動画制作の目的には、どのような種類があるのか?
「流行ってるから」「競合企業が動画制作をしているから」「SNSで動画が必要と見たから」などの理由で動画制作をしようと思ったものの、「一体何が目的なのか?」と疑問に思う方も少なくありません。
動画制作の現場で痛感するのは、成果や効果が出る動画とは、動画制作の目的が明確な動画です。
動画は、Webサイト・YouTube・SNS・広告・採用・社内研修など、活用できるシーンが幅広いからこそ、「誰に」「何を」「どこで見てもらって」「どう動いてほしいか」という動画制作の目的が曖昧だと、費用対効果が合わない結果になりがちです。
このようなもったいない動画制作を防ぐためにも、この記事では「動画制作の目的」を軸に、私たち動画制作サービスCINEMATOの経験をもとに解説します。
- 動画コンテンツが重要な理由
- ビジネスにおける動画制作の3つの役割(売上・信頼・効率)
- 課題別の動画の種類と目的の考え方
動画制作を検討中方も、一度制作したが効果を実感できなかった方も、動画制作前の”目的の整理の仕方”をこの記事で確認しましょう。
目次
動画制作の目的は「伝えること」の効率化
動画制作の価値を、私たちCINEMATOでは、「伝わらない」をなくすこと、と考えています
商品やサービスの魅力・メリットなどを正しい言葉で伝えているのに、なぜか市場に届かないと悩む企業様も多くいます。
その原因は、メッセージが間違っているというよりも、”伝え方の設計”ができていないことが多いようです。本来、文章では伝えづらい内容なのに、文章だけで勝負してしまっているような話です。
動画のメリットは、商品・サービスの説明を分かりやすくするだけではありません。
むしろ動画制作の強みは、例えば以下のようなテキストでは表現しにくい「価値」を可視化できる点にあります。
- 会社の空気感や温度感
- 熱量(誰が、どれだけ本気か)
- 将来のビジョンや事業の方向性
こうした”立体的な情報”を伝えるのが動画制作の目的であり、メリットです。
テキストや画像の「5,000倍」~映像が持つ情報の圧縮性
動画制作が「効率化の手段」と言える理由は、映像の情報圧縮力にあります。
有名な話として、ForresterのJames McQuiveyが「1分の動画は180万単語の情報量に相当する」という考え方を示しています。
これは平均的なWebページで換算すると3,000~3,600ページ分で、短時間で大量の情報を伝えられることが動画の価値です。
この数字がどこまで厳密かはさておき、「伝達に必要な時間」を削れるという動画制作の本質的な価値を実際の制作現場でも大事にしています。例えば、
- サービスの利用イメージ
- 実際の動き・サイズ感
- 人の表情や声のトーン
これらは文章で丁寧に書くほど長くなり、読む側の負担も増えます。一方、映像なら数十秒で視聴者を”わかった”に近い状態にできる。これが動画制作の価値です。
ビジネスにおける動画制作の目的は「3つの役割」に分類できる
動画制作には様々な目的がありますが、ビジネスにおける動画制作の目的は、次の3つに分類できます。
- 売上を高める(販売促進・プロモーション目的の動画制作)
- 信頼を高める(ブランディング・採用目的の動画制作)
- コストを下げる(業務効率化目的の動画制作)
この整理ができると、動画制作の企画の方向性、適切なKPI、成功・失敗の判断基準が明確になります。
1. 集客・認知向上など売上を高める販売促進・プロモーション動画
集客・認知向上などを目的とした動画制作の本質は、単に「動画を作ること」ではありません。
視聴者の”認識”を変えることで、現実の行動や数字を変えることが動画制作のゴールです。
例えば、「名前は知られているが、選ばれない」という課題を抱えた企業が、この状態を脱却をするために動画制作をするならば、その目的は、「なんとなく知っている」から「指名で選ばれる(第一想起)」状態へのシフトでしょう。
動画は、この”認識のジャンプ”を起こしやすいメディアです。
特にWebCMやYouTube広告、SNS広告などの動画では、短時間で「どんな価値を提供する会社か」「他の会社と何が違うのか」を直感的に伝えられます。
また、BtoBマーケティングでは「95:5の法則」があります。今すぐ買う顧客は5%だけで、将来買う見込み顧客が95%だという考え方です。この95%の記憶に残ることが重要であり、動画制作はこれと非常に相性の良い手段です。
今すぐ購買・契約しない視聴者に対しても、「名前だけは知っている」「あの会社だよね」という状態を作れれば、将来的な売上も期待でき、これも販売促進・プロモーション目的の動画制作の効果と言えるでしょう。
販売促進・プロモーション目的の動画制作でよくある失敗は、「売りたい気持ち」が前に出すぎること。
私たちは動画制作の企画段階で必ずこう聞きます。
「この動画を見終わったあと、相手の”世界の見え方”はどう変わる?」
商品説明は、その変化を起こす”手段”にすぎません。認識変容を目的に設計すると、自然と動画の構成もシャープになります。
2. 自社の信頼を高めるブランディング・採用動画
デジタル化が進む一方、重要になるのが「人」の役割。ブランディングや採用における動画制作の役割の一つは、ブランドを”人間化”することにあります。
ロゴやコピーだけでは伝わらない、「誰がやっているのか」「どんな想いで事業に向き合っているのか」「どんな温度感の会社なのか」。これらは、実在の人物が登場する動画で伝わりやすくなりますし、実際に実在の人物が登場する動画はエンゲージメントを高めやすいという調査結果も多く見られます。
特に採用目的の動画制作で重要なのは「自社を良く見せる」ことではありません。むしろ、合わない人に”やめておいてもらう”役割も動画は担います。
仕事の厳しさやリアルな現場感をあえて動画で見せることで、覚悟を持った人材だけが残る。これは結果的に、入社後のミスマッチや早期離職を減らす効果も期待できます。
3. 業務効率化やサポートなどコスト削減を目的とした動画制作
3つ目は、広告やプロモーションほど派手ではありませんが、ROIが高い動画制作の種類です。
営業、採用、カスタマーサポートの現場では、「同じ説明を、何度も、別の人がしている」状況がよくあります。
これを動画化することで、以下のメリットが生まれます。
- 説明工数の削減
- 品質の標準化
- 担当者の負荷軽減
大手企業でも社内教育動画を見直すことで、視聴率を上げながら制作・更新コストを下げた事例は少なくありません。
動画は「一度作ったら終わり」ではなく、説明を何度も働かせる仕組みです。
この視点を持つと、動画制作は単なるコスト削減ではなく、組織全体の生産性を底上げする投資になります。
動画制作で大事なのは完璧さより”使われ続けること”。
凝りすぎて更新できなくなるより、「あとで直せる前提」で作る方が、長く使われます。
【目的別】解決できる課題と適した動画の種類
ここからは、「動画を作りたい理由」を、より現場の悩みベースで見ていきます。
私たちのもとに動画制作の相談が来るとき、企業の方はほぼ例外なく「動画を作りたいです」とお話されますが、少し掘り下げると本当は「いまの状況を何とかしたい」という動画制作の目的や課題が必ずあります。
動画は万能ではありませんが、特定の課題に対しては驚くほど強力な解決策になります。
「商品の魅力が伝わらない」を解決するサービス紹介動画・モーショングラフィックス
SaaS、IT、BtoB、無形商材。この領域で最も多い悩みが、「説明しても魅力が伝わらない」ことです。
セキュリティ、クラウド連携、データ処理の流れなどの概念は、テキストで丁寧に説明するほど、逆に分かりにくく場合もあります。
この課題に強いのが、サービス紹介動画+モーショングラフィックスの制作です。
抽象的な概念を、動画内の図や動きで“翻訳”し、視聴者は「細かい理屈は分からないけど、イメージは掴めた」という状態になります。
製造業の場合も同様で、製品内部の構造や、まだ存在しない未来のユースケースを3DCGやアニメーションで動画可視化することで、視聴者の理解度を一気に高められます。
「全部理解してもらおう」と動画制作をすると、だいたい失敗します。
私たちはよく「この動画を見た人が“営業に聞きたい質問”を、1段階進められているか?」という基準でチェックします。
動画の役割は完全理解ではなく、理解の入口を作ることです。
「知名度が低くて指名されない」を解決するWebCM・YouTube活用
「良いサービスなのに、そもそも知られていない」。これは、多くの企業がぶつかる壁です。
この場合、動画制作の目的はすぐに売ることではありません。
まず必要なのは、注意を奪い、記憶に残ることです。
この文脈で有効なのが、WebCM、YouTube動画、SNS向けの広告クリエイティブの制作です。
これは「ブロックバスター戦略」という考え方です。
中途半端な動画を何本も作るより、クオリティの高い“旗艦クリエイティブ”を1本作り、それを軸に展開する。
- 短尺に切り出す
- 媒体ごとに編集を変える
- メッセージの角度を少しずつ変える
こうすることで、限られた動画制作予算でも“存在感”を作ることができます。
認知目的の動画制作で一番もったいないのは、「説明しすぎること」。
「覚えてほしいのは、3つじゃなくて1つ」
名前なのか、思想なのか、世界観なのか。それを決めるだけで、映像の迷いが一気に減ります。
「採用のミスマッチが多い・応募が来ない」を解決する社員インタビュー・ドキュメンタリー動画
採用動画の制作で成果が出るかどうかは、どれだけ“リアル”を映せるかで決まります。
テキストの求人情報では伝わらない「社員同士の距離感」「仕事の厳しさ」「現場の温度」。こうした要素は、社員インタビューやドキュメンタリー形式の動画制作で初めて伝わります。
特にYouTubeでの採用動画は、「なんとなく見た」ではなく、能動的に検索して視聴している層に届くため、熱量の高い求職者と出会いやすいという特徴があります。
採用動画の制作では、台本を詰めすぎない方がうまくいきます。
少し言葉に詰まったり、考えながら話す瞬間の方が、視聴者には「本音」として伝わることが多いからです。
「営業担当ごとの説明スキルに差がある」を解決する営業資料・デモ動画
オンライン商談が当たり前になった今、「商品説明が難しい」と感じている営業担当は少なくありません。
ある調査では、オンライン商談において約7割の営業担当が“説明の難しさ”を感じているという結果もあります。
この課題に対して有効なのが、営業資料やデモを動画化し、説明を標準化することです。
- 商談前に動画を見てもらう
- 重要な説明だけ動画に任せる
- 営業は“対話”に集中する
こうすることで、商談の質とスピードが同時に上がります。
「カスタマーサポートへの問い合わせを減らしたい」を解決するチュートリアル動画
最後は、サポート・オンボーディング領域の動画制作です。
「同じ質問が何度も来る」「操作説明に時間を取られる」「CS担当者が疲弊している」。
こうした状況では、動画による自己解決導線が非常に効きます。
「よくある質問」を動画化し、導入直後の操作説明をチュートリアル動画として提供するだけで、問い合わせ件数が目に見えて減るケースもあります。
なぜ今、多くの企業が動画を活用するのか?~メリットやおすすめ理由
「動画が流行っているから」。それだけなら、ここまで多くの企業が本気で動画制作に投資はしていないでしょう。
今、動画制作が活用されている理由は、ビジネス成果に直結する“構造的なメリット”があるからです。
ここでは、現場で特に実感する3つのポイントに絞って企業にとっての動画制作のメリットを解説します。
短時間で記憶に残りやすい
動画の最大の強みは、「理解されやすい」だけでなく「忘れられにくい」という学習定着率の高さです。
テキストの場合、「読んだ瞬間は分かった気がするけど、数日後には思い出せない」ということが起こりがちです。
一方で動画は、映像(視覚)・音声(聴覚)・ストーリー(文脈)が同時に入ってくるため、記憶のフックが複数残る状態を作れます。研修・営業説明などの動画制作の現場では、「動画を導入したら質問が減った」「説明のやり直しが減った」といった変化が、数字以上に体感として現れることが多いです。
「覚えてもらう」動画には、必ず“繰り返し”を入れます。
同じ言葉でなくてもOK。映像・ナレーション・テロップで、大事なメッセージを3回、形を変えて当てる。これだけで定着率はかなり変わります。
「情緒的価値」を伝え、商品やサービスへのファン化を促進できる
多くの企業が陥りがちなのが、「機能やスペックは説明しているのに、なぜか選ばれない」という状態です。
ここで差を生むのが、情緒的価値(Emotional Value)です。
「なぜこの事業をやっているのか」「どんな未来を目指しているのか」「誰のために本気になっているのか」。こうした要素は、文章だけではどうしても伝わりきりません。
動画制作は、論理と感情を同時に届け、短い時間で商品・サービスへのファン化を促進できる数少ない手段です。
実際、金融・BtoBのように商品やサービスの差が分かりにくい業界ほど、情緒的なポジションを確立した企業が、「機能比較」の競争から一歩抜け出せる場合があります。
情緒的価値を伝えるとき、“感動させよう”としすぎると逆に嘘っぽくなります。
私たちが大事にしているのは、「ちゃんと悩んでいる顔」「迷っている沈黙」。完璧じゃない瞬間の方が、信頼は生まれます。
二次利用が容易で「資産」になる
動画は「一度作ったら終わり」ではありません。むしろ、作ったあとからが本番です。
1本の制作動画を、以下のように使い回すことで、ワンソース・マルチユースが可能になります。
- Webサイトに動画を埋め込む
- 営業メールに添付する
- 展示会やイベントで流す
- 採用スカウト文面に組み込む
- 社内研修に転用する
この考え方を前提に設計された動画は、単発の施策ではなく、中長期で効くアセット(資産)になります。
SEOなどのWebマーケティング施策との相乗効果
動画制作は、Webマーケティング施策とも非常に相性が良いメディアです。
Webページに動画を埋め込むことで、滞在時間が伸びる、直帰率が下がる、内容理解が進むといった変化が起こりやすくなります。
結果として、SEO評価の改善やCVR向上につながるケースも珍しくありません。
実際、記事LPに動画を設置したことで、CVRが大きく改善した事例も多く見られます。
目的が曖昧なまま動画を作るとどうなる?
動画制作の相談で、実は一番多い失敗パターンがここです。
それは、「動画は作った。でも、何が成功だったのか分からない」という状態。
映像のクオリティは高い。社内の評判も悪くない。それでも「売上が増えたのか」「採用が改善したのか」と聞かれると、答えに詰まる。
この原因の多くは、動画制作の目的設計の不足にあります。
「誰に」「何を」がブレて、視聴者の心に響かない
目的が曖昧な動画制作ほど、企画段階でこうなりがちです。
「商品の良さも伝えたい」「会社の想いも入れたい」「実績も言いたい」「採用にも使えたら嬉しい」。
結果として、全部少しずつ触れて、視聴者の心に何も残らない動画になります。
これは、映像の問題ではありません。
動画制作の企画段階でWho(誰に)/What Pain(どんな痛みを)/How(どう解決するか)という視点が抜けていることが原因です。
視聴者は無意識に、「これは自分のための動画か?」を判断しています。
そこが曖昧な瞬間、動画は“背景”になります。
企画が迷走し始めたら、私たちは必ず立ち止まって聞きます。
「この動画、いちばん“見てほしい一人”は誰ですか?」
役職でも年齢でもなく、“顔が浮かぶ一人”。それが決まると、不要な要素は自然と削ぎ落とせます。
成果指標(KPI)がなく、改善できなくなる
もうひとつ深刻なのが、KPIがない動画です。
例えば展示会で動画を流す場合、動画制作の目的が「なんとなく認知を高める」では、動画制作の成果を測れない上、動画制作が成功だったのかの判断もできません。
一方で動画制作の目的や目標を、「名刺獲得数」「その後のアポ率」「動画視聴後の問い合わせ」のように具体化すれば、動画は「作って終わり」ではなく、改善できる施策になります。
動画制作は本来、「一発勝負のクリエイティブ」ではなく、検証・改善できるマーケティング施策です。
まとめ:まずは「目的=解決したい課題」の明確化から始めよう
ここまで、「動画制作の目的」を軸に、
- なぜ動画が“伝達効率”に優れているのか
- ビジネスにおける3つの役割(攻め・信頼・守り)
- 課題別に適した動画の考え方
- 目的が曖昧な場合に起こる失敗
を見てきました。
動画制作で大切なことは、「今、事業上の課題は何か」「どの数字・行動を変えたいのか」「誰の認識を変えたいのか」など動画制作の目的を明確化すること。
それができれば、作るべき動画の種類、適したプラットフォーム、設定すべきKPIは、自然と決まります。
動画制作の検討は、「どんな動画を作るか」からではなく、「どんな課題を解決したいか」から始めましょう。
そこから逆算して設計された動画は、単なる映像コンテンツではなく、ビジネスを前進させる武器として、長く機能し続けます。
\お問い合わせ・無料見積依頼はこちら/