製品の使用方法を顧客に伝えたり、業務の工程を従業員にわかりやすく伝えるといった、様々な目的を持って制作される動画マニュアル。現在これには非常に多くの企業が注目しています。
しかし、いざ動画制作に取り組もうと考えた時「自社で制作するマニュアルはどのようなものが良いだろうか?」「他社ではどのような活用事例があるのだろうか?」といった疑問が浮かぶことでしょう。
そこで今回は、様々な企業が制作する動画マニュアルの制作事例を紹介するとともに、以下の疑問にお答えします。
- 企業が制作するマニュアル動画事例
- 動画マニュアルの活用シーン
- 動画マニュアルを活用するメリット
本記事を通して実際の制作事例を知っていただくと共に、自社における動画マニュアルの活用方法を検討する際の参考にして頂けましたら幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
目次
企業が動画マニュアル導入を進める背景
企業によるマニュアル動画の制作事例を見る前に、まずは現在多くの企業がマニュアル動画に注目するに至った背景を確認していきましょう。
企業がマニュアル動画を活用するのには、主に以下のような理由が挙げられます。
活用する背景
- スマートフォンの普及による情報のデジタル化
- 通信技術の発達によるデータ通信の高速化
- マニュアル動画は活用方法が豊富
スマートフォンの普及による情報のデジタル化
現在はスマートフォンの利用が年齢問わず一般的となり、あらゆる情報にいつでも手軽にアクセスできるようになりました。
仕事に関するノウハウの収集や購入を検討する商品の情報、料理のレシピに至るまで、生活していく中で知りたいことがあれば、その多くはインターネット上の情報によって解決が可能です。
動画マニュアルもまさにこの一部で、製品の使用方法やメンテナンス方法をインターネット上で公開することにより、ユーザーの利便性を高めるのに貢献しています。
通信技術の発達によるデータ通信の高速化
近年、デバイスの高性能化や通信技術の発達により、以前と比べてデータ通信のスピードが格段に上がっています。
これにより、ネット動画の視聴に際してダウンロードに時間がかかったり、ストリーミング再生が途中で中断されるといったことは少なくなりました。
つまり、「ネットで調べ物をする習慣」と「手元のデバイスで大きなデータを扱える環境」が重なり、動画マニュアルを見るという行動が一般化したというわけです。
マニュアル動画は活用方法が豊富
企業が動画マニュアルに注目する大きな理由の1つとして、その用途が幅広いことも無視できません。
一言にマニュアル動画と言ってもその種類は多岐に渡り、主に顧客(ユーザー)向け、社内(従業員)向けのものがあります。さらに動画マニュアルは、動画コンテンツの性質上様々な表現が可能で、紹介する商材や内容を問いません。
具体的には、製品の使い方を説明するためには実写動画、サービス(無形商材)の利用方法を説明するにはアニメーション動画を用いた表現が可能です。
さらに、アニメーションやテロップを挿入することで、実物を見る以上に理解を深めることもできるでしょう。
このように、動画コンテンツでは様々な表現が可能なことから、幅広い内容をわかりやすく説明できるという点が、多くの企業に動画マニュアルが活用されることに繋がっています。
ここからはマニュアル動画を「社内向け」「顧客向け」の2つに分類し、それぞれの事例や活用シーン、メリットを解説します。
自社の目的に関わらず、両方を確認いただくことで、マニュアル動画を活用するメリットを1つでも多く知って頂けたらと思います。
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社内向け事例サンプル紹介
社内向け動画マニュアル事例①岡本工作機械製作所
岡本工作機械製作所は、国内外の製造業企業に研削機械を販売するBtoB製造メーカーで、本動画事例では自社製品に「砥石」をセットし、作業をおこなう工程を解説しています。
動画は全編を通して作業をおこなう映像と解説のテロップのみで、BGMやナレーションは一切不使用。
一見すると非常にシンプルな構成となっていますが、これには機械の動作音や作業の一連の流れを分かりやすく伝える狙いが伺えます。
複雑な編集をすることなく、紙媒体の資料の何倍も理解しやすい動画マニュアルを作成した事例と言えるでしょう。
社内向け動画マニュアル事例②SA株式会社
愛知県内で美容院を運営する「SA株式会社」のマニュアル動画は、新入社員〜ベテランスタッフのシャンプー技術の平準化を目的に制作されています。
本動画マニュアル事例では、冒頭で動画の目的を確認し、その後実際のシャンプー業務の流れに沿って進行していきます。
動画内では出演するスタッフの口頭による説明に加え、テロップを用いて現在おこなっている工程の確認や注意点を記載。視聴者に注目すべき箇所を明確に伝えるための編集が施されています。
動画の締めの部分では担当者が考える「シャンプーの重要性」を語り、視聴したスタッフの向上心を高める仕掛けとなっている点にも注目です。
社内向けマニュアル動画事例③村田製作所
本動画マニュアルで解説される「Femtet」は、村田製作所で社内用途として開発されたCAEソフトウェアです。事例内では同製品の実際のパソコン画面に表示される映像を使用し、解析作業をおこなう一連の流れを解説します。
動画マニュアルは表示画面・テロップ・機械音声のみの非常にシンプルな要素で構成され、エンタメ要素の無い、学習のみの機能を持った進行が印象的です。
このように社内で繰り返し教育が必要な内容は、シンプルな動画資料を用いてアーカイブ化することで、教育コストの削減に繋がるでしょう。
社内向けマニュアル動画の使用シーン
上の事例でご紹介したように、社内向けの動画活用方法には具体的に以下のようなものがあります。
- 製造業の研修動画
- 営業関連の研修動画
- 社内ツールのチュートリアル動画
この章では、これら社内向け動画マニュアルの目的や制作時のポイントについて詳しくお伝えしていきます。これらを確認することで、これまで自社で想定していなかった動画マニュアルの活用方法が見つかるかもしれません。
自社で制作予定のものはもちろん、その他についても1つずつ確認していきましょう。
製造業の研修動画
メーカーや工場の製造現場で使用する機械の操作を説明する際、動画マニュアルは非常に効果的です。
機械の動きや機器を操作するタイミングなどを映像で確認することで、文字や静止画を見てそれを理解しようとした際と比べて、格段に理解が深まります。
繰り返し再生やスロー再生を用いながら従業員が納得いくまで説明を受けられる環境を整えることで、技術習得を早めるとともに教育コストの削減にもつながるでしょう。
営業関連の研修動画
営業研修動画は、営業で成果をあげるために必要なスキルや考え方をまとめた動画です。営業準備や商談の流れなどを網羅的に解説します。
スキルやノウハウを動画にして配布すれば、指導対象者の前で実演する必要がなくなり、研修にかかる時間や人件費の大幅な削減が可能です。
また、営業では間の取り方など会話自体のテクニックも重要です。動画マニュアルなら、しゃべり方やしぐさといった紙媒体の資料では伝えきれない「ニュアンス」を伝えることもできるでしょう。
社内ツールのチュートリアル動画
社内で共通して使用するソフトウェアなどがある場合、その操作方法を説明する際には動画マニュアルの使用が効果的です。
社内ツールのチュートリアル動画は、社内ツールの操作画面を録画した映像に、ナレーションやテロップを挿入して作成します。
実際の操作画面を用いて使用方法を解説することで、紙媒体の資料で説明をおこなうよりスムーズに理解が進むことは想像に難くないでしょう。
チュートリアル動画も製造や営業の研修動画と同様に、多くの従業員が視聴することにより動画制作の費用対効果が高まります。操作の項目ごとに細かく動画を区切る点にも注意しましょう。
社内向けマニュアル動画を活用する効果・メリット
社内向け動画マニュアルの様々な活用方法を知ることができたところで、次に社内向け動画マニュアルを活用するメリットについてみていきます。
以下で紹介するのが、社内向け動画マニュアルを活用するメリットです。
活用するメリット
- 紙資料の印刷コスト削減になる
- テキスト情報より分かりやすく記憶に残る
- 教育コストの削減につながる
- いつでも繰り返し確認できる
- 業務品質の均一化につながる・業務効率があがる
- 一度作成すれば資産となる
実際の動画マニュアル制作時にはこれらのメリットを意識し、その効果が最大限発揮されるコンテンツの作成を目指しましょう。
紙資料の印刷コスト削減になる
社内で使用するマニュアルを紙から動画に置き換えた際、印刷コストの削減に繋がります。
動画マニュアルは、制作時点では多少の手間や、作るものによっては製作費用が必要となりますが、一度制作してしまえば繰り返し利用が可能です。
資料の中でも特に利用頻度が高く、印刷コスト削減に与えるインパクトの大きなものから動画化していくことで、経費削減・環境対策効果を高めることができるでしょう。
テキスト情報より分かりやすく記憶に残る
動画は映像(視覚情報)音声(聴覚情報)言葉(言語情報)を組み合わせて情報伝達をするため、テキスト(文字のみ)を使用した際と比べて理解しやすく、記憶に残りやすいというメリットがあります。
「メラビアンの法則」によると人が物事から受け取る印象は視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%でかたち作られるとされています。3つの情報伝達手段をバランスよく組み合わせることで、視聴者の記憶に残るコンテンツ制作をおこないましょう。
教育コストの削減につながる
社内向け動画マニュアルは上の章で紹介した通り、社内の様々な研修の場面で活用可能です。
特に多くの従業員が受講する研修や、新人教育の際に必ず伝える内容は、動画化することで、その都度説明をする必要がなくなり、研修コスト・時間の削減につながります。
いつでも繰り返し確認できる
研修で教わった内容は、その場で理解し習得することが望ましいですが、現実には必ずしもそうはいきません。一度覚えた内容でも時間の経過によって抜け漏れが発生することもあるでしょう。
動画マニュアルを社内資料として保管することで、従業員の業務理解の促進や記憶の定着に効果的です。従業員がいつでも動画を視聴できる環境を整え、動画学習を習慣づけることも、効果を高める上で重要と言えるでしょう。
業務品質の均一化につながる
動画マニュアルによる社内教育をおこなうことで、業務品質の均一化につながるといった効果も期待できます。
従来通りの口頭による指導では、上長の指導スキルによって、また、テキスト媒体の資料では読み手の理解力によって、研修の効果にばらつきが生まれます。
一方、動画を用いて説明をおこなう場合、毎回一定の品質で詳細の説明をおこなうことができるため、視聴者の理解度のばらつきを抑えることが可能です。
また、動画マニュアルを利用すれば、操作方法を簡単に素早くインプット可能です。そのため、多くの店舗や支社を持つ企業でも、同一クオリティの研修を受けることができ、企業全体で活用すれば業務効率の改善が可能です。
一度作成すれば資産となる
上記のように動画マニュアルは、一度制作してしまえば「繰り返し何度でも」「一定の水準で」「質の高い指導教育」をおこなうことができるため、企業にとっての資産となります。
動画制作時にはある程度の手間や費用が必要となりますが、質の高い資料を制作し長期的に活用することで、費用対効果を高めましょう。
次章からは、「ユーザー向け」マニュアル動画について詳しく解説します。なお、ここで紹介するのは、弊社CINEMATOが実際に企業様に納品した事例となっています。ぜひゆっくりとご覧ください。
ユーザー向け事例サンプル紹介
ユーザー向けマニュアル動画事例①:スターティアラボ株式会社様
スターティアラボ株式会社の販売するCOCOAR(ココアル)は、AR(拡張現実)を活用し、商品や企業のPRをおこなうプロモーションツールです。
本動画事例ではツールの操作画面とアニメーションを用い、あまり一般には馴染みのないARツールの使い方を「簡単3ステップ」で解説しています。
マニュアル動画は全編を通して製品のイメージカラーの紫色で統一。誰でも簡単に使えるようにするためのツールの操作方法とともに、商品・ブランドのイメージも訴求しています。
ユーザー向け動画マニュアル事例②:株式会社エフアンドエム様
株式会社エフアンドエム様の提供する「オフィスステーション」は、企業の社会保険・労働保険の手続き、年末調整、Web給与明細、有休管理、マイナンバー管理といった人事労務管理のペーパレス化と時短を実現できるクラウド型労務・人事管理システムです。
本動画マニュアル事例では「オフィスステーション」の初期導入の流れを、実際の画面とアニメーションを用いて解説しています。
動画マニュアル内では、登録時の注意点をナレーターが丁寧に説明。ポイントを抑えたテロップが挿入されていることで、視聴者は一時停止をしながら順番に登録作業を進めていける仕様となっています。
本マニュアル事例は初期設定を3つの動画パートに区切って作成しており、不明点が出た場合に振り返りやすい構成となっています。
ユーザー向け動画マニュアル事例③:株式会社スーパーストリーム様
株式会社スーパーストリーム様が提供する「Super Stream-NX 人事給与」は、企業の労働生産性を高めることを目的とした人事労務システムです。
本マニュアル動画事例では、アニメーションを用いた製品紹介と、実際の操作画面を切り出して使い方説明がおこなわれています。
①人事労務の現場への課題提起・②製品が持つメリットの紹介・③使い方紹介の3つの要素で構成することで、見込み顧客に商品の導入を検討させるシナリオとなっています。
ユーザー向けマニュアル動画の使用シーン
ご紹介した事例からもわかるように、ユーザー向けの動画マニュアルは大きく分けて2つのパターンに分かれます。
マニュアル動画の種類
- 有形商材の使い方動画
- アプリ・SaaS製品のデモ動画
マニュアルで解説する商品が製品(有形商材)・サービス(無形商材)であるかによって、コンテンツ制作の表現方法や留意点に違いが生まれます。それぞれの特徴を押さえ、ユーザーにとって理解しやすい動画マニュアルの制作に活かしましょう。
有形商材の使い方動画
有形商材、つまり一般的な製品の動画マニュアルには、実写動画を用いるのがおすすめです。
動画で製品の使い方やメンテナンス方法を解説することで、紙の取扱説明書を確認する場合と比べて理解しやすく、ユーザーの満足度の向上に繋がります。
動画マニュアルは自社サイトや製品の特設ページで公開し、ユーザーがいつでも閲覧できる状態にすると良いでしょう。
アプリ・SaaS製品のデモ動画
アプリやSaaS製品の使用方法の説明には、実際の操作画面やアニメーションを用いた動画マニュアルを用います。
アプリやSaaS製品では定期的なアップデートや機能改修がおこなわれるため、Web上での情報公開はユーザーの利便性を高める上での必須項目です。
利用者の満足度を高めることは、クチコミの評価をあげたり、カスタマーサービスの業務削減といった副次的な効果も期待できます。
ユーザー向けマニュアル動画を活用する効果・メリット
ユーザー向け動画マニュアルを制作することで、顧客の利便性が向上するだけなく、自社にとっても非常に大きな効果やメリットが得られます。
以下に挙げるのが、ユーザー向け動画マニュアルを活用することでユーザー・企業が得られるメリットです。この章ではこれらについて1つずつ解説します。
活用するメリット
- 製品の仕様変更に合わせてアップデートが可能
- 複雑な操作も理解しやすく顧客満足度が高まる
- 実写・アニメーションなど様々な表現が可能
- ユーザーがいつでも簡単にアクセスできる
- サービスの解約を防ぐことができる
- カスタマーサービスのコスト削減につながる
製品の仕様変更に合わせてアップデートが可能
ユーザー向けの動画マニュアルをインターネット上で公開した場合、紙の取扱説明書とは違い、製品のアップデートに合わせて内容の変更が可能です。
また有形商材の場合には新モデルの発売時に全てを書き換える必要はなく、旧モデルと共通した部分については動画を再利用することもできます。
このように、マニュアルをオンライン上で公開することにより、必要に応じて部分的に内容を書き換えることが可能です。
複雑な操作も理解しやすく顧客満足度が高まる
動画マニュアルの活用時は、有形商材・無形商材を問わず複雑な操作も映像を用いてわかりやすく説明することが可能です。これによってユーザーの満足度は高まり、良い口コミやリピーター作りといった効果が期待できます。
動画制作にはある程度の手間や費用を必要としますが、顧客満足度の向上による売上拡大を見込むことができるでしょう。
実写・アニメーションなど様々な表現が可能
動画には大きく分けて「実写動画」「アニメーション動画」の2つの表現方法があります。そのため動画マニュアルは販売する商品の有形・無形を問わず、様々な製品の説明に対応が可能です。
具体的に、有形商材のマニュアルには実写動画を用い、実際の製品の動きや操作方法を説明。無形商材の場合にはアニメーション動画を用いて、仕組みやサービスといった目に見えないものを視覚的に表現します。
このように、動画マニュアルは様々な製品の操作を紹介する際に活用可能です。
ユーザーがいつでも簡単にアクセスできる
ユーザーが簡単にアクセスし製品の使用方法を確認できる点は、オンライン上でマニュアルを公開するメリットです。現在は多くのスマートフォンユーザーは「わからないことがあれば検索する」という習慣を持っています。
必要な時に検索をすればマニュアルを確認できるという環境を整えることで、ユーザーの製品使用に対する満足度が高まることは想像に難くないでしょう。
サービスの解約を防ぐことができる
サブスクリプション系サービス、SaaSなどの場合、解約されないことは重要なポイントの1つです。このようなサービスでよくある問題が、トップダウンでサービスを導入したものの利用方法が複雑で社内に浸透しなかったというもの。
課題が「使い方がわからない」というところにある可能性もあり、このような場合に動画マニュアルの利用は非常におすすめです。サービスの利用方法がわかれば、自然とサービスが浸透するようになっていきます。
カスタマーサービスのコスト削減につながる
動画マニュアルの活用は、ユーザーの満足度向上だけでなく、人件費をはじめとしたコストの削減にも効果的です。
具体的には、オンライン上にわかりやすい製品マニュアルを公開することで、カスタマーサポート宛ての問い合わせ件数の減少が期待できます。
顧客対応を含む業務の自動化は、DXを推進する多くの企業にとって非常に重要な項目です。製品の企画・開発といった、事業成長にとってより重要な業務に注力するために、動画を用いた顧客サポートを推進しましょう。
動画マニュアルの注意点・デメリットは?【動画制作検討前に確認】
では、逆にマニュアル動画を制作・利用する際に注意しておくべき点や、デメリットはあるのでしょうか?ここでは、マニュアル動画の制作・利用に関する注意点・デメリットを3つ紹介します。
- 動画確認用の端末が必要で、購入代や通信料がかかる
- 動画制作にコストがかかる場合もある
- 知りたいことだけ知るということが難しくなる
動画確認用の端末が必要で、購入代や通信量がかかる
マニュアル動画はいつでもどこでも見られるのは大きなメリットですが、視聴するための端末や通信料が必要になります。
既存で使っている端末を利用したり、店舗ごとに利用できる端末を用意したりすることが経費をかけないポイントです。
動画制作にコストがかかる場合もある
マニュアル動画を動画・映像制作会社に依頼して作成する場合には、コストがかかります。
ただし、ここで重要な考えは、コストは、制作コストのみで判断するのではなく、動画を導入することでどんなコストを削減できたかも判断基準に入れるということです。
例えば、50万円のマニュアル動画制作を依頼したとして、サポートコストが100万円下がったとします。この場合、50万円のコスト削減効果があったのであれば、何もしなかった場合と比較して導入したメリットがあったと言えるのではないでしょうか。
また、コストを削る最も有効な方法は動画の内製ですが、動画制作のノウハウが社内に無い場合は、制作会社への依頼がおすすめである点も注意が必要です。いくらコストがかからないやり方でも、完成した動画マニュアルが質の低いものになってしまえば意味のない動画になってしまうためです。
知りたいことだけ知るということが難しくなる
商品のマニュアル動画を作ろうと思うと、操作方法をすべて一本の動画に詰め込んだほうがよいと考えるかもしれません。
しかし、視聴ユーザーが見たいのはあくまでマニュアル動画の一部分であることがほとんどです。
操作ごとに動画マニュアルを小分けにする、YouTubeのタイムスタンプ機能を使うといったような工夫で解決することができます。
動画マニュアルの作り方6ステップ
社内向け・ユーザー向けそれぞれのマニュアル動画の制作事例やメリット・デメリットを確認することができたところで、ここではこれらの実際の動画マニュアルの作り方を紹介します。
マニュアルを含む動画制作は基本的にこの流れで進行します。つまり、動画の作り方の流れを抑えることで、マニュアル以外にもブランディングや販売促進といった別の目的の動画を制作する際にも応用が可能です。
それでは1つずつ順番に見ていきましょう。
- ターゲットを明確にする
- 構成案を作成する
- 台本を作成する
- 映像を作成する
- 編集する
- ナレーションを入れる
ターゲットを明確にする
マニュアル動画の制作時には、まず動画の目的・ターゲットを明確化します。これは社内向け動画であれば新入社員向けか管理者向けなのか、ユーザー向けのマニュアル動画であれば初心者向けなのかヘビーユーザー向けなのかといった具合です。
対象となるターゲットが変わることで、マニュアル動画内で説明が必要な内容や、使用する用語の専門性に違いが生じます。解説を必要とする対象にわかりやすく伝えるために、ターゲット設定を明確におこないましょう。
構成案を作成する
動画マニュアルのターゲットが明確になったら、次に制作する動画の構成案を作成します。ここでは動画マニュアルの中でどういった内容をどういった手順で解説するかを検討します。
可能であれば特に注意すべき点や、ナレーションやテロップなどの細かな内容まで詰めていきましょう。
構成案の作成時点で詳細な内容を決めておくと、この後の作業がスムーズになり、動画マニュアルの品質向上や作業の円滑化に役立ちます。
台本を作成する
制作する動画の構成が決まったら、次に台本を作成します。
- アニメーションの絵コンテ作成
- ナレーションのセリフの作成
- 動画に使用するテロップ
こうした情報の詳細を決めることで、実際の撮影やアニメーション作成の準備をおこないます。
映像を作成する
次に実際に動画で使用する映像を作成します。実写動画ではカメラを使用した動画の撮影、アニメーション動画であればアニメーション映像の作成がこれに該当します。
動画制作に慣れていない場合、映像は細かく区切って作成するのがおすすめです。この後の編集作業の工程で映像をつなぎ合わせることができるため、まずは映像のクオリティを最優先しましょう。
編集する
動画制作に必要な映像素材が揃ったら、編集作業に移ります。具体的にはまず、撮影した映像の不要な部分をカットし、必要部分をつなぎ合わせて一本の映像にします。その後テロップや字幕といったアニメーションを挿入するのがここでの作業範囲です。
ナレーションを入れる
編集作業によって動画の映像部分が仕上がったら、最後にBGMやナレーションといった音声を挿入します。
この時ナレーション・BGMの音量のバランスに注意し、マニュアル動画として必要な内容が聞き取りやすいように調整をおこないましょう。
動画マニュアル作成に取り組む際の4つのコツを解説
この章では最後に、実際に動画マニュアルの制作に取り組む際に押さえておきたいコツを紹介します。
これらの内容を内容を活かすことで、視聴者にとっても制作者にとってもメリットの大きなコンテンツが出来上がるはずです。
社内向け・ユーザー向けどちらの動画マニュアルにも共通のことが言える内容となっていますので、必ず制作前に確認をおこないましょう。
- テーマごとに動画を区切る
- ターゲットの理解度にばらつきが出ないようにする
- 効果的に字幕(テロップ)を使用する
- 簡単にアクセスできる場所に保存する
テーマごとに動画を区切る
動画マニュアルの制作時は、テーマや内容ごとに動画を区切ることを意識しましょう。
というのも、動画マニュアルの数少ないデメリットに、後から見返す際に確認したい内容を探すのに手間がかかることが挙げられます。
例えば30分の長尺の動画の中から見返したい部分を探すのに少しずつ再生・早送りをおこなった経験のある方は少なくないでしょう。
こうした手間を回避するために、動画マニュアルの制作時は内容ごとに細かく動画を区切り、確認したい内容に素早くアクセスできるようにするのがおすすめです。
ターゲットの理解度にばらつきが出ないようにする
当然ながらマニュアル動画は、視聴者がきちんと理解できてはじめてその役割を果たしたことになります。
しかし、しばしばターゲットが理解できない動画マニュアルが出来上がってしまうのは、ターゲットと制作者の理解度の違いによる原因が大きいと言えるでしょう。
例えば、新人研修用の動画マニュアルは、ほとんど前提知識のないターゲットが動画を視聴し、内容を理解しようとします。動画制作前に対象ターゲットに簡単なスライド等で作成予定の内容を説明し、理解度の事前確認をおこないましょう。
効果的に字幕(テロップ)を使用する
動画マニュアルを制作する際は、積極的に字幕(テロップ)を使用することをお勧めします。
この一手間を加えることで、聞き取りにくい内容を理解しやすくするだけでなく、移動中の電車内など、様々な環境で動画が視聴可能となります。
また、必要な箇所だけスクリーンショットを取るなど、動画の一部分をユーザーが画像として保存することも可能です。字幕挿入の有無によって、動画マニュアルの利便性は大きく高まります。
簡単にアクセスできる場所に保存する
動画マニュアルはそのデータを保存する場所によっても、利便性や効果に差が出ます。
というのも、いつでも簡単にアクセスできる場所に保存されるマニュアルは頻繁に使用されますが、アクセスに手間がかかったり、どこに保存されているかが分かりにくいマニュアルは、自ずとアクセス回数・使用回数が減少します。
動画マニュアルは、必要な時に必要とする人が簡単にアクセスできる場所に保存しましょう。
まとめ
以上、本記事では社内向け・ユーザー向けと幅広い用途に使用される動画マニュアルの制作事例や、制作するメリット・制作時のポイントについて紹介しました。
事例からもお分かり頂ける様に、動画マニュアルは今幅広い企業によって採用されており、その内容も様々です。
また動画の特性上、実写・アニメーションといった表現方法を用い、視聴者がスムーズに内容を理解できる点で、テキストやスライド資料より優れていると言えます。
本記事を通して動画マニュアルに多くの企業担当者様が興味を持っていただけましたら幸いです。顧客満足度の向上や様々な業務負担の軽減を目的に、動画マニュアルの活用に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。