知されやすい
- コンバージョンしやすい
- 拡散(シェア)されやすい
- コストパフォーマンスに優れている
- 制作コスト(手間・費用)がかかる
- Youtube、Facebook、Instagram、LINEなどのSNSプラットフォームが主流
- CPV(視聴単価)・CPM(インプレッション単価)・CPC(クリック単価)の3つが主流
動画広告のデメリット
動画広告の主な配信先
動画広告の課金形態
テレビからWEBへ時間を消費する場所が移り変わり、今後も動画広告の市場は拡大されることが予想されます。動画広告はブランディングから獲得系まで、すでに企業のマーケティングに欠かせない存在です。
広告施策に課題を、感じていたら動画広告を検討してみてはいかがでしょうか。
もし動画広告をご検討中であれば、ぜひ一度CINEMATOまでご相談ください。
CINEMATOは大手企業からベンチャー企業まで700本以上の動画制作実績があます。
最先端の動画マーケティングのノウハウがあり、戦略作成から動画クリエイティブ、広告配信まで弊社で一貫したサービスを提供可能です。もし動画広告に興味がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。