皆さんこんにちは。
顧客インタビュー第13弾です。カラクリ株式会社に所属する田村さまにお話を伺いました。
過去苦労した動画制作。依頼の決め手は事業への深い理解
米倉:今回の動画を作ることになった経緯を教えてください。
田村:2023年の6月に「KARAKURI assist(カラクリ アシスト)」という新プロダクトをリリースしました。同時期に大阪で開催される展示会にてお披露目すべく、プロモーション用に動画を制作することになりました。
KARAKURI assistは、カスタマーサポートのオペレーター支援ツールで、メール対応を効率化・品質向上させるサービスで、他にも育成期間の短縮、メール文章のチェック工数削減など、様々な効果が得られます。
これまで類似のサービスが世の中になかったことから、説明には動画が最も適していると考えました。
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- 状況
新規プロダクトローンチ前
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- 依頼背景
展示会とLPで動画を活用したい
与件
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- ターゲット
エンタープライズ企業のカスタマーサポート部門部長・課長レイヤー
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- 動画の種類
180s / アニメーション+インタビュー
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- 課題
これまでのCX向上(顧客満足度)とは別切り口の「EX向上(従業員満足度)」を狙ったサービスのため、違いが伝わりづらい、市場啓蒙が必要。
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- 目的・ゴール
プロダクトの特徴(誰のどんな課題解決や目的達成に寄与するのか)が正しく伝わること。
米倉:新しい概念を理解してもらうためには、テキストだと説明が長くなりすぎますし、伝わりきらないこともある。動画は相性がいいですよね。動画を使った施策は初めてだったのですか?
田村:以前、会社のブランディングのための動画を作成した経験があるのですが、あまりいい結果がでませんでした。具体的には、クリエイターとのコミュニケーションの問題です。
こちらの要望を担当の方にお話しするのですが、それが奥にいるクリエイターさんにうまく伝わらないということが頻繁に発生していました。こちらも修正指示をしっかり伝えようと、ドキュメントに残しながら担当とやり取りしましたが、その奥にいるクリエイターとは意思疎通が難しく、満足いく動画ができませんでした。そのような理由から、動画制作が少々トラウマになっていたんです。
米倉:動画制作に苦労された思い出があったのですね。今回は、当社を含めていくつの制作会社に声をかけられたのでしょうか?
田村:4社です。動画制作会社出身のメンバーが挙げてくれた候補の企業様に問い合わせをし、各社30分から1時間のミーティングを行いました。その際に重視したのは、自社のビジネスをどれだけ深く理解してくれ、その理解を基に提案してくれるかです。前回の経験から、私たちのやりたいことを理解してくださる会社や、パートナーシップを持ってプロジェクトを進められる会社と、ご一緒に仕事がしたいと思っていました。
実際に商談をして、当社について詳しく把握してくださる会社の2社で悩んだ末、EXIDEAさん(CINEMATO)にお願いすることになりました。
米倉:弊社を選んでいただけた理由はどこにあったんでしょうか?
田村:当社の製品を深く理解してくださったと感じたからです。初回のミーティングの際に、弊社のサービスや、マーケティングの方向性についての分析をまとめたものを共有してくれましたよね。細かいところまで調べて考えてくれていたのには驚きました。同じ視座で臨んでくださる会社だなと感じましたね。あれは毎回やっているのでしょうか?
米倉:毎回です。まずはカラクリさんのことを深く理解しないと、いい提案ができないですからね。私自身の成長にもつながると思って、全ての商談の際に事前準備を大切にしています。
実際の事前準備のプロセス
自社アセット整理、顧客/市場調査、競合分析を行い、商談前から企業の課題に仮説を立てておく。自社発信の内容や、メディアのインタビュー記事、顧客の口コミなどからサービスの実像と、大切にしている価値観が見えてくる。
アイデアの壁打ちで動画の完成度を高める
米倉:とても褒めていただいて、すごく嬉しいんですが、実際制作が始まってからの印象はどうでしたか?その後にがっかりされてないか心配です。
田村:いえいえ(笑)。顧客と真摯に向き合う姿勢が素晴らしいなと思ってました。私たちが伝えた意図や要望に対して、しっかりと反応し、繰り返し提案を行ってくれる。選択の際に迷っていると、「私はこっちがいいと思います。なぜなら…」と、根拠を示してくれるのがありがたかったです。一人で考えると堂々巡りをしてしまうので、判断の視点を貰えました。
KARAKURI assistは新製品なので、コンセプトは明確に持っていましたが、コピーの部分がまだ考えられていませんでした。そこから相談し、アイディアの壁打ちを行ってもらいました。中島さんは私の意見や要望を聞きつつ、独自の案も提案してくれました。
米倉:御社は、「CSをエンパワーメントする」というパーパスをお持ちです。KARAKURI assistを使えば、顧客が欲しい答えを新人オペレーターの方でも自信を持って回答できる。スピーディーな顧客対応ができるから、顧客の満足度が上がり、新人もやりがいを感じて働くことができる。これまでにないサービスだと感じたので、打ち合わせ当初は、「お客様の悩みをすぐにアシスト」というコンセプトはどうかと提案させていただきました。
田村:コピーの作成を依頼していたわけではないのに、このような提案までしてもらえるのは驚きでしたし、ありがたかったです。最終的には「新人オペレーターを即戦力に」というコピーになったのですが、コンセプトの提案をいただいたことによって、自社サービスを改めて客観的に見る機会ができた。新たな気づきを得られました。
米倉:どの企業様も、制作過程で迷う瞬間が訪れます。田村さんが、ブレないコンセプトをお持ちだったことで、私も提案が捗りました。アイデアをぶつけ合っていたときは楽しかったです。一緒に良いものが作れているなって感じていました。
田村:制作が始まってからは非常にスムーズで、とくに中島さんのレスポンスの速さはありがたかったですね。納期が短いこともありましたが、安心して制作を進められました。
コールセンター業界のEXを高める、サービス本質を伝えたい
米倉:KARAKURI assistは、コールセンター向けのAIソリューションですが、コールセンター業界の抱える問題について教えてください。
田村:コールセンター関連の市場データをまとめた「コールセンター白書」によると、コールセンター運営の課題のトップは「オペレータの採用・育成」です。そして、ここ数年は「スーパーバイザーの採用・育成」や「オペレーターの定着率向上」といった課題を抱えているコールセンターが増えています。これは業界全体が採用難・人手不足を反映した結果と考えています。(※1)
さらに、新人オペレーターの離職率が高く、採用から1年以内に辞めてしまう割合が高いことが報告されています。その理由として、採用時の業務内容や難易度が実業務と乖離している可能性が高いことが指摘されています。(※2)
米倉:コールセンターは、電話対応の「ボイス」と、メールやチャット、AIチャットボットで対応する「ノンボイス」の領域に分けられますが、御社はノンボイスを専門にされていますよね。
田村:ノンボイス業務(メール・チャット対応)は、直接顧客から精神的に負担の大きいクレームを受ける機会が比較的少ないため、働きやすいとされています。ただし、応対範囲が広く、難易度は高くなります。入社後、基本的な業務知識を身につけるには、3ヶ月から6ヶ月、あるいは会社によっては1年ほどかかる場合もあるんです。
また、「コールセンター白書」によれば、コールセンターのスーパーバイザー(SV)は、1人当たり大体6人から10人のオペレーターの指導・管理を行うと回答した方が最も多かったと報告されています。このようなSVの負荷も業界の課題の一つとされています。(※3)
出典:株式会社リックテレコム「コールセンター白書2022」(※1 P.83 ※2 P.64 ※3P.69)
米倉:通常だと、そこで採用や教育を頑張ろうとされると思いますが、それは対処療法であって、解決策ではないですもんね。そこで、Q&Aのテンプレートで応対ノウハウを平準化し、オペレーターとSVの負担を軽減できるのがKARAKURI assistなんですね。
田村:そうです。ベテランオペレーターが暗黙知として持っているノウハウを、テンプレートとして共有することで、組織全員の資産にできるサービスです。
これまでは、そのノウハウは、個々のメモ帳やExcelファイル、または記憶の中に蓄積されていました。このノウハウは、言わば「秘伝のタレ」であり、その従業員が退職すると、その存在自体が会社から失われることになります。入社直後のオペレーターでも、この「秘伝のタレ」をテンプレートとして活用することで、早期戦力化を促します。その結果、早期離職のリスクも低下するはずです。さらに、SVの教育コストや労力の軽減も見込めます。
KARAKURI assistは、単なる“テクノロジーを使った便利なツール”ではなく、導入することでCX(顧客満足度)もEX(従業員満足度)も向上させることができる点が、その魅力であり、最も伝えたいポイントです。
じっくり動画を見てくれる人が続出。社内外で好評の動画が完成
米倉:KARAKURI assistは、これまでのサポートテックとは少し毛色が違い、EXの向上という、市場創造フェーズのサービスであり、もっと広まるべき素晴らしいサービスだと私は思いました。責任重大だと、いかに動画でわかりやすく伝えるかを相当考えましたね。
冒頭はアニメーションで、コールセンターの方なら必ず共感できるお悩みと、KARAKURI assistによる解決策を訴求しています。伝えたかったのは主に3点です。
まずは、市場感。チャットやメール問い合わせが増加していることをお伝えしました。
2つめは、オペレーターの課題です。ここにフォーカスするプロダクトがそもそもなかったので、KARAKURI assistの圧倒的な強みが出る部分です。
そして最後が、利用の簡単さです。AIや定型文など、業界の方ならすぐに分かる、痒いところに手の届く機能を、わかりやすく伝えることに気を配りました。
最後には、ユーザー企業である株式会社SBI証券様に登場いただき、導入の感想も語っていただきました。ここでは、アニメーションから実写インタビューへの繋がりが不自然にならないよう意識しました。
動画を作って半年ほど経ちましたが、その後肝心の成果はいかがでしょうか?
田村:YouTubeに投稿していますが、じっくり視聴してくれる人が多いことに驚いています。全体で4分半ほどの動画にもかかわらず、プロダクト紹介が終わる2分少々まで80%以上の方に視聴いただいてます。
米倉:通常15%程度ですから、それは驚異的な数字ですね。サービスの良さが必要な人に正しく届いている証拠です。しっかり成果が出ていて安心しました。初お披露目となった展示会での反応はいかがでしたか?
田村:多くの方が立ち止まってご覧になってくださいました。動画のナレーションの声がよく通るので、足を止めるきっかけになっていたと思います。ナレーションの力も重要だということがよく分かりました。
動画制作を通して、気付きと学びが得られた
田村:今回制作の過程をご一緒させていただいて、私自身も、どうやったらこのサービスの良さが伝わるのかについてすごく考えました。中島さんが伴走してくれたことで、私も学びと気付きがとても大きかったですね。
米倉:それは嬉しいです。御社のメンバーのような気持ちで、一緒にこのサービスの魅力を広めたいと思って制作に挑みました。
田村:こちらとしても、信頼できる制作パートナーと、良い動画を作れて本当に良かったです。社内の反応も良かったですよ。最初に話した通り、弊社は動画に苦労した経験があったのですが、「サービスの良さが伝わる」「営業に使いたい」と大好評でした。
これも、単にプロダクトの理解だけでなく、弊社のお客様、コールセンター業界の課題までを理解して制作してくださったからだと思います。
初対面のミーティングに始まり、企画構成からディレクションまで、制作工程を一貫してご担当いただいたので、こちらのストレスは全くなかったです。何より、中島さんの仕事に対する姿勢には熱量を感じました。今後も動画を作ろうと思ったときは、真っ先に相談したい存在ですね。
米倉:ぜひまた共にいい動画を作りましょう。これからも御社のサービス成長の支援をしていきたいです。今回は、お話を聞かせていただきありがとうございました。
今回制作させていただいたサービス紹介動画は、以下の動画です。
当インタビューや制作した動画をご覧になりCINEMATOにご興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ラフなご相談からでも構いませんので、ご相談をお待ちしております。