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製造業のマーケティング施策における成功の秘訣や事例について
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製造業のマーケティング施策における成功の秘訣や事例について

専門性の高い製品を扱う製造業の現場では、現在も「良いものを作れば製品が売れる」という考えが根強く残っています。

しかし、新型コロナウィルスの蔓延をきっかけに、優れた製品を外部にPRする展示会・商談といった機会は激減。

そこで現在、インターネットを利用したマーケティング活動(マーケティングオートメーション)に着手する企業が増えています。

ただ、ものづくり一筋でやってきた製造業企業にとっては、「BtoBマーケティングに取り組むノウハウがない」「製造業マーケティングといっても自社では何から取り組むべきかわからない」といった悩みを抱えることも少なくないようです。

そこで、今回は以下の項目について解説します。

この記事でわかること

  • 製造業マーケティングが推進される背景
  • BtoB製造業のマーケティング手法
  • 今注目を集める製造業動画マーケティング施策

本記事の内容をヒントに、製造業の現場で「売れる仕組み」を構築していきましょう。

製造業のマーケティング活動と、影響を与える環境変化

製造業はなぜデジタルマーケティングが重要なのか

そもそもマーケティングとは?

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

引用元:公益社団法人日本マーケティング協会

マーケティングは、製品やサービスが売れる仕組みを作るための取り組み・プロセスのことを指します。製造業においては、製品の生産だけでなく、市場の需要を理解し、それに応じて製品やブランドをプロモーションすることが不可欠です。

製造業に携わる企業がこのマーケティングに目を向ける背景となった社会環境の変化に目を向けてみましょう。

スマートフォンの普及により、どこでも手軽に多くの情報が手に入れられるようになったことや、新型コロナウィルスの蔓延が人々の生活様式に大きな変化をもたらしたことは、周知の事実です。

こちらの章では、こうした社会環境の変化が、製造業の現場にどのような変化をもたらしたのかを改めて確認していきます。

デジタル技術の発展による顧客の購買行動の変化

ネットショッピングが普及した今、消費者がネット上で商品を見つけてネット上でリサーチ、そのまま購入に至るというケースは珍しくありません。

購入決定直前に「実物を最終確認する」ためだけに店舗に足を運んだことがある方も少なくないのではないでしょうか?

これは、一般消費者だけでなく、企業による購買決定のプロセスにも同じことが言えます。

従来であれば、企業の購買担当者が展示会や商談で初めて商品を知るケースが多くありました。しかし、現在ではネット上で情報収集・比較検討をおこない、最終確認の場として商談の席を設けることは珍しくありません。

こうしたケースでは、商談の時点で大方購買意向が固まっているといっても過言ではないでしょう。

こうした傾向は新規顧客のみならず既存顧客にも同様のことが言えます。つまり、現在の製造業者は、常に比較検討の目に晒されているというわけです。

新製品の発売やアップグレードのタイミングで既存顧客に声をかけるだけで物が売れた時代は終わりました。情報が溢れる今の社会では、常に最新の情報を提供し、新規・既存の顧客に対して自社の製品をPRしていく必要があると言えます。

コロナ禍による対面営業の制限

新型コロナウィルスの流行は、BtoB製造業の売り上げ獲得に大きなダメージを与えました。

展示会をはじめとしたオフラインでのイベントの多くは中止を余儀なくされ、それに伴って製造業者と見込み顧客の接点が減少。獲得するリード数やその後の商談件数の減少は必然です。

対面で購買決定を促せる機会が減り、検討段階のリードタイムが長期化することも、課題の1つと言えます。

以上は、コロナによってこれまでの製造業の商習慣の弱点が浮き彫りになった事例と言えるでしょう。今後起こりうる様々な想定外の事態に備え、製造業の売上獲得施策には変化が必要です。

企業・団体のDXの推進

現在日本国内の多くの企業では、人口減少や働き方改革に伴い業務効率化が進められています。

中小の製造業の現場では製造プロセスの効率化を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心課題とする企業が多いようです。

では、営業部門の業務効率改善についてはどうでしょうか?

現在では社会全体のこうした流れを受け、営業部門やそれと関連するマーケティング部門でも、マーケティングオートメーションを進めようとしています。

製造業を取り巻く現状と課題

以上の章では、製造業のマーケティング活動に影響を与える環境の変化について見てきました。ここからは、現状の製造業を取り巻く環境や、抱える課題について見ていきます。

「社会環境」「現状課題」の関係性を捉えることで、現在の自社状況を客観的に見てみましょう。

製品の品質向上に注力する社内体制

古くからものづくり一筋でやってきた企業の多い日本の製造業の多くでは「高品質なものを作れば売れる」という考えが根強く残っています。

特に、ものづくりの現場出身の叩き上げの経営者が決定権を持つ企業では、その傾向が顕著です。

しかし、現在製造業に携わる企業においては、高品質なものを作る技術だけでなく、製品の存在を顧客に知らせることも重要です。

効率的に販売する仕組みを持つことでより多くの取引に繋がることは想像に固くないでしょう。

売る仕組みを構築するためのリソースが不足

製造業の企業が売る仕組みを構築できない理由の1つには社内リソースの不足が挙げられます。特に多くの中小メーカーでは、生産担当者が営業も兼務するといったケースも多いことでしょう。

マーケティングは、長期的に取り組みアクションを積み上げることによって、初めて成果が生まれます。逆に言うと、その過程では効果が実感しにくいのが特徴です。

このように一朝一夕で成果に結びつきにくいという点から、マーケティングは社内でも取り組みに対する信頼が生まれづらい分野と言えるでしょう。

結果として、製造業のマーケティングへの取り組みは中途半端に終わってしまったり、そもそも取り組みに着手しない企業が多いという現状に繋がっています。

新規取引先開拓に向けた施策の不足

現在多くの製造業企業では、上記で挙げたような「品質向上重視の社内体制」「社内リソース不足」といったことを要因に、マーケティング施策が推進されていかない、つまり新規顧客の開拓に対する施策が手薄な状態です。

これまでの国内の製造業界の商慣習では、いわゆる「ルート営業」によって新規顧客の開拓なしに継続的な売り上げ獲得が可能でした。

しかし、前章で解説したように、現在のインターネットを利用して様々な情報を入手できる世の中では、常に競合他社と比較されることを余儀なくされます。

つまり、現在の製造業において新規顧客の獲得は、事業の「成長」だけでなく「維持」のためにも重要な項目となっています。

顧客接点の減少による集客力不足

営業・マーケティングの専門の部署を持たなかった中小メーカーは、コロナ禍以前には展示会をはじめとしたイベント参加によって新規顧客との接点を創出していました。

しかし、大勢の人が集まるイベントの多くは開催中止。開催を決行したものについても参加企業・来場者が減少しています。

こうした環境下では、自社サイトやメディアを利用した情報発信が不可欠です。しかし、これまでマーケティング施策に注力してこなかった多くの製造業者は、効果的なマーケティング施策を打つ事ができず、新規顧客の開拓に苦戦しています。

というのも、現状多くの企業はこれまで紙媒体で発行していた資料をデジタル化し自社ページにアップするといった方法で情報を公開しています。

しかしこの場合、特にニッチな分野の製品を扱う企業は専門性が高すぎるため、一般ユーザーに検索されません。

つまりこうしたホームページでは、すでに専門知識を持つ既存顧客に情報提供できるものの、新規顧客への効果的なアプローチをおこなえないということです。

BtoB製造業におけるマーケティング戦略

BtoB製造業におけるマーケティング戦略

以上の章で解説した通り、国内で製造業に携わる多くの企業は、古くから商慣習や企業体質を構築してきました。

しかし、これが仇となり、新しい生活様式への対応や、ビジネスのデジタル化への対応が遅れているのが現状です。

ここでは、こうした背景を受け、製造業の中でも特に顧客へのアプローチや取引成立のハードルが高いBtoB製造業に焦点を当て、マーケティングの基本戦略を解説します。

BtoB製造業のマーケティング戦略は、基本的に以下の流れで進行します。

BtoBマーケティング基本の流れは?

  1. 顧客ニーズ・競合のリサーチ
  2. 【リードジェネレーション】顧客との接点を持つ「集客」
  3. 【リードナーチャリング】個人情報・企業情報を取得してコミュニケーションをとる
  4. 【リードクオリフィケーション】見込み顧客の行動分析
  5. 商談・クロージング

それでは1つずつ順番に見ていきましょう。

顧客ニーズ・競合のリサーチ

BtoB製造業のマーケティングステップ第一段階は、「顧客ニーズのリサーチ」です。

ここではまず、自社の製品と競合製品、顧客の状況を把握します。

具体的には「3C分析」「SWOT分析」「STP分析」といったビジネスフレームワークに当てはめ、抜け漏れなく情報を整理するのがおすすめです。

ビジネスフレームワーク

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • STP分析

3C分析 – 市場環境や競合を理解する –

3C分析(マーケティングフレームワーク)

市場に存在する3者「Customer(カスタマー)=顧客」「Company(カンパニー)=自社」「Competitor(コンペティター)=競合」の状況を分析する。

SWOT分析 – 自社の強みや特徴を理解する –

SWOT分析(マーケティングフレームワーク)

自社・競合の企業・製品に焦点を当て、それぞれが抱える4つの要素「Strength(ストレングス)=強み」「Weakness(ウィークネス)=弱み」「Oppotunity(オポチュニティー)=機会」「Threat(スレット)=脅威」を分析する

STP分析 – ターゲットやポジショニングを決める –

STP分析(マーケティングフレームワーク)

主に新規の市場参入に向けて、自社のポジショニングを定めるために使用する。

「Segmentation(セグメンテーション)=市場細分化」「Targeting(ターゲティング)=狙う市場の決定」「Positioning(ポジショニング)=自社の立ち位置の明確化」の3ステップによって成り立つ

こうした分析項目を中心に情報を収集し、この後紹介する【リードジェネレーション】以降の戦略を決定するための判断材料とします。

【リードジェネレーション】顧客との接点を持つ「集客」

リードジェネレーションとは、潜在顧客に向けて情報を発信するアクションです。「認知施策」とも呼ばれ、まだ製品のことを知らない、もしくは必要性に気づいていない将来の顧客に、商品の存在や魅力を伝えます。

ここでは上記の分析をもとにした顧客になり得る層や、既存顧客と類似した属性の持ち主をターゲットに設定し、アプローチします。

これには展示会への参加や広告出稿など、様々な方法がありますので、詳しくは次の章で解説します。

【リードナーチャリング】個人情報を取得してコミュニケーションをとる

「リードナーチャリング」はリードジェネレーションで接点を持つことに成功したターゲットを対象に、メルマガ・メディア・セミナーを通じて継続的なアプローチをおこなうアクションです。

「顧客教育」とも呼ばれ、顧客の製品知識を深めたり、潜在顧客のニーズを大きく育てていく過程を指します。

【リードクオリフィケーション】見込み顧客の行動分析

リードナーチャリングでは、一方的にアプローチをおこなうだけでなく「メルマガ開封率」や「セミナー内でのヒアリング」を通して顧客の購買意欲の上昇を継続的にモニタリングすることが重要です。

そこで得られたスコアリング(顧客の順位付け)をもとに、商談への案内といった具体的なアプローチに進むべきターゲットの選定や、取引条件の調整をおこないます。

商談・クロージング

ここまでで得た情報を営業部門に引き継ぎ、最後に商談・クロージングという工程に進みます。

遠方企業への訪問営業には、出張費をはじめとした多くのコストを必要とします。

しかし、リードクオリフィケーションの過程で顧客の購買意欲を見極め、スコアの高い顧客から優先的に営業することで、契約不成立のリスクを回避し、経費・時間のロスを抑えることができるでしょう。

「リード獲得」に効果的なデジタルマーケティング手法

以上の内容から、BtoBマーケティングはリサーチからクロージングまで様々なプロセスに切り分けて考えるべきであることが分かりました。

この章では、これらの過程の中でも顧客の入口となる【リードジェネレーション】にデジタルマーケティングを活用する方法を見ていきます。

【リードジェネレーション】にデジタルマーケティング施策を活用する方法には、主に以下の方法が挙げられます。

【リードジェネレーション】に
おけるデジタルマーケティング施策

  • コンテンツマーケティング
  • Web広告出稿
  • SNSマーケティング
  • 展示会(オンライン・オフライン)

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、メディアやSNSを通じてユーザーに有益な情報を提供し、最終的に自社に利益のある行動に促すマーケティング手法です。

作成したコンテンツはSNS・WEB上に残るため、施策終了後も継続的に集客をおこなうことができます。

ただし、SNSではフォロワー数の確保、ブログやメディアの記事では閲覧数やその元となる検索エンジン上位表示が必要となります。どちらも、取り組み開始から成果に結びつくまでに時間がかかる点には注意が必要です。

Web広告出稿

Web広告とはGoogleやYahoo!といった検索エンジン、SNS、Youtubeなど様々な媒体を利用し、インターネット上で運用する広告を指します。

広告媒体を使い分けることで、目的に合わせて幅広い層にリーチが可能、少ない初期費用で始めることができ、即効性がある点がメリットです。

基本的にクリック課金型(クリック数に応じて費用が発生)・インプレッション課金型(表示回数に応じて費用が発生)のものがあり、マーケティング目標と媒体選定、ターゲティング設定が成果を出す上で重要なポイントとなります。

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、TwitterやInstagramといったSNSを活用し、企業の売上獲得・認知向上につなげるマーケティング手法です。

各SNSごとの特徴(Twitterは文字メイン・Instagramは写真メインなど)や、利用するユーザー属性に違いがあるため、それらを理解して媒体を使い分けましょう。

SNSは、共通して他ユーザーから得た反応に応じて拡散効果が期待できるため、配信内容によっては運用初期から多くのインプレッションが得られるケースもあります。また、SNSマーケティングは他のデジタルマーケティング施策と相性が良い点も魅力です。

作成したコンテンツをSNSにアップしたり、展示会情報を告知するなど他施策と連動することで、効果を高めましょう。

オンライン展示会

オンライン展示会とはその名の通り、Web上で開催される展示会イベントです。

コロナ禍以降イベントの相次ぐ開催中止を受け、多くの出店企業・来場者がオフライン展示会に注目しています。

オンライン展示会は、これまでリアルで開催していたものをWeb上に場所を移しただけのものなので、多くの製造業企業にとって取り組みやすいデジタルマーケティング施策と言えるでしょう。

出展料はイベントやブース、運営からのサポート内容によって上下しますが、オフライン展示会と比較して比較的安く抑えられる傾向にあります。

製品紹介やセミナーといったプレゼンテーションはもちろん、来場者へのアンケート依頼やチャット・ビデオ通話を使用したコミュニケーションを取ることができます。

その場で商談をおこなえるのは、他のデジタルマーケティング施策にはないメリットです。

「顧客教育」に効果的なデジタルマーケティング手法

このようにデジタルマーケティングには【リードジェネレーション】に効果的な施策が多く存在することがわかりました。

ただし、専門性が高く取引単価の高いBtoB製造業では、製品を知って即購入に至るケースは稀です。

上の施策によって獲得した貴重なリードを、ここから紹介する施策を用いて育てていきましょう。顧客教育【リードナーチャリング】に有効なデジタルマーケティング施策には、以下のようなものがあります。

【リードナーチャリング】に
有効なデジタルマーケティング施策

  • ホワイトペーパー
  • メールマーケティング
  • セミナー・ウェビナー
  • コールドコール

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、顧客が抱える課題を明確化し、課題解決に利用できる自社製品の紹介を資料形式で提供するマーケティング戦略です。

一般的な製品紹介と違い、ホワイトペーパーは、製品でなく顧客の課題に焦点を当てます。そのため、製品に興味がなくても同様の課題を持つ企業や個人の資料ダウンロードに繋がる可能性が高くなると言えるでしょう。

資料の内容によって潜在顧客の製品理解やニーズ顕在化に働きかけるとともに、ダウンロード時にアドレスの登録を求めることで、リード獲得の効果も期待できます。

メールマーケティング

メールマーケティングとは、展示会やセミナーで獲得した顧客リストを活用し、見込み客に向けてメールを配信、製品の購入に向けて行動を促すマーケティング手法です。

顧客のニーズや検討段階は細かく分散しているため、適切な相手にタイミングよくメッセージを届けるのがメールマーケティング成功の鍵。自動化ツールの導入や営業担当者との連携によって、個々に適切なコンテンツを提供しましょう。

セミナー・ウェビナー

セミナーとして参加者を募り、製品やサービスの魅力を伝え、販売するマーケティング手法です。

現在は多くの参加者が気軽に参加できるオンライン上で開催することが一般的となりましたが、その分参加者の興味・関心度合いにはばらつきがあります

事前にセミナーまでの参加同線を個別に把握することで、確度の高い顧客を抽出しておきましょう。

コールドコール

見込み顧客に電話をかけ、直接的にアプローチをおこなうマーケティング手法です。

個別で連絡をおこなうため労力の必要な施策ではありますが、個々の検討段階や悩みをヒアリングすることができるため、成約につながりやすいのが最大のメリットです。

事前に顧客に関する情報を揃えておくとともに、ヒアリング項目やメッセージをトークマニュアルとして準備するようにしましょう。

製造業のマーケティング成功のためのポイント

製造業のマーケティング成功のためのポイント5つ

以上の章の内容から、製造業の現場では新規取引開拓に向けて様々なデジタルマーケティング施策を活用できることがわかりました。

ここでは、実際に製造業企業がデジタルマーケティング施策に取り組む上で、特に重要なチェックポイントを紹介します。

製造業マーケティング成功のためのポイントは、以下の5つです。

製造業マーケティング
成功のためのポイントは?

  • 見込み顧客の抱える課題を把握する
  • 自社の製品・サービスの顧客接点を増やす
  • マーケティングファネルに関する理解を深める
  • マーケティング施策を実行する社内体制を整える
  • KGI/KPIを明確にする

見込み顧客の抱える課題を把握する

ターゲットのニーズ・悩みを正確に把握し、課題解決に向けた的確な提案をおこなうことは、製造業のマーケティング活動で成果を出すために非常に重要な項目です。

リードナーチャリングの段階の見込み顧客や、既に取引のある既存顧客からのヒアリングと合わせて、ネット上で積極的な情報収集をおこないましょう。

今回は、製造業のマーケティングに役立つ情報が得られる代表的なサイトを3つご紹介します。

技術の森

「技術の森」は一般消費者・製造業従事者から多くの質問が寄せられるQ&Aサイトです。製造業の分野ごとに項目が整理されており、キーワード検索も可能です。

対象の顧客が抱える悩みや疑問を知ることができるため、自社の製品を効果的にPRする方法を考えるのに役立ちます。

出典:技術の森

OKWAVE

「OKWAVE」も技術の森と同じくQ&Aサイトですが、製造業に限らず幅広い内容の質問が寄せられるという違いがあります。

広い視野で情報収集をおこなうことで、直接的な取引先だけでなくエンドユーザーの悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。

出典:OKWAVE

イプロスものづくり

「イプロスものづくり」は株式会社イプロスが運営するBtoB製造業に特化したデータベースサイトです。同社では、運営する3つのデータベースサイトの情報を強みに、企業のマーケティング支援をおこなっています。

サイトを利用して情報収集するとともに、マーケティング支援サービスの利用についても検討してみてはいかがでしょうか?

出典:イプロスものづくり

自社の製品・サービスの顧客接点を増やす

そもそもニッチな分野が多く存在するBtoB製造業の製品は、一般的に検索されにくい傾向にあります。

そのため、検索による露出を増やすのであれば、顧客はどのような意図を持って、どのようなキーワードで自社の製品にたどり着くのかをシミュレーションしてみましょう。

また、検索によってページにたどり着くのが難しいのであれば、Web広告を使用するのも1つの方法です。リード獲得・顧客教育に進む前の段階として、まずは顧客接点を増やす施策についてよく検討しましょう。

マーケティングファネルに関する理解を深める

マーケティングファネルとは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでのプロセスを指します。
製造業に拘らずマーケティング施策を立案・実行していく上で、マーケティングファネルの理解は欠かせません。

それによって今それぞれの顧客がどのフェーズにいるのか、取るべきアクションは何か。社内で共有・連携するべき事柄はなにかと、具体的な行動に落とし込むことができます。

顧客を理解し、適切なタイミングでベストな施策を打つことで、マーケティング施策の効果を高めましょう。

マーケティング施策を実行する社内体制を整える

スムーズかつ効果的なマーケティング施策を実行するために、社内体制を整えることは欠かせません。

特に製造業に携わる企業では、開発部門が作った質の高い商品の魅力を、営業部門が販売につなげて初めて成果が生まれます。

マーケティングの目的や重要性、施策内容を社内全体の共通認識とし、必要な人的リソースを確保します。その上で、各部署が連携して動ける社内体制を構築しましょう。

KGI/KPIを明確にする

社内でマーケティング施策を推進する際には、必ずKGI(Key Goal Indicator)・KPI(Key Performance Indicator)を設定しましょう。

こうした目標値や仮説の値をあらかじめ設定することで、取り組みのゴールが明確になるだけでなく、途中段階の進捗具合を数値化して検証することが可能となります。

この時、BtoB製造業では認知〜購入に至るまでにリードタイムが必要であることを念頭に、現実的な目標を設定することが重要です。

製造業のマーケティングで注目を集める動画の活用

ここまでで、製造業マーケティングの基本的な考え方や用いられる施策、実施の際の注意点についてご理解いただけたと思います。

ここからは、本文を通して製造業マーケティングに興味を持って頂けた方に向けて、弊社CINEMATOが専門的に取り組む動画マーケティングについてご紹介します。

動画マーケティングとはその名の通り、マーケティング施策に動画を用いることです。以下の章では、弊社が実際に製造業の企業様向けに制作した動画活用事例と、「なぜ製造業に動画マーケティングがおすすめなのか」という点について解説します。

製造業メーカーの動画活用事例解説2選

セイコーエプソン株式会社様

本動画はセイコーエプソン株式会社様のRTC(リアルタイムクロック)モジュールを紹介するBtoB製造業動画です。

動画事例内では製品に内蔵される時計の時刻ズレや消費電力の削減といった、顧客企業が抱える潜在的な課題を提起し、それを製品が解決する仕組みを紹介します。

動画は全編を通してアニメーションで表現され、製品の実物を見ても機能が伝わりづらいBtoB製品の特徴を視覚的に表現する事例と言えるでしょう。

EcoFlow Technology Japan株式会社様

EcoFlow Technology Japan株式会社様は、2017年に設立したポータブル電源の最先端企業EcoFlow Technology(エコフローテクノロジー)社の日本支社です。

本事例ではそれまでポータブル電源購入の際に検討されていた容量・価格・デザインに加え、新たに「充電速度」という比較軸を提案しました。

「行きたい!と思ったらすぐに行ける」というコピーと、スタジオから一瞬にしてキャンプ場に辿り着く映像で、そのスピード感を表現しています。

製品のUSP(独自価値)を時流に合わせてベネフィットに置き換えたBtoC製造業動画事例です。

中小企業が動画の活用に着手すべき理由

実際の製造業の企業による動画制作事例をご覧頂くことで、動画活用のイメージは湧きましたでしょうか?

ここでは具体的に「なぜ製造業のマーケティングに動画活用が有効なのか?」という疑問にお答えします。

以下に挙げるのが製造業のマーケティングに動画を活用する理由です。

製造業マーケティングに
動画を活用する理由

  • 短時間で多くの情報を伝達できる
  • 口頭では説明が難しい製品を視覚情報を用いて説明できる
  • 様々なマーケティング戦略に相性が良く繰り返し利用できる
  • 顧客のマーケティングファネルに合わせて訴求できる

短時間で多くの情報を伝達できる

まず、動画コンテンツはテキスト媒体や静止画媒体と比較して、短時間に多くの情報を伝達できるというメリットがあります。

1分間の動画で伝えられる情報量は、文字にして英単語1万語に相当するとも言われており、見込み顧客に製品の魅力を伝えるために効率的な情報伝達が可能です。

そのため、まだ購入意欲が高まりきっていない潜在顧客にもストレスなく情報を受け取ってもらうことができ、テキスト利用時に比べて格段に顧客育成の確実性が高まります

口頭では説明が難しい製品を視覚情報を用いて説明できる

動画は映像・言語・BGMを組み合わせて情報を伝達する手段です。BtoB製造業者が動画を活用した際、特に「映像」を用いる点にメリットがあります。

BtoB製造業の製品は、ぱっと見だけでは製品の良さが伝わらないことがほとんどです。しかし、それを伝えるために動画を用いた際は、実物を見せる以上にわかりやすい説明をおこなうことができます。

動画に用いる映像は大きく分けて「実写」「アニメーション」の2種類です。中でも「アニメーション」は、目に見えない商品の機能や魅力を表現するのに適しています。

こうしたことから動画を用いたマーケティング施策を打つことで、商品理解の進みが早くなり、リードタイムを縮小する効果が得られるでしょう。

様々なマーケティング戦略に相性が良く繰り返し利用できる

製造業のデジタルマーケティング施策では「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」のプロセスで様々な媒体を使用できることをご紹介しました。

それぞれの施策に非常に相性が良いのも、動画マーケティングをお勧めする理由の1つです。

媒体によって動画の尺や容量に多少の制限はあるものの、紹介した中では「コールドコール」以外の施策以外の全てで動画を活用することができます。

また、動画は一度制作すれば何度も繰り返しが可能です。同じ動画を様々な媒体を通じて繰り返し視聴してもらうことで、制作の費用対効果を高めましょう。

顧客のマーケティングファネルに合わせて訴求できる

動画は目的や伝えたい内容に応じて様々な表現が可能なため、顧客の各マーケティングファネルに合わせて適切なメッセージを届けることができます。

例えば、顧客の興味・関心を惹くためには製品や企業のイメージ動画、比較検討段階の顧客には自社製品が他社製品より優れていることを表す製品紹介動画が有効です。

「どういったマーケティングの顧客に」「どのような行動をしてもらうか」といった目的を明確にすることで、動画は製造業マーケティングの強い味方となってくれることでしょう。

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まとめ

本記事ではこれまでものづくり一筋であった製造業に従事する担当者様に向けて、製造業マーケティングの基本についてお伝えしてきました。

文中でもお伝えした通り、現在は新型コロナウィルスの蔓延や個人・企業の行動の変化により、従来の営業手法だけでは新規顧客の獲得が困難な状況です。

そのため、今後も今まで通りの経営状況を維持・向上させるために、デジタルマーケティング施策は必須の項目と言えます。

BtoBマーケティングは顧客のリードタイムが長くなりやすい傾向があるため、もしかすると取り組み当初は成果が見えづらいかも知れません。

そのような場合には改めて本記事を読み返していただき、改めて顧客のマーケティングファネルを推し進める重要性を感じていただければと思います。

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この記事の監修者
塩口 哲平
株式会社EXIDEA 取締役副社長。動画制作サービスCINEMATOの事業責任者。
新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。

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