動画制作の相談を受けていると、よくこんな言葉を聞きます。
「頭の中では、もう完成形が見えているんですけどね……」
しかし、ここが動画制作のいちばん面白く、難しいところでもあります。
頭の中の“完成形”は、本人の中では鮮明ですが、チームや動画制作会社に共有しようとした瞬間に、急にぼやけるものです。
- 動画制作会社にうまく意図が伝わらない
- チーム内でイメージが食い違う
- 撮影当日に「思っていたのと違う」と気づく
こういうズレが、あとから一気に噴き出します。
なので、動画制作における「構成」を、単なる台本づくりではなく、成果を出すための設計だと捉える必要があります。
言い換えるなら、構成は「撮影や編集の前にやる作業」ではなく、動画制作の“勝ち筋”を決める工程です。
目次
そもそも「構成」と「台本」「絵コンテ」は何が違う?
現場で混ざりやすい言葉なので、まずは整理します。
- 構成:何を、どんな順番で伝え、どこで納得させ、どこで行動させるか(設計)
- 台本:実際のセリフやナレーション、テロップ文言(言語化)
- 絵コンテ:画面の見せ方、カット割り、演出の流れ(視覚化)
つまり構成は、“台本・絵コンテの前段”です。
ここが固まっていないと、台本も絵コンテも、きれいに作れたように見えて、どこかピントが合いません。
「構成が弱い動画ほど、編集で何とかしようとする」
しかし、編集には限界があります。
テロップを増やす、BGMで盛る、テンポを速くする。
もちろん編集の工夫は大事ですが、構成が曖昧なままだと、編集は“補修工事”になってしまうものです。
ということで、構成は動画制作をする上で極めて大事になります。
構成を作る前に必ずやるべき「前提整理」(6W1H)
それでは、ここからは実務の話に入っていきます。
構成づくりで迷う原因の8割は、才能でもセンスでもなく、前提が揃っていないことです。
私たちCINEMATOが動画制作の構成を考えるに当たり、最初に確認するのは、ざっくり以下です。
- Why(目的):何のための動画か(認知/比較検討/受注/採用など)
- Who(ターゲット):誰に向けるか(知識レベルも含む)
- What(伝える価値):結局、何が一番の価値なのか
- Where(使う場所):展示会/LP/YouTube/営業資料/タクシー広告など
- When(見るタイミング):初見か、比較検討中か、導入直前か
- How(見せ方):実写/アニメ/UI中心/インタビュー等
- How much(制約):尺、予算、期限、社内承認の難易度
特にSaaSや製造業など、言葉だけだと伝わりづらい商材ほど、ここが命です。
「複雑なサービスを、誰が見ても“一瞬でわかる”形にする」
複雑な分野のBtoBだと、ここまでしっかりと出し切って構成を作っていく必要があります。
動画構成の作り方 5ステップ
──CINEMATOが現場で実際にやっている思考プロセス
ここからは、「では実際、どうやって構成を作っているのか?」という話です。
特別なツールや才能は必要ありません。
CINEMATOでも、最初はほぼテキストベースで構成を組み立てています。
ステップ1:伝えたいことを「全部」書き出す
ここでやるのは、いきなり構成を作ることではありません。
とにかく書き出すことです。
- 商品・サービスの特徴
- 他社との違い
- 強み、弱み
- 実績、数字
- 開発背景
- 現場のこだわり
- 経営者の想い
この段階では、整理も順番も考えません。「これは言わなくていいかも」という判断もしません。
この“素材出し”の工程が浅いと、後半の構成が必ず薄くなります。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
構成で詰まる人ほど「最初から削ろう」とする
構成が苦手な方ほど、最初から
「これは言わなくていいですよね?」「この話、削ったほうがいいですよね?」
と聞いてきます。
でも実は逆です。
削る判断は、全部出し切ったあとでないとできません。
一度すべて出してから削る。これが、構成が強くなる一番の近道です。
ステップ2:「1動画1メッセージ」を決める
素材を出し切ったら、ここで初めて取捨選択に入ります。
基準はシンプルです。
この動画を見終わったあと、視聴者の頭に“ひとつだけ”何が残っていれば成功か?
CINEMATOでは、この問いをかなりしつこく使います。
2つ残したい時点で、構成は崩れ始めます。
- 商品説明もしたい
- 会社紹介もしたい
- ブランディングにも使いたい
この欲張りセットは、ほぼ確実に失敗します。
動画は「伝える量」ではなく、「残る量」で評価されます。
ステップ3:フレームワークに当てはめて“骨子”を作る
メッセージが決まったら、ここで初めてフレームワークを使います。
この時点では、文章はまだ書きません。
- 冒頭:どこで興味をつかむか
- 中盤:何で納得させるか
- 後半:どう行動させるか
このブロック構造を決めるだけです。
今回は、PREP法、CAMS法、A-U-S-T法などの構成のフレームワークをお話していきます。
こういったフレームワークの良い点は、「複雑に流れを考えなくていい」という点です。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
構成案は「文章」より「判断の軸」を書く
構成案に、きれいな文章は必要ありません。
それよりも重要なのは、
- 何を一番削ってはいけないか
- 時間が足りなくなったら、どこを削るか
この2つです。
この判断軸があるだけで、撮影当日や編集段階の意思決定が驚くほど楽になります。
ステップ4:時間配分を決める(ここで一度、現実を見る)
構成の骨子ができたら、次は時間配分です。
ここで、ほぼ全員が一度ショックを受けます。
「……入りきらないですね」
これは正常な反応です。
たとえば3分動画の場合、
- 冒頭のつかみ:5〜10秒
- 課題・共感:30秒
- 価値・解決策:90秒
- まとめ・行動喚起:20〜30秒
この枠に収まらない要素は、その動画では伝えきれないということです。
構成とは、可能性を広げる作業ではなく、覚悟を決める作業でもあります。
ステップ5:シナリオ・絵コンテは「構成の翻訳」
最後に、以下の工程に入ります。
- 言葉に翻訳する(シナリオ)
- 映像に翻訳する(絵コンテ)
ここで初めて、ナレーション、セリフ、テロップ、カット、カメラワークが登場します。
もしこの段階で「なんか違うな」と感じたら、編集を疑う前に構成に戻ることが大切です。
【プロ直伝】動画構成に使えるフレームワーク7選
ここでは、CINEMATOでも活用している動画制作のフレームワークをいくつかお話していきます。
これらは動画の種類に合わせて適切に使用できるととても有効です。
起承転結
【ストーリー重視・ブランディング/ドキュメンタリー】
もっとも有名で、もっとも誤解されやすい構成です。
起承転結は「物語がある動画」向きであって、すべての動画に使える万能型ではありません。
- 企業の想い
- プロジェクトの背景
- 人の感情を動かしたい動画
こうしたケースでは非常に強力です。
ただし注意点もあります。「転」を作れないまま使うと、単なる説明動画になります。
CINEMATOでは、
“転=視聴者の認識が変わる瞬間が作れるか”
を満たせない場合は、起承転結は使いません。
PREP法
【説得力重視・ビジネス/解説動画】
PREP法は、視聴者に短時間で「なるほど」と理解してもらうための、論理型の構成フレームワークです。
情報量が多くなりがちなビジネス動画でも、話の軸がブレにくく、非常に安定感があるフレームワークです。
PREP法は、次の4つのパートで構成されます。
- P (Point) – 結論:最初に、伝えたい結論を端的に示す。
- R (Reason) – 理由:なぜその結論に至るのかを説明する。
- E (Example) – 具体例:事例や実体験で理解を深める。
- P (Point) – 結論:もう一度結論を提示し、印象を定着させる。
この構造により、視聴者は
「何の話か分からないまま説明を聞かされる」
という状態になりません。
SaaSの機能説明、サービス紹介、営業用動画、社内向け解説動画など、
理解の速さと正確さが求められる用途では特に効果的です。
PREP法で特に重視していたいのが、
最初のPoint(結論)の置き方です。
単に、「このサービスは〇〇ができます」と始めるのではなく、
“誰の話なのか”を最初に言い切るようにしています。
たとえば、
- 「この動画は、〇〇の業務に時間を取られている人のための話です」
- 「〇〇で悩んでいる企業担当者に向けた内容です」
といった形です。
これを入れるだけで、
視聴者は無意識のうちに「自分の動画かどうか」を判断でき、
結果として離脱率が大きく下がります。
もしくは、誰に向けた話か言い切らないまでも、視聴者に自分に関係ある話だと捉えてもらうように結論を持ってくることが重要です。
PREP法の注意点は、説得しようとしすぎないことです。
論理が強い分、
- 結論を押し付けてしまう
- 営業トークに聞こえてしまう
というリスクもあります。
そのため、現場で実際に起きている状況や、よくある失敗例などを交え、「分かる」「確かにそうだよね」と思ってもらうことが大事になります。
PREP法は、
感情を大きく動かす構成ではありませんが、
理解・納得・判断をスムーズに進めたい動画においては、
非常に信頼性の高いフレームワークです。
CAMS
【購買意欲重視・商品紹介/プロモーション】
CAMSは、商品・サービスの魅力を短い導線で行動につなげるための、王道かつ実践的な構成フレームです。
特に、LP掲載動画やプロモーション動画、広告動画との相性が良く、「見たあとに何かしらのアクションを起こしてほしい」場面で力を発揮します。
CAMSは、次の4つのパートで構成されます。
- C (Catch) – つかみ:冒頭で視聴者の注意を引き、「自分ごと」だと認識させる。
- A (Appeal) – アピール:商品・サービスの価値を提示し、興味を高める。
- M (Message) – メッセージ:伝えたい核心をシンプルに束ねる。
- S (Suggest) – 行動喚起:次に取ってほしいアクションを示す。
このフレームワークで重要なのは、Appeal(アピール)を“機能説明”で終わらせないことです。
アピールのパートは、次の流れで設計すると有効です。
- なぜそれが必要なのか
- それによって何がどう変わるのか
- その変化の先に、どんな状態が待っているのか
いわゆる「機能 → 変化 → 未来」という順番です。
これにより、視聴者は「すごい商品だ」ではなく、「自分の状況が良くなりそうだ」と感じやすくなります。
また、Suggest(行動喚起)も強く押しすぎないことがポイントです。
「今すぐ購入」「今すぐ問い合わせ」だけで終わらせず、
「まずは資料を見る」「情報として持っておく」といった、心理的ハードルの低い行動を用意することで、結果的に反応率が上がるケースは少なくありません。
CAMSは、短距離で成果を出したい動画に向いたフレームワークと言えます。
AIBAC法
【比較検討・理解促進/納得型プロモーション】
AIBAC法は、CAMSと似た場面で使われることもありますが、思想はまったく異なります。
AIBACは、視聴者を急かすのではなく、感情と理解を段階的に積み上げて行動につなげる構成です。
構成は、次の5ステップです。
- A (Attention) – 注意・気づき:軽い違和感や問題意識を生む。
- I (Interest) – 興味・関心:背景や文脈を伝え、関心を深める。
- B (Benefit) – 便益:商品・サービスによって得られる変化を示す。
- A (Assurance) – 安心・納得:不安や疑問を解消する。
- C (Call to Action) – 行動:無理のない次の一歩を示す。
AIBACの特徴は、Assurance(安心・納得)というパートを明確に持っている点です。
多くの動画では、ベネフィットを語った直後に行動喚起へ進みますが、AIBACでは一度立ち止まります。
- 本当に自分に合うのか
- よくある話ではないか
- 失敗するリスクはないか
こうした視聴者の「でも…」という気持ちを、事例・実績・考え方などで丁寧に解消してから、行動を促します。
そのためAIBACは、BtoBサービスや高単価商材、検討期間が長い商品など、即決されにくい領域と特に相性が良いフレームワークです。
CAMSが「背中を押す構成」だとすれば、
AIBACは「横に並んで納得してもらう構成」と言えます。
A-U-S-T法(オースト法)
【Web動画特化・CV獲得/リード獲得】
こちらは、CINEMATOがデジタル動画の構成において特に推奨しているフレームワークです。
WebやSNS上で「行動してもらう」ことに特化しています。
- A (Attention) – 注意喚起:冒頭でターゲットの「インサイト(潜在意識)」を突く。
- U (Understand) – 理解:詳細や根拠を伝え、論理的に納得させる。
- S (Stimulate) – 動機づけ:ベネフィットを想像させ、さらに「懸念(ボトルネック)」を解消する。
- T (Transition) – 行動誘導:明確な次のアクション(CTA)へ導く。
特徴的なのが、3つ目のStimulate(動機づけ)です。
単に「良い商品です」と言うだけでなく、視聴者が抱く「でも高いんでしょ?」「導入が難しそう」といった“不安(ボトルネック)”を先回りして解消するパートを入れるのが、成果を出す最大のポイントです。
ABCD法
【YouTube広告・短尺広告/SNSショート動画】
ABCD法は、YouTube広告やSNSの短尺動画など、
冒頭数秒で勝負が決まる動画に向けた構成フレームワークです。
特に、以下の条件下で、「何を最低限残すべきか」を整理するために使われます。
- スキップされる可能性がある広告
- 音なし再生が前提のSNS動画
- 一瞬で次の動画に流される環境
ABCD法は、次の4つのパートで構成されます。
- A (Attention) – 注意喚起:最初の数秒で視聴者の動きを止める。
- B (Brand) – ブランド:誰の動画なのかを明確に認識させる。
- C (Connect) – 関連づけ:視聴者自身との関係性をつくる。
- D (Direction) – 行動指示:次に何をすればいいかを示す。
ABCD法の大きな特徴は、
Brand(ブランド)を冒頭から隠さないことです。
一般的な動画構成では、
「まず惹きつけて、最後にブランドを出す」
という考え方が主流でした。
しかし短尺広告では、最後まで見てもらえる保証はありません。
そのためABCD法では、Attentionとほぼ同時に、ブランド名や商品名を認識させる設計を取ります。
ABCD法を「広告用フレームワーク」としてだけでなく、
SNSショート動画の構成チェックリストとしても使えます。
具体的には、構成案を見ながら次の4点を確認します。
- A:本当に指が止まる冒頭になっているか?
- B:ブランド名やサービス名は記憶に残るか?
- C:視聴者が「自分の話だ」と感じられるか?
- D:次に何をすればいいか、迷わないか?
このチェックを通すだけで、
「なんとなく作ったショート動画」と
「目的を果たすショート動画」の差がはっきり出ます。
ABCD法は、感情を深く動かす構成ではありません。
しかし、認知・記憶・次の一歩を残すという点では、非常に合理的です。
短尺動画や広告では、「すべてを伝える」ことよりも、
「最低限、何を残すか」を決めることが重要です。
ABCD法は、その判断軸を与えてくれるフレームワークだと言えます。
【番外編】ショート動画専用:SCB構成
【SNS・縦型動画】
CINEMATOがショート動画で提唱している勝ちパターンです。
短い時間で「自分に関係がある」と思わせるために特化しています。
- S (Situation) – シチュエーション:「こういうこと、ありませんか?」という“あるある”や悩みで共感を生む。
- C (Category) – カテゴリー:「これは何のジャンルの話か(例:採用管理、経費精算)」を明確にし、視聴者の脳内を整理させる。
- B (Benefit) – ベネフィット:機能説明ではなく、それを使ったあとの「良い未来」を提示する。
特に大事なのは、C(カテゴリー)を早く出すことです。
「何の話か分からない」状態が1秒でも続くと、人はすぐにスワイプしてしまいます。
【比較】あなたの動画に合う構成はどれ?
現場でよくあるのは、「とりあえずPREPでいきましょう」という判断です。
それが悪いわけではありませんが、目的とズレたフレームワークを選ぶと、構成が“ちぐはぐ”になります。
まずは以下を明確にしましょう。
- 感情を動かしたいのか
- 理解させたいのか
- 行動させたいのか
その上でフレームワークを決めます。
構成に迷ったら、「この動画で一番起こしたい変化は何か?」に立ち返ってみてください。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
フレームワークは「混ぜない」
複数のフレームワークを無理に組み合わせると、動画の軸がブレます。
基本は1動画=1フレームワーク。
どうしても混ぜるなら、「骨子は1つ、補助的に使う」が鉄則です。
動画構成の質を上げる3つのコツと注意点
構成の基本を押さえても、「なぜか成果につながらない動画」になることがあります。
その差は、細かいようでいて、実は決定的なポイントにあります。
CINEMATOの現場でも、特に重要視している3つを紹介します。
1. 冒頭3秒の「アテンション」に全力を注ぐ
これは何度でも言いますが、動画は冒頭3秒で8割が決まります。
編集やBGMではなく、構成段階で“何を最初に見せるか”を決めているかが重要です。
よくある失敗は、
- 会社ロゴから始まる
- きれいなドローン映像から入る
- ナレーションで丁寧に背景説明をする
どれも悪くはありません。でも、今の視聴者は待ってくれません。
動画の種類にも寄りますが、例えば、冒頭で以下のような内容を入れます。
- 「それ、実は失敗します」などの問題提起
- 視聴者の悩みをそのまま言語化
- 結論や変化を先に見せる
「続きが気になる状態」を構成で作れないと、編集で取り返すのはほぼ不可能です。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
冒頭は“説明”ではなく“問い”から始める
説明は、理解させる行為です。
問いは、考えさせる行為です。
考え始めた瞬間、人は動画を止めます。
この心理を、構成段階で意識しています。
2. 詰め込みすぎない「余白」と「テンポ」
動画の構成を真面目に作る人ほど、「伝えたいことを全部入れたくなる」傾向があります。
でも、情報量が多い動画ほど、実は何も残らないということがよく起きます。
そこでこういう考え方をするのも大切です。
「ここ、1カット分“何も言わない時間”を作れないか?」
- 一呼吸置く
- 表情だけを見せる
- BGMだけ流す
こうした余白があることで、視聴者の理解と感情が追いつきます。
テンポを上げる=早口・カット割り多め、ではありません。
理解のテンポを整えるのが、構成の役割です。
3. 必ず「第三者の目」を一度通す
構成は、作れば作るほど主観的になります。これは経験年数に関係ありません。
構成案ができたら必ず以下のような人に見てもらいましょう。
- その動画制作に直接関わっていないメンバー
- あえて動画に詳しくない人
そして、そのときに聞くのは、たった2つです。
- 「何の動画だと思ったか?」
- 「見終わったあと、何をすればいいと思ったか?」
この答えがズレていたら、構成はまだ完成していません。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
「分かりにくい」は編集の問題ではない
「ここ、ちょっと分かりにくいですね」と言われたとき、編集やテロップを直そうとしがちです。
でも大半は、構成の順番か、前提の置き方が原因です。
編集で直そうとせず、一度構成に戻る。
これが、遠回りに見えて一番早い改善方法です。
動画構成は自作すべき?外注すべき?
動画制作の相談で、かなり多いのがこの悩みです。
「構成って、自分たちで作るべきですか?」
「どこから動画制作会社に任せるのが正解なんでしょうか?」
結論から言うと、動画の目的と“失敗できない度合い”で決めるのが一番合理的です。
自社で構成を作るのに向いているケース
まず、インハウス(自社)で構成を作りやすいのは、次のような動画です。
- SNS用のショート動画
- 社内向けマニュアル・研修動画
- 更新頻度が高く、スピードを重視したい動画
- 多少のクオリティ差より、量が重要なコンテンツ
これらの動画は、「100点を狙う」よりも「60〜70点を安定して出す」ことの方が価値があります。
社内に、以下の条件が揃っていれば、構成は自社で作った方が速く、柔軟です。
- 商品やサービスの知識がある
- ターゲット像が明確
- 修正をすぐ回せる体制がある
CINEMATOでも、SNS用動画は「構成→撮影→編集→公開」までを短いサイクルで回すことが多く、この場合は完璧な構成よりも“回しながら磨く”設計をします。
プロ(動画制作会社)に構成から任せるべきケース
一方で、構成からプロに任せた方がいい動画も、はっきり存在します。
- 企業ブランディング動画
- 採用のメインムービー
- 大型プロモーションや展示会のキービジュアル動画
- 成果が売上・評価に直結する動画
これらの動画に共通するのは、「あとから修正が効きにくい」という点です。
この場合、構成の段階で、以下が入るかどうかで、完成度が大きく変わります。
- 第三者視点でのストーリー設計
- 視聴者心理を踏まえた情報の出し順
- 企業の“当たり前”を疑う視点
社内だけで考えた構成は、どうしても“内向き”になります。
CINEMATOが構成から入る案件では、
「それ、初見の人は分からないと思います」
「ここ、思っているほど魅力が伝わっていません」
と、あえて言いにくいことを言います。
これが、外注する最大の価値です。
判断に迷ったときのシンプルな基準
どうしても迷ったら、次の質問を自分にしてみてください。
- この動画、失敗したら取り返しがつくか?
- 初見の人に誤解されたら致命的か?
- 社内だけの視点で判断していないか?
「少しでも不安がある」なら、構成段階だけでも外部の視点を入れる価値は十分あります。
そのまま使える動画構成・企画書テンプレート
「構成が大事なのは分かったけど、結局、何から書けばいいのか分からない」
これは本当によく聞きます。
そこで、ここでは、ExcelやGoogleスプレッドシート、あるいは紙ベースでも使える構成テンプレートの考え方を紹介します。
動画構成テンプレートの基本項目
最低限、以下の項目があれば十分です。むしろ、これ以上増やさない方が続きます。
- パート番号(冒頭/中盤/まとめ など)
- 想定時間(秒数)
- このパートの目的
- 伝える内容(箇条書き)
- ナレーション/話す内容(ラフでOK)
- 映像イメージ(実写/図解/アニメーション など)
- 補足・注意点
この時点では、文章の上手さは一切気にしなくて大丈夫です。
大事なのは、「流れ」と「意図」が見えること。
テンプレートを使うときの正しい順番
構成テンプレートで失敗しやすいのが、いきなりナレーションから埋め始めてしまうことです。
必ず以下の順番で進めましょう。
- パート番号と目的だけを書く
- 全体の流れを俯瞰する
- 問題なければ内容を肉付けする
- 最後にナレーションを考える
特に重要なのが、②の俯瞰です。
「これ、同じこと言ってない?」「ここ、前後逆の方が分かりやすくない?」
こうしたズレは、文章を書き始める前に気づくべきです。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
テンプレートは“完成させるため”ではなく“迷わないため”のもの
テンプレートをきれいに埋めることが目的になると、構成は一気に固くなります。
「ここ、まだ決めきれない」「仮でいいから置いておく」
この余白を許容できるテンプレートこそ、現場で使えるテンプレートです。
作成した構成を「資産」として残す
構成テンプレートの本当の価値は、使い回せることではなく、積み上がることにあります。
- 再生維持率が高かった構成
- 問い合わせにつながった流れ
- 途中離脱が多かったパート
これらを構成案と一緒に残しておくと、次に動画を作るときの精度が一段上がります。
CINEMATOでも、「この構成、過去に反応良かったよね」という会話が、自然に出てくる状態を作っています。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
構成案は“共有資料”として作る
構成案は、自分のメモではありません。
関わる全員の共通言語です。
- 社内担当者
- 制作会社
- カメラマン
- 編集スタッフ
この全員が同じイメージを持てるか?
それを基準に、構成案の粒度を決めています。
動画制作の構成に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、動画制作の打ち合わせや構成レビューの場で、実際に何度も出てくる質問をまとめました。
ネット記事ではあまり書かれない、現場でのリアルな感覚もあわせて解説します。
Q. 動画の構成作成には、どれくらい時間をかけるべきですか?
動画の種類にもよりますが、CINEMATOの感覚では以下が目安です。
- SNSのショート動画:30分〜1時間
- 商品紹介・サービス説明動画:2〜4時間
- ブランディング・ストーリー動画:半日〜1日
「構成にそんなに時間かけるの?」と驚かれることもありますが、構成にかけた時間は、あとで必ず回収できます。
実際、構成が甘いまま撮影に入ると、撮影現場での迷い、編集での作り直し、関係者間の認識ズレが一気に増えます。
Q. 1カットの長さには決まりがありますか?
絶対的な正解はありませんが、構成を考えるうえでの目安はあります。
- SNSショート動画:1〜3秒
- YouTube・解説動画:3〜5秒
- インタビュー・ストーリー動画:5〜7秒
ただし、これはあくまで目安です。
本当に大事なのは、視聴者が「長い」と感じるかどうか。
構成段階で、「ここは少し間を取った方がいい」「ここはテンポを上げたい」と決めておくと、編集で迷いません。
Q. 構成案の段階で、修正は何回くらいすべきですか?
CINEMATOでは、構成段階で2〜3回のブラッシュアップを前提にしています。
1回で完璧になることは、ほぼありません。
むしろ、
- 一晩置いて見直す
- 第三者に見せる
- 声に出して読んでみる
このプロセスを経ることで、「ここ、分かりにくいな」「この流れ、ちょっと重いな」という違和感が見えてきます。
💡CINEMATOワンポイントアドバイス
修正は“構成段階”でやるのが一番安い
構成 → シナリオ → 絵コンテ → 撮影 → 編集
この工程が進むほど、修正コストは跳ね上がります。
構成案の修正は、時間もコストも、精神的な負担も最小限。
「まだ構成だから大丈夫」
この段階で遠慮なく直すことが、結果的に全員を楽にします。
Q. フレームワークは必ず使った方がいいですか?
結論から言うと、迷うなら使った方がいいです。
フレームワークは、動画を型にはめるためのものではありません。
- 話が脱線していないか
- 順番が破綻していないか
- 視聴者目線になっているか
これを確認するための“ガードレール”です。
慣れてくると、「結果的にPREPっぽい構成になっていた」という状態になります。
Q. 構成段階で、どこまで細かく決めるべきですか?
これは動画の性質によりますが、基本的な考え方はシンプルです。
- 成果がシビアな動画 → かなり細かく
- スピード重視の動画 → 大枠だけ
ブランディング動画や広告動画では、構成段階で「どの言葉を使うか」まで詰めます。
一方で、SNS動画や社内動画では、構成は骨子だけ、現場で調整する余白を残します。
まとめ:構成力こそが動画の成果を左右する
動画制作というと、どうしてもカメラや照明、編集ソフト、演出テクニックといった「目に見える要素」に意識が向きがちです。
しかし、CINEMATOがこれまで数多くの現場に立ち会ってきて、毎回はっきり感じるのは、
動画の成果は撮影前、もっと言えば構成の段階でほぼ決まっている
という事実です。
構成が曖昧なまま進めた動画は、撮影当日に迷いが生まれ、編集で無理やりつなぎ、最終的に「何を伝えたいのか分からない動画」になりがちです。
一方で、構成が整理されている動画は違います。
- 誰に向けた動画なのか
- 何を一番伝えるのか
- どこで興味を引き
- どう行動してもらうのか
これが明確なので、撮影も編集もスムーズに進み、結果として視聴者にしっかり届く動画になります。
\CINEMATOへのお問い合わせはこちら/