「採用動画制作」と検索すると、おすすめ制作会社の一覧、料金表、相場比較の記事がいくつも出てきます。
それ自体は非常に参考になる情報だと思いますが、ただ、実際に企業の採用現場に入って採用動画制作を行っている立場からすると、そこで語られていない“本当に重要なこと”が抜け落ちていると感じる場面が多くあります。
それは、「どんな動画を作るか」よりも前に、何を、誰に、どう伝えるべきかが整理されていないまま、採用動画の制作が始まってしまっているという点です。
CINEMATOが採用動画の相談を受ける中でも、
- 映像はきれいだが、応募につながらなかった
- 社内では評判が良いのに、求職者の反応が薄い
- 動画を制作したものの、活用方法が分からずサイトに置いただけになっている
といったケースは珍しくありません。
これは動画制作会社やサービスの問題というより、採用動画という施策そのものが、少し誤解されたまま使われていることが原因です。
求職者が採用動画に求めているのは、洗練されたムービーや広告的な演出ではありません。
本当に見たいのは、
- この会社は、どんな人が、どんな雰囲気で働いているのか
- 自分が入社したら、どんな日常が待っているのか
- 良い面だけでなく、正直に話してくれているか
といった、企業の「内側の情報」です。
この記事では、「採用動画制作」をこれから検討する企業担当者に向けて、
- なぜ今、採用動画が効果を持つのか
- 2026年に注視すべきAIとインタラクティブ動画の潮流
- 成果につながる構成・制作方法・考え方
- 内製と外注、それぞれの現実的な選び方
- 失敗しやすいポイントと、制作現場での回避策
- 制作後にどう活用すれば意味のある投資になるのか
を、CINEMATOが実際の動画制作現場で見てきた事例や感覚を交えながら解説していきます。
「かっこいい動画を作りたい」ではなく、「ちゃんと伝わる採用動画を制作したい」と考えている方にとって、判断の軸になる記事になれば幸いです。
目次
- 1 なぜ今「採用動画」なのか?数字で見る効果とメリット
- 2 【2026年トレンド】AI活用と「体験型」動画の台頭
- 3 【準備編】制作前に決めるべき「3つの核(企画・構成)」
- 4 【種類編】目的に合わせて選ぶ!採用動画の鉄板パターン5選
- 5 【実践編】採用動画制作の具体的な流れ(フロー)
- 6 【選択編】自社制作(内製)か制作会社(外注)か?
- 7 絶対に失敗したくない!採用動画制作の注意点とリスク対策
- 8 制作して終わりじゃない!効果を最大化する「活用・配信方法」
- 9 成功事例から学ぶ!ターゲットに刺さる採用動画のポイント
- 10 まとめ:採用動画は「企業のありのまま」を伝える最強のツール
- 11 よくある質問(FAQ)|採用動画制作についてよく聞かれること【2026年】
なぜ今「採用動画」なのか?数字で見る効果とメリット
ここ数年で、採用を取り巻く環境は大きく変わりました。
新卒・中途を問わず、求人を「じっくり読む前に、まず動画で雰囲気を知りたい」という人が増えています。
これは一時的なトレンドではなく、2026年を見据えると、もう後戻りしない変化だと感じています。
CINEMATOが企業の採用支援で採用動画制作をしていても、以前と比べて明らかに違うのは、求職者の“情報の受け取り方”そのものです。
文字情報の5,000倍?動画が持つ情報伝達力
よく「動画は文字の5,000倍の情報量がある」と言われます。
この数字自体に厳密な根拠があるかどうかよりも、制作現場で実感するのは、理解されるスピードがまったく違うという点です。
たとえば、
- 社内の雰囲気
- 上司と部下の距離感
- オフィスの空気感
- 働いている人の表情や話し方
これらは、どれだけ丁寧に文章で説明しても、読む側の想像力に委ねられてしまいます。
一方、映像・動画であれば、
- 一瞬の表情
- 何気ない会話の間
- 現場の音や空気
まで含めて伝わります。
採用動画制作が評価されている理由は、情報量の多さよりも、「誤解が生まれにくい」点にあります。
💡 CINEMATOからのワンポイント:動画の価値を「時間」で換算する
多くの企業様が「動画は見られるか不安」と感じていますが、CINEMATOでは「動画は優秀な営業・採用担当者の分身である」というロジックで効果を試算します。
例えば、90秒のサービス・採用動画を制作した場合、以下のような時間の創出が見込めます。
- Webサイトや説明会での視聴回数:計7,000回以上
- 7,000回 × 1.5分 = 10,500分 ≒ 約175時間
- その他、スカウトメール添付や待機画面での再生を含めると、1本で年間約650時間分の説明時間を生み出す計算になります。(※当社提案資料より試算)
人事担当者が一人ひとりに650時間かけて説明することは不可能ですが、動画ならそれが可能です。動画制作は「コンテンツ作り」であると同時に、「説明コストの削減と、質の高い接触時間の創出」という事業課題の解決策なのです。
Z世代・デジタルネイティブ世代との相性
新卒採用を中心に、Z世代・デジタルネイティブ世代が採用の中心になってきました。
彼ら・彼女らの特徴は、
- 長文をじっくり読むより、全体像を素早く把握したい
- タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する
- 広告的な言葉に敏感で、違和感を察知する
という点です。
これは決して「情報を軽視している」という意味ではありません。
むしろ逆で、無駄な情報を避け、本質だけを知りたいという感覚に近いです。
採用動画は、
- まず全体像を短時間で理解できる
- 合わなければ、早い段階で判断できる
という意味で、この世代との相性が非常に良い手段だと言えます。
採用ミスマッチを防ぐという、最大の効果
採用動画の効果として、「応募数が増えた」「認知が広がった」といった声もありますが、制作現場で最も価値を感じるのは、採用ミスマッチの減少です。
CINEMATOが関わった制作事例でも、
- 応募数はそこまで増えていない
- しかし、面接の質が明らかに変わった
- 入社後のギャップが減った
というケースは少なくありません。
これは、動画を通じて 「合わない人が、最初から応募しなくなる」という効果が働いているからです。
採用動画は、企業にとって都合の良い人だけを集めるためのものではありません。
お互いにとって、納得感のある選択をするための材料として、いま多くの企業で制作が必要とされています。
【2026年トレンド】AI活用と「体験型」動画の台頭
2026年の採用動画を語る上で避けて通れないのが、テクノロジーの進化、特に「生成AI」と「インタラクティブ性」です。
これらは単なる流行ではなく、採用活動の実利的な課題解決ツールとして定着し始めています。
1. 「多言語対応」とAIによるローカライズ
労働人口の減少に伴い、外国人材の採用を強化する企業が増えています。
これまでは翻訳字幕をつけるのが限界でしたが、最新のAI技術により、「本人の声質のまま、多言語で話させる(リップシンク)」といった動画制作も現実的になってきました。
日本語で撮影した社長メッセージや社員インタビューを、英語・ベトナム語・中国語などに違和感なく変換して配信する。
これが2026年の「グローバル採用動画」のスタンダードになりつつあります。
2. インタラクティブ動画(触れる動画)での疑似体験
従来の動画は「再生して終わる」一方通行のものでした。
しかし最近では、動画の中に選択肢が表示され、視聴者が選んだルートによってストーリーが変わる「インタラクティブ動画」の導入が進んでいます。
- 営業職コース/技術職コースを選んで1日を体験する
- 先輩社員への質問を選択肢から選ぶ
これにより、求職者は動画を「見る」だけでなく、「疑似体験(シミュレーション)する」ことが可能になります。
結果として、動画の視聴完了率や理解度が大幅に向上する傾向にあります。
【準備編】制作前に決めるべき「3つの核(企画・構成)」
採用動画制作で成果が出せるかどうかは、正直に言って、撮影や編集の前段階で8割決まります。
カメラや動画のクオリティ以前に、そもそも「何を制作しようとしているのか」が曖昧なまま進んでしまうと、どれだけ良い素材を撮っても、最終的には“それっぽい動画”に着地してしまいます。
CINEMATOが過去に「うまくいかなかった案件」を振り返ると、ほぼ例外なく、次の3つの核が整理されていませんでした。
1. ターゲット(ペルソナ)は「一言で言えるか」
採用動画の打ち合わせで、最初によく出てくるのがこの言葉です。
「幅広い人に見てもらいたいんです」
気持ちは分かります。
ただ、これをそのまま動画に落とすと、誰にも強く響かない動画になります。
採用動画制作の現場ではよく、
- 新卒なのか、中途なのか
- 即戦力なのか、ポテンシャル層なのか
- エンジニアなのか、営業なのか
といった話をしますが、本当に重要なのはもう一段深い部分です。
たとえば、
- 不安が強い人なのか
- 自分で考えて動きたい人なのか
- 安定を求めているのか、成長を求めているのか
このあたりまでイメージできているかどうかで、インタビューの質問内容も、構成も、動画編集のトーンも変わります。
CINEMATOでは、「この動画は、誰の背中を押す動画なのか」を一文で言語化できるかを必ず確認します。
2. 採用課題に基づいた「動画の目的」を決める
次にズレやすいのが、採用動画の目的が整理されていないケースです。
採用動画には、よくある目的があります。
- 認知を広げたい
- 会社理解を深めたい
- 志望度を上げたい
どれも間違いではありません。
ただ、全部を1本の動画でやろうとすると、ほぼ確実に失敗します。
実際の採用動画の制作現場では、
- 認知用動画なのに、情報を詰め込みすぎて離脱される
- 志望度向上が目的なのに、会社説明が長くなる
といったズレが起きがちです。
CINEMATOでは、「この動画を見終わったあと、視聴者にどんな行動を取ってほしいのか」を基準に、目的を一つに絞ることが多いです。
目的が決まると、
- 動画の長さ
- 構成の順番
- 使う言葉の粒度
まで、自然と整理されていきます。
💡 CINEMATOからのワンポイント:「動画制作会社」と「コンサルティング」の違い
多くの企業が動画制作を依頼する際、「どんな映像にするか」から入りがちです。しかし、私たちCINEMATOは「コンサルティング×クリエイティブ」という立ち位置で、まず「事業課題・採用課題」の特定から入ります。
- 制作会社型: 「言われた通りの動画を作る」 → 納品がゴール
- コンサルティング型(CINEMATO): 「課題解決のために最適な手段を提案する」 → 事業成長(Business Growth)がゴール
場合によっては、「今は動画を作るべきフェーズではない」「動画よりも採用サイトの改修が先決」と正直にお伝えすることもあります。動画はあくまで手段。目的を見失わないことが成功の鍵です。
3. 伝えるべき「自社の強み」は、無理に作らない
最後に一番難しいのが、自社の強み(メッセージ)の言語化です。
よくある失敗は、
- 「風通しがいい」
- 「成長できる」
- 「アットホーム」
といった、どの企業にも当てはまる言葉をそのまま動画にしてしまうことです。
もちろん、嘘ではありません。
ただ、求職者から見ると、違いが分からない表現になってしまいます。
CINEMATOでは、
- なぜそう言えるのか
- それが日常のどんな場面に表れているのか
- 逆に、合わない人はどんな人か
まで掘り下げます。
この作業は、3C分析や採用の4Pといったフレームワークを参考にすることもありますが、最終的には制作現場の具体的なエピソードに落とし込みます。
強みは、制作して作るものではなく、すでにあるものを見つけるものです。
💡 CINEMATOからのワンポイント:「機能」ではなく「ベネフィット」を語る
構成において、私たちが徹底しているノウハウの一つが「機能(Feature)ではなく、利点(Benefit)を語る」ことです。
- × 機能中心:「研修制度が充実しています」「最新のPCを支給します」
- ○ ベネフィット中心:「未経験からでも1年で現場を任される人材になれます(そのために研修があります)」
求職者が知りたいのは「制度そのもの」ではなく、「その制度によって、自分の未来がどう良くなるのか」です。動画の構成では、まずこの「ベネフィット」を提示し、その裏付けとして「機能(制度)」を紹介する順番にするだけで、視聴者の納得感は劇的に高まります。
【種類編】目的に合わせて選ぶ!採用動画の鉄板パターン5選
採用動画と一口に言っても、実際の制作現場ではいくつかの“型”に分かれます。
ここで大切なのは、流行っているから制作するのではなく、目的に合っているかどうかで選ぶことです。
CINEMATOが企業から相談を受ける中でも、「とりあえず一番よさそうなものを」という理由で型を選び、あとからズレに気づくケースは少なくありません。
以下は、2026年現在も実際に成果が出やすいと感じている採用動画の代表的なパターンです。
1. インタビュー動画(社員のやりがい・リアルな声)
最も王道で、かつ今でも強いのが社員インタビュー動画です。
理由はシンプルで、求職者が一番知りたいのは「人」だからです。
ただし、失敗しやすいのもこのタイプです。
よくあるNGは、
- 用意されたコメントを読んでいる
- どの会社でも聞くような内容
- ポジティブな話しか出てこない
これでは、「ちゃんと動画制作している感」は出ても、共感は生まれません。
制作現場では、
- 入社前に不安だったこと
- 実際にギャップを感じた瞬間
- 今だから言える、正直な話
をどこまで引き出せるかがポイントになります。
インタビュー動画は、編集よりも“聞き方”で9割決まると言っても言い過ぎではありません。
2. オフィスツアー・仕事紹介動画(働く環境の可視化)
次に多いのが、オフィスや仕事の様子を見せるタイプの動画です。
この形式が向いているのは、
- 中小企業
- ベンチャー企業
- 社風や雰囲気を強みとしたい企業
です。
文章で「雰囲気がいい」と書くより、動画で見せた方が早い。
これは多くの企業が実感しているところだと思います。
注意点としては、
- きれいな部分だけを切り取りすぎない
- 実際の仕事シーンが分からない
と、逆に不信感を持たれることがあります。
オフィスツアー動画は、“生活感”をどこまで残すかが制作の鍵になります。
3. コンセプトムービー(企業の想い・ブランディング)
企業のビジョンや想いを伝えるコンセプトムービーも、一定の需要があります。
特に、
- 採用ブランディングを強化したい
- グローバル展開している
- 企業イメージを刷新したい
といった企業では、効果を発揮します。
ただし、このタイプは制作の仕方を間違えると“自己満足動画”になりやすいのも事実です。
現場では、
- 抽象的な言葉が多すぎないか
- 実際の人や仕事と結びついているか
を常に確認します。
コンセプトムービーは、単体で完結させるより、インタビューや仕事紹介と組み合わせる方が失敗しにくいです。
4. 座談会・クロストーク動画(社風・関係性)
複数の社員が登場する座談会・クロストーク形式の動画も人気があります。
この形式の強みは、
- 上下関係や距離感が見える
- 社内の空気感が伝わりやすい
- 作り込まれすぎない印象になる
点です。
一方で、
- 話が散らかりやすい
- 動画編集が大変
- 見どころが分かりにくい
というデメリットもあります。
制作現場では、
- テーマを1つに絞る
- 事前に話す方向性だけ共有する
ことで、自然さと分かりやすさのバランスを取ります。
5. 縦型ショート動画(SNS・検索の入口)
2026年に向けて、重要度が最大化しているのが縦型ショート動画です。
- TikTok
- Instagramリール
- YouTubeショート
これらは、採用動画の「入口」としてだけでなく、「検索手段」として定着しています。
Google検索よりも先にSNSで社名を検索する層に対し、ショート動画がないことは「存在しない」のと同じことになりかねません。
ここで重要なのは、1本で完結させないことです。
- 日常のワンシーン
- 社員の一言
- 仕事の裏側
といった小さな素材を積み重ね、興味を持った人を採用サイトや長尺動画へ誘導します。
【実践編】採用動画制作の具体的な流れ(フロー)
採用動画制作の流れ自体は、どの制作会社やサービスを見ても、だいたい同じです。
- 企画
- 撮影
- 編集
ただ、実際の現場ではこの3ステップがきれいに進むことはほとんどありません。
ここでは、CINEMATOが実際の案件で踏んでいる流れをベースに、「どこで判断が分かれるか」「どこで失敗しやすいか」も含めて解説します。
STEP1:構成案・絵コンテの作成(ここで8割決まる)
最初に行うのが、動画全体の構成案(ラフ)を作る工程です。
この段階でよくある勘違いが、「撮りながら考えましょう」という進め方です。
もちろん、ドキュメンタリー的に撮る場合もありますが、採用動画では、最低限の設計がないと、編集で必ず詰みます。
制作現場では、
- 冒頭3秒で何を見せるか
- 誰の、どの言葉から始めるか
- 見終わったあと、何を感じてほしいか
この3点を必ず決めます。
起承転結を意識しすぎるより、「離脱されない流れになっているか」を重視するのがポイントです。
STEP2:撮影準備(キャスティング・ロケ・日程調整)
次に行うのが撮影準備です。
この工程で一番重要なのは、「誰に出てもらうか」です。
よくある失敗は、
- 一番話がうまい人を選ぶ
- 役職が高い人だけが出る
というパターンです。
それが悪いわけではありませんが、採用動画では、
- 等身大で話せる人
- 求職者と目線が近い人
の方が、結果的に響くことが多いです。
また、出演社員への依頼時に、
- 台本をガチガチに渡す
- 「うまく話してください」と丸投げする
のも、うまくいかない原因になります。
CINEMATOでは、
- 話すテーマだけ共有
- 言い回しは本人に任せる
という形を取ることが多いです。
STEP3:撮影本番(自然な表情を引き出す)
撮影当日、一番大切なのは空気づくりです。
カメラや動画機材よりも先に、「ここは安心して話していい場所だ」と感じてもらう必要があります。
インタビューでは、
- 質問を詰め込みすぎない
- 間を怖がらない
- 言い直しを前提にする
ことで、少しずつ自然な表情が出てきます。
制作技術的な話をすると、
- 音声だけは妥協しない
- 明るさは盛りすぎない
この2点を守るだけでも、編集時のクオリティは大きく変わります。
STEP4:編集・テロップ入れ(やりすぎない)
動画編集の工程では、「分かりやすくしたい」という気持ちから、情報を足しすぎてしまうことがあります。
- テロップが多すぎる
- 効果音が多い
- カットが細かすぎる
これらは、短期的には派手に見えますが、採用動画では逆効果になることも多いです。
スマホ視聴を前提に、
- 文字は大きく
- 色は抑えめ
- テンポは早すぎない
というバランスを意識します。
編集のゴールは、「すごい動画を制作すること」ではなく、「ちゃんと伝わる映像に整えること」です。
【選択編】自社制作(内製)か制作会社(外注)か?
採用動画制作を検討する際、ほぼ確実に出てくるのがこの問いです。
「内製と外注、どちらがいいのでしょうか?」
正直に言うと、この質問に一言で答えられるケースはほとんどありません。
CINEMATOが関わってきた企業を見ても、うまくいっている会社ほど、最初から“どちらか一択”で考えていないことが多いです。
自社制作(内製)のメリット・デメリットと向いている企業
まず、内製についてです。
内製のメリット
- コストを抑えやすい
- 社内の空気感をそのまま出しやすい
- 撮り直し・追加撮影がしやすい
特に、
- 中小企業
- 社内に動画編集経験者がいる
- SNS用の縦型動画を量産したい
といった企業では、内製がうまく機能するケースもあります。
内製のデメリット
一方で、現場ではこんな声もよく聞きます。
- 担当者の工数が想像以上にかかる
- 編集が後回しになり、結局公開されない
- クオリティの判断基準が分からない
内製で失敗するケースの多くは、「人」ではなく「時間」と「判断基準」が足りなくなることです。
制作会社(外注)のメリット・デメリットと向いている企業
次に、外注についてです。
外注のメリット
- 構成から撮影・編集まで一気通貫で任せられる
- 客観的な視点が入る
- 一定以上のクオリティが担保されやすい
特に、
- 採用サイトのメイン動画
- 企業ブランディングを兼ねたムービー
- 初めて採用動画を制作する場合
は、外注の方が結果的にスムーズなケースが多いです。
外注のデメリット
一方で、外注にも注意点があります。
- 費用がかかる
- 要望を整理しないと、ズレが生まれる
- 「任せきり」にすると、社内にノウハウが残らない
制作会社選びを間違えると、きれいだが、採用には効かない映像になることもあります。
現場でおすすめしている「現実的な使い分け」
CINEMATOが現場でよく提案しているのは、内製と外注のハイブリッド型です。
たとえば、
- 採用の軸になる1本 → 制作会社(外注)
- SNS用ショート動画 → 自社制作(内製)
- 社員インタビューの追加分 → 内製 or 部分外注
この形であれば、
- コストを抑えつつ
- クオリティも担保でき
- 社内にも運用ノウハウが残る
というバランスが取りやすくなります。
「どちらが正解か」ではなく、「自社にとって無理がないか」で判断することが、採用動画制作では一番失敗しにくい考え方です。
💡 CINEMATOからのワンポイント:「既存修正」と「新規制作」の判断基準
多くの企業が「内製か外注か」で迷いますが、私たちは以下の基準で判断することをおすすめしています。
- 既存修正(リニューアル):すでに素材があり、ターゲットやコンセプトが大きく変わらない場合。「情報の更新」がメインなら、内製や低コストプランで十分な場合が多いです。
- 新規制作(フルスクラッチ):ターゲットを刷新したい、新しい採用コンセプトを打ち出したい場合。これは「情報の更新」ではなく「印象の変革」なので、プロの外注(コンサルティング)を入れる価値が高まります。
「なんとなくリニューアルしたい」ではなく、「変えるのは情報か、それとも企業の印象か」。この問いが、最適な手段を選ぶヒントになります。
絶対に失敗したくない!採用動画制作の注意点とリスク対策
採用動画は、うまくいけば企業の魅力を強く伝えてくれる一方で、一度トラブルが起きると、長く尾を引くコンテンツでもあります。
実際にCINEMATOが相談を受ける中でも、
- 「公開後に問題があることに気づいた」
- 「社内からクレームが出て止まってしまった」
- 「動画は完成したが、結局使えなくなった」
といったケースは珍しくありません。
ここでは、制作前に知っておくことで防げるリスクを中心に整理します。
【法律・権利】著作権・肖像権・BGM利用の落とし穴
一番多いトラブルが、著作権・肖像権まわりです。
特に注意が必要なのは、
- 無料のBGM・映像素材
- フリー素材サイトの利用規約
- 社員以外の人物が映り込んでいるケース
「無料」「商用利用OK」と書いてあっても、
- 広告利用は不可
- クレジット表記が必須
- 利用期間に制限がある
といった条件が付いていることがあります。
また、退職した社員が映っている採用動画の扱いも要注意です。
撮影当時は問題なくても、公開範囲や利用目的が変わると、再確認が必要になるケースもあります。
採用動画制作では、「あとから確認する」ではなく、最初にルールを整理しておくことが重要です。
【AIリスク】生成AIによる素材の権利と倫理
2026年現在、制作現場で新たな課題となっているのがAI生成物の扱いです。
画像生成AIや音声合成AIを使って素材を作るケースが増えていますが、ここにもリスクがあります。
- 意図せず他者の著作権を侵害していないか
- 実在しない社員の顔(AIアバター)を使って、誤解を与えないか
特に採用動画において、「リアルさ」は信頼の根幹です。
効率化のためにAIを使うのは良いですが、オフィスの背景や社員の表情を過度にAIで加工・生成することは、「嘘をついている」と捉えられ、炎上の火種になる可能性があります。
【炎上リスク】ジェンダー・ハラスメント表現への配慮
近年、特に慎重になるべきなのが表現による炎上リスクです。
制作中には問題なく見えても、
- 性別役割を固定する表現
- 年齢や属性を限定する言い回し
- 「昭和的」と受け取られるノリ
が、公開後に指摘されるケースがあります。
現場では、
- 「社内では普通」
- 「悪気はなかった」
という理由は、残念ながら通用しません。
CINEMATOでは、構成段階や動画編集段階で、
- 第三者目線で違和感がないか
- 求職者側からどう見えるか
を必ず確認します。
過度なキラキラ演出も、逆に不信感を招くことがあるため注意が必要です。
【社内調整】「やらされ感」を出さないための社員巻き込み術
もう一つ、意外と多いのが社内調整で止まってしまうケースです。
- 出演社員が嫌々出ている
- 上司のチェックが多すぎて進まない
- 誰が最終決定者なのか分からない
こうした状態で作られた動画は、映像にも「やらされ感」がにじみ出ます。
制作現場で意識しているのは、
- 出演者に「なぜ撮るのか」を共有する
- 完璧を求めすぎない
- 最終判断者を最初に決めておく
という、ごく基本的なことです。
採用動画は、社員を“使う”コンテンツではなく、社員と一緒に“制作する”コンテンツです。
この意識があるかどうかで、仕上がりは大きく変わります。
制作して終わりじゃない!効果を最大化する「活用・配信方法」
採用動画制作で、もう一つよくある失敗があります。
それは、動画が完成した瞬間にプロジェクトが終わってしまうことです。
現場では、
- 採用サイトに1本だけ埋め込んで終わり
- YouTubeにアップしたが、更新が止まっている
- 求人媒体やスカウトでは使われていない
という状態を、何度も見てきました。
採用動画は、どう活用するかまで含めて設計しないと、コストに見合った効果は出ません。
採用サイト・コーポレートサイトでの活用(最優先)
まず最優先で考えるべきなのが、自社の採用サイト・コーポレートサイトです。
特に効果が出やすいのは、
- 採用トップページのファーストビュー
- 職種別ページの冒頭
- 社員紹介ページの補足コンテンツ
テキストだけで構成された求人ページに比べ、動画があるだけで、滞在時間と理解度が明らかに変わります。
CINEMATOの案件でも、
- 動画設置後に直帰率が下がった
- 面接時の前提理解がそろった
といった変化が起きることがあります。
採用動画は、「説明を補足する資料」ではなく、最初に空気感を伝える入口として使うのが効果的です。
求人媒体・スカウトメールでの活用(反応率に直結)
次に重要なのが、求人媒体・スカウトメールでの活用です。
文章だけの求人やスカウトは、どうしても他社と似た内容になりがちです。
そこに、
- 採用動画のURLを添える
- 「まずは1分だけ見てください」と一言添える
これだけで、反応率が変わるケースは少なくありません。
特に中途採用では、
- 条件だけでは判断しづらい
- 会社の雰囲気が見えない
という不安を、動画が一気に埋めてくれます。
YouTube・SNSでの活用(認知と接点づくり)
2026年を見据えると、動画プラットフォームやSNSとの連動は欠かせません。
- YouTube:長尺・インタビュー向き
- Instagram/TikTok:縦型・ショート向き
- X:動画+言葉で共感づくり
ここでよくある失敗は、完成した動画をそのまま流すだけという使い方です。
制作現場では、
- 長尺動画を分解
- 印象的な一言を切り抜き
- ショート動画として再編集
することで、1本の採用ムービーを何度も使い回すことができます。
採用動画は、広告やSNSと組み合わせて初めて「効率」が出る施策です。
説明会・選考プロセスでの活用(理解度をそろえる)
もう一つ、見落とされがちですが効果が高いのが、説明会や選考プロセスでの活用です。
- 会社説明会の冒頭
- 面接時の待ち時間
- 内定者フォローのタイミング
で動画を流すことで、
- 説明のばらつきが減る
- 担当者の負担が軽くなる
- 求職者の理解度がそろう
というメリットがあります。
採用動画は、「何度も同じ説明をしなくて済む」ツールでもあります。
成功事例から学ぶ!ターゲットに刺さる採用動画のポイント
採用動画制作について情報収集をしていると、「成功事例」という言葉をよく目にすると思います。
ただ、実際の現場で感じるのは、成功事例は“真似するもの”ではなく、“分解して考えるもの”だということです。
企業規模や業界、求人内容が違えば、そのまま当てはめても同じ結果にはなりません。
ここでは、CINEMATOが関わった事例や、近い構造で成果が出ているケースをもとに、再現性のあるポイントだけを整理します。
事例1:【新卒採用】「成長」を言葉で語らなかった密着型動画
新卒向けの採用動画で成果が出た事例の多くは、「成長できます」という言葉をほとんど使っていません。
ある企業では、
- 入社1〜2年目の社員に密着
- 仕事の一日をそのまま追う
- うまくいかなかった場面もカットしない
という構成で動画を制作しました。
ポイントは、
- 教育制度の説明を最小限にしたこと
- 代わりに「今できること/できなかったこと」を語ってもらったこと
です。
結果として、
- 「自分が入社した後の姿が想像できた」
- 「背伸びしすぎていない感じがよかった」
という声が集まりました。
成長を“説明”するより、成長の途中を“見せる”方が、ずっと響くという好例です。
事例2:【中途採用】「向いていない人」をあえて語ったインタビュー
中途採用で印象的だったのは、あえてネガティブな話を入れたインタビュー動画です。
この企業では、
- 仕事の大変な点
- 合わないと感じる人の特徴
- 向いていない人の考え方
を、現場社員の言葉で語ってもらいました。
結果として、
- 応募数は大きく増えなかった
- しかし、書類通過率・面接通過率が改善した
という変化が起きました。
これは失敗ではありません。
採用動画の役割は、「誰でも集めること」ではなく、「合う人と出会うこと」だと、この事例ははっきり示しています。
成功事例に共通していた3つのポイント(現場目線)
いくつかの成功事例を振り返ると、共通しているポイントがあります。
1. 企業目線より、求職者目線が優先されている
会社が言いたいことより、「求職者が不安に思うこと」から構成されている動画は、最後まで見られやすい傾向があります。
2. 良い面と同時に「現実」も伝えている
大変さや迷いを隠さない動画ほど、結果的に信頼されます。
正直さは、ブランディングの一部です。
3. 1本ですべてを完結させようとしていない
認知用、理解促進用、志望度向上用と、役割を分けた動画設計がされているケースが多いです。
まとめ:採用動画は「企業のありのまま」を伝える最強のツール
ここまで、採用動画制作について、考え方・作り方・種類・流れ・注意点・活用方法・成功事例までを一通り見てきました。
最後に、CINEMATOが制作現場に立ち続ける中で、一貫して感じていることをまとめます。
採用動画の本当の価値は「応募を増やすこと」だけではない
採用動画の効果として、「応募数が増える」「認知が広がる」といった話はよく聞きます。
もちろん、それも一つの成果です。
ただ、実際に企業の中で評価されるのは、その後のプロセスが楽になったかどうかという点だったりします。
- 面接での前提理解がそろう
- 入社後のギャップが減る
- 「思っていたのと違う」が起きにくくなる
採用動画は、採用活動の効率を上げるための“広告”というより、判断材料を共有するための“資料”に近い存在です。
失敗する採用動画に共通していること
これまで多くの動画を見てきて、うまくいかなかったケースにも共通点があります。
- 何を目的に制作しているのかが曖昧
- 誰に向けた動画なのかがぼやけている
- きれいに作ることがゴールになっている
こうした動画は、完成直後はそれなりに満足感があるものの、数ヶ月後に「結局、あまり使っていない」状態になりがちです。
成果が出る採用動画は「正直」である
一方、成果が出ている動画は、派手な演出や流行の表現よりも、
- 人の言葉が自然で
- 現場の雰囲気がそのまま出ていて
- 良い面も、大変な面も隠していない
という共通点があります。
採用動画は、企業をよく見せるためのものではなく、これから一緒に働くかもしれない人に、正直に自己紹介するためのものだと考えています。
CINEMATOが大切にしていること
CINEMATOでは、採用動画を「映像作品」としてではなく、採用活動の一部として設計することを大切にしています。
- なぜ今、動画が必要なのか
- どこで、どう使われるのか
- 制作したあと、どう運用されるのか
ここまで含めて考えないと、採用動画は本来の力を発揮しません。
もし、
- 採用動画制作をするべきか迷っている
- 以前制作した動画が、うまく活用できていない
- 内製と外注、どちらが良いか判断できない
そんな状態であれば、いきなり作り始める必要はありません。
まずは、「自社は、何を伝えるべきなのか」「どんな人に来てほしいのか」
そこから整理することが、結果的に一番の近道になることも多いです。
よくある質問(FAQ)|採用動画制作についてよく聞かれること【2026年】
Q. 採用動画はスマホで撮影しても大丈夫ですか?
結論から言うと、ケースバイケースです。
最近はスマホの性能も上がっており、
- 社内の雰囲気紹介
- SNS用の縦型ショート動画
- 日常のワンシーンを切り取る用途
であれば、スマホ撮影でも問題になることは少なくなりました。
ただし、採用サイトのメイン動画や、数年使い続けることを前提とした制作については、音声・光・構図の差が後から効いてくることが多いです。
現場感覚としては、
- 軽いコンテンツ → 内製・スマホ
- 軸になる動画 → プロに任せる
という切り分けが、一番無理がありません。
Q. 採用動画制作の費用・料金相場はどれくらいですか?
採用動画制作の費用や相場は、「これくらい」と一言で言えるものではありません。
2026年現在の目安としては、
- 内製(簡易):0〜数万円(人件費は別)
- 外注(インタビュー1本):20〜50万円
- 構成・撮影・編集込み:50〜150万円
- ブランディング寄りのムービー:150万円〜
ただ、制作現場でよく起きるのは、
- 安く作ったが、結局使われなくなった
- 高く作ったが、目的とズレていた
というケースです。
金額よりも、「どこで・何のために使うか」が費用対効果を大きく左右します。
Q. 生成AIツールを制作に使ってもいいですか?
はい、活用をおすすめします。ただし注意が必要です。
テロップ生成、ノイズ除去、翻訳、構成案の壁打ちなどにAIを使うことで、コストを下げ、スピードを上げることができます。
一方で、実在しない社員やオフィスの画像を生成して使うことは推奨しません。
採用動画の信頼性を損なう可能性があるため、あくまで「補助ツール」として使うのが今の主流です。
Q. 採用動画の長さ(尺)はどれくらいが適切ですか?
目安としては、
- 認知目的(SNS・広告):15秒〜1分
- 会社理解・仕事紹介:2〜5分
- 志望度向上(インタビュー):3〜8分
ただ、実際には「長いか短いか」より「目的に合っているか」の方が重要です。
現場では、
- 最後まで見られているか
- 見終わったあと、行動につながっているか
を見ながら、必要に応じて再編集・分割を行うこともあります。
Q. 無料のBGMや映像素材を使っても問題ありませんか?
使えないわけではありませんが、慎重に確認する必要があります。
特に採用動画は、
- 自社サイト
- 求人媒体
- SNS
- 広告
など、利用範囲が広がりやすいため、
- 商用利用の可否
- クレジット表記の条件
- 二次利用・広告利用の制限
を見落としがちです。
「無料だから安心」ではなく、「使い続けても問題がないか」という視点で判断することが大切です。
Q. 採用動画は内製と外注、どちらを選ぶべきですか?
これについては、本文でも触れましたが、どちらか一方に決める必要はありません。
実際にうまくいっている企業ほど、
- メイン動画は外注
- 日常的な発信は内製
という形を取っています。
大切なのは、
- 社内で回し続けられるか
- 担当者に負荷がかかりすぎないか
という現実的な視点です。
Q. 採用動画制作を依頼する会社はどう選べばいいですか?
映像のクオリティや料金表も大切ですが、それだけで判断すると失敗しやすいのが正直なところです。
チェックしておきたいのは、
- 採用動画制作の実績があるか
- 構成やメッセージまで一緒に考えてくれるか
- 採用の課題を理解しようとしてくれるか
「映像を作る会社」ではなく、「採用を理解している制作会社かどうか」を基準にすると、ズレが起きにくくなります。
FAQまとめ
採用動画制作について迷ったときは、
- 何のために制作するのか
- 誰に届けたいのか
- 作ったあと、どう使うのか
この3点に立ち返ることが、一番の失敗回避策になります。