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動画制作ヒアリングシートの書き方のコツは?基本項目とテンプレートも公開
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「完成した動画を見て、正直ちょっと違和感があった」
「修正を重ねるうちに、当初の目的が分からなくなった」
「気づけば、見積もりよりコストもスケジュールも膨らんでいた」——。

動画制作を外注した経験がある方なら、こうした“ズレ”に心当たりがあるかもしれません。私たちCINEMATOも、これまで数多くの動画制作プロジェクトに関わる中で、同じような相談を何度も受けてきました。

ただ、はっきり言えるのは、こうした動画制作上のトラブルの多くは「動画制作会社の技術不足」や「編集クオリティの問題」ではありません。原因の大半は、依頼段階での情報整理不足と、認識のすれ違いにあります。

動画は、文章や資料と比べて圧倒的に情報量が多い表現手法です。演出、テンポ、音(BGM・ナレーション)、デザイン、尺、シーン構成…。しかも「かっこいい」「おしゃれ」「信頼感がある」といった言葉は、人によって意味がまったく違います。

だからこそ、最初に動画制作会社と“共通言語”を持てているかどうかで、動画制作プロジェクトの成否はほぼ決まると言っても過言ではありません。その共通言語の役割を果たすのが、動画制作ヒアリングシートです。

私たちCINEMATOは、『良い商品なのに魅力が伝わっていない』というもどかしさを解消したり、複雑なサービスを、誰が見ても“一瞬でわかる”形にすることに尽力していますが、ヒアリングシートは、それを実現するための重要な初期工程です。

ヒアリングシートは単なる記入用のシートではありません。企業のVISION(目指す姿)や、CONCEPT(本当に伝えたい価値)を言語化し、完成イメージを揃え、見積の精度を高め、社内外の認識を一本に束ねるための“動画制作の設計図”です。

実際、ヒアリングシートがしっかり整理されている動画制作プロジェクトほど、以下の傾向が明確にあります。

  • 制作進行がスムーズ
  • 動画の修正回数が少ない
  • 成果(KPI)につながりやすい

本記事では、コンサルティングファーム出身のプロデューサーが、現場で実際に確認しているヒアリングシートの必須項目(5W1H)を、記入例つきで解説します。さらに、「形容詞ではなく参考URLで伝える」「予算は正直に書いた方が、結果的に得をする」など、動画制作の現場で本当に効く書き方のコツも包み隠さず紹介します。

記事の後半では、すぐに使える実務直結型のヒアリングシートのテンプレートも用意しています。「動画制作をスムーズに進めたい」「動画制作会社とのズレをなくしたい」「動画を作るだけで終わらせず、ビジネスの成果につなげたい」そんな方は、まずこのヒアリングシートから、一緒に整えていきましょう。

なぜ重要?動画制作においてヒアリングシートが果たす3つの役割

動画制作ヒアリングシートは、「とりあえず書く資料」でも、「制作会社に言われたから提出する書類」でもありません。私たちが動画制作の現場で強く感じているのは、このシートの完成度が、そのままプロジェクトの完成度に直結するという事実です。

どれだけ実績のある動画制作会社でも、どれだけ優秀なディレクターや編集者が入っても、ヒアリング段階で“認識の土台”がズレていると、動画は必ず迷走します。ここでは、CINEMATOが数多くのプロジェクトを通じて実感してきた、ヒアリングシートが果たす本質的な3つの役割を、制作現場の視点から解説します。

動画制作会社との「完成イメージのズレ」をなくす共通言語

動画制作で最も多いトラブルが、「方向性は合っているはずなのに、なぜか違和感が残る」というケースです。原因を深掘りすると、ほぼ間違いなくここに行き着きます。動画の完成イメージが“言葉レベル”でしか共有されていないのです。

たとえば、以下のような表現。

  • 信頼感のある動画
  • スタイリッシュなムービー
  • 先進的な印象の動画

これらは一見分かりやすい表現ですが、クライアントと動画制作会社で、頭に浮かんでいる映像はまったく別物であることがほとんどです。

ヒアリングシートでは、以下の要素をできる限り具体的に言語化・可視化します。

  • どんなトーンなのか(落ち着き/勢い/温度感)
  • 実写か、アニメーションか、グラフィック中心か
  • どんなシーン構成を想定しているのか

CINEMATOでは、動画制作とは、ただ動画を作るのではなく、ビジネスの成果(売上・採用など)につなげることが重要だと考えています。参考動画のURLや、「この動画のどの要素が近いのか」をヒアリングシートに落とし込むことで、動画制作会社と「同じ世界観」を見ながら走れる状態が生まれます。結果として、試写段階での“致命的なズレ”が激減します。

動画の見積もりの精度を高め、後出しの追加費用を防ぐ

「動画制作の費用が分かりにくい」と感じたことはありませんか?その理由はシンプルで、最初の要件が曖昧なまま見積もりが作られているからです。

動画制作のコストは、以下の要素の組み合わせで決まります。

  • 撮影日数
  • 出演者の有無
  • アニメーションやCGの量
  • ナレーション・音源の扱い
  • 尺(長さ)

ヒアリングシートが曖昧な場合、動画制作会社は「後から要望が増えるかもしれない」「想定外の修正が入るかもしれない」というリスクを考慮し、どうしてもバッファ(予備費)を含めた見積になりがちです。

一方で、「必要な工程」「不要な工程」「どこまでがマストで、どこからがオプションか」がヒアリングシートで整理されていれば、動画制作会社は根拠のある、適正な見積を出しやすくなります。結果的に、「なぜこの金額なのか分からない」「途中で追加費用が発生した」といったトラブルを未然に防ぐことができます。

社内の意見を統一し、修正地獄(手戻り)を回避する

動画制作の現場で本当に多いのが、次のようなケースです。

  • 制作途中で、上司から全く違う意見が出る
  • 部署ごとに動画の目的が違っている
  • 社内確認のたびに方向性が揺れる

これは動画制作会社の問題ではなく、社内で「Why(目的)」と「Who(ターゲット)」の合意が取れていない状態で進んでしまっていることが原因です。

ヒアリングシートは、動画制作会社に渡す資料であると同時に、社内で意思統一を図るためのドキュメントでもあります。「なぜこの動画を作るのか」「誰に向けた動画なのか」「何を一番伝えたいのか」。これを事前に整理し、関係者と共有しておくだけで、「言った・言わない」のズレや、後出し修正は驚くほど減ります。

特に、経営層や他部署を巻き込むプロジェクトでは、ヒアリングシートがプロジェクト全体の“コンパス(羅針盤)”として機能します。

【テンプレート項目】動画制作ヒアリングシートに書くべき必須要素(5W1H)

ここからは、動画制作ヒアリングシートの中核となる項目を解説します。私たちCINEMATOのプロデューサーがヒアリングで最も重視しているのは、「動画の表現」そのものよりも、その手前にある思考が整理されているかという点です。

打ち合わせの場で、「どんな動画にしたいですか?」と聞いた時に、戸惑ってしまう企業も少なくありません。それは、答えがないのではなく、頭の中で整理されていないだけなのです。そこで役立つのが、5W1Hというフレームワークです。これは動画制作に限らず、マーケティングやコンサルティングの現場でも使われている、非常に再現性の高い整理方法です。

ここが整理されているだけで、企画の解像度、見積の正確さ、制作進行のスムーズさが一段階引き上がり、結果として「成果につながる動画」が生まれやすくなります。

「すべてを完璧に書く必要はありません」。まずは書けるところからで大丈夫です。空欄は、キックオフの打ち合わせで一緒に詰めていく前提で問題ありません。

Why(背景・目的):なぜ動画を作るのか?

最初に、そして最も重要なのがこの項目です。ここが曖昧なまま進むと、どれだけ映像が美しくても、ビジネスに貢献しない動画になってしまいます。

先ほども言いましたが、CINEMATOでは、動画制作や動画マーケティングを『良い商品なのに魅力が伝わっていない』というもどかしさを解消するための施策と捉えています。そのため、ヒアリングシートでは次のような視点で整理します。

現状の課題(Pain)

なぜ今、動画が必要なのか。どこで伝わっていないのか。

  • 例:技術力はあるが、専門的すぎて顧客に伝わっていない
  • 例:サービスの機能が多く、一言で説明できない
  • 例:採用ページはあるが、カルチャーが伝わらずミスマッチが起きている

動画制作のゴール(Goal)

何が達成できたら、この動画制作は「成功」と言えるのか。

  • 例:展示会で足を止めてもらい、名刺獲得数を増やしたい
  • 例:YouTube経由での指名検索数を増やしたい
  • 例:商談時の説明工数を減らしたい

「なぜこの動画が必要なのか」を言語化できるほど、制作会社は“映像屋”ではなく、ビジネスパートナーとして動きやすくなります。

Who(ターゲット):誰に届けたいのか?

動画の成果を最も左右するのがターゲット設定です。ここがぼやけると、構成も、演出も、ナレーションのトーンも定まりません。最低限、ヒアリングシートでは以下は整理しておきましょう。

  • 性別・年齢・職業・居住地
  • BtoBかBtoCか
  • 新規顧客か既存顧客か

CINEMATOでは、さらに一歩踏み込んで、「その人は、どんな状況でこの動画を見るのか?」まで考えることを推奨しています。

  • 例:忙しい業務の合間に、スマホで流し見している
  • 例:上司に説明する材料を探して、PCでじっくり見ている
  • 例:展示会の騒がしい会場で、音なしで視聴している

この視点があるだけで、尺の長さ、テロップ量、映像テンポが自然と決まってきます。

What(メッセージ):何を伝えたいのか?

ここでは、「ざっくり何を伝えたいか」ではなく、「何を一番伝えるか」を決める意識が重要です。動画は、情報を詰め込みすぎると、逆に何も残りません。ヒアリングシートでは、次の点を整理します。

  • 商品・サービスの強み(USP):競合と比べて、何が決定的に違うのか
  • 視聴後に起こしてほしい行動(CTA):例)サービス名で検索してほしい、資料請求をしてほしい、問い合わせフォームに進んでほしい

「この動画を見た人に、最終的に何をしてほしいのか」。ここが明確になるほど、構成も演出もブレなくなります。

Where(媒体):どこで配信・活用するのか?

動画は、配信される場所によって“正解”がまったく変わります。ヒアリングシートでは、活用シーンを具体的に書きましょう。

  • Webサイト(トップページ、LP)
  • YouTube(広告用、チャンネル運用)
  • SNS(Instagram、TikTok、X)
  • オフライン(展示会、営業資料、サイネージ)

CINEMATOでは、「1本作って終わり」ではなく、1本をどう展開して使い切るかまで含めて設計することが心掛けています。

How(表現・トーン):どんな動画にしたいか?

ここは感覚的になりやすい項目です。だからこそ、できるだけ具体的に書くことが重要です。

  • 実写か、アニメーションか
  • グラフィックやCGの有無
  • トーン(信頼感/ポップ/先進的/エモーショナル)
  • 音のイメージ(BGM、ナレーション)

抽象的な言葉だけでなく、参考動画のURL+「どこが参考か」を添えると、制作したい動画の認識が一気に揃います。

When(納期):いつまでに必要なのか?

動画制作は、意外と工程が多く、時間がかかります。ヒアリングシートでは、次の点を明確にしましょう。

  • 最終納品日(完パケ)
  • 初回試写の希望日
  • 使用開始日(ローンチ日)

展示会や広告配信など、絶対に動かせない日程がある場合は、必ず記載してください。

How Much(予算):いくらかけられるか?

最後が予算です。書きにくい項目ですが、正直に書いたほうが、結果的に満足度は高くなります。

  • 上限予算
  • または、30〜50万円/100〜200万円といったレンジ

予算感が共有されていれば、動画制作会社は「その中で何がベストか」を本気で考えることができます。

プロ直伝!動画制作ヒアリングシート「書き方」のコツと具体例

ここまでで、ヒアリングシートに何を書くべきか(5W1H)は整理できました。ただ、動画制作の現場にいると、こんな状態のシートに出会うことが少なくありません。

  • 項目は埋まっているのに、完成イメージが浮かばない
  • 打ち合わせをしても、話が何度も同じところを行き来する
  • 提案を見て「方向性は近いけど、何かが違う」と感じる

原因はシンプルです。項目は合っているが、「書き方」が現場向きになっていないのです。ここでは、CINEMATOが実際の制作現場で「これはうまくいった」「これは失敗した」と感じた事例をもとに、本当に伝わるヒアリングシートの書き方を紹介します。

イメージ共有には「形容詞」ではなく「参考動画URL」を使う

これは、現場で最も強く感じるポイントです。「かっこいい」「スタイリッシュ」「信頼感がある」と書かれていても、正直なところ、制作側はかなり困ります。

【悪い例】
かっこいい動画、おしゃれなムービー、信頼感のある映像

これらの言葉は間違っていません。ただし、判断基準が人によって違いすぎるのが問題です。

【良い例】

  • 参考動画URL(YouTubeなど)
  • 「この動画のテンポ感が近い」
  • 「テロップの出し方はこの動画が好み」
  • 「BGMはこの動画のように、少し抑えめがいい」

ポイントは、「全部同じにしてほしい」ではなく、どの要素が参考なのかを言葉で補足することです。この一手間があるだけで、動画制作会社は“当てにいく提案”ではなく、狙いにいく設計ができるようになります。

予算は「隠す」より「正直に書いた方が」結果は良くなる

「予算を書いたら、その金額ギリギリで見積もられそう」。そう思われる気持ちはよく分かります。ただ、現場の実感としては逆です。

予算が分からない場合、制作会社は「撮影あり/なし」「ナレーションあり/なし」「アニメーションの作り込み」を判断できず、無難で保守的な提案になりがちです。

一方で、「上限は100万円」「できれば70万円前後に収めたい」といった形で書いてもらえると、その中で「何を削り、何を残すか」を本気で考えられます。結果的に、「不要な工程が減る」「目的に直結する部分に予算を集中できる」という、満足度の高い動画になりやすいのです。

ターゲットは「属性」ではなく「状況」まで書く

「ターゲット:30代男性、BtoB」。これは決して間違いではありませんが、制作現場ではまだ足りないと感じます。もう一歩踏み込んでほしいのが、その人が、どんな状況で動画を見るのかという視点です。

【悪い例】
30代男性、製造業

【良い例】

  • 30代男性、地方の中堅製造業
  • 生産管理担当
  • 人手不足で現場が回っていない
  • 新しい設備導入に興味はあるが、失敗したくない

ここまで書いてもらえると、「冒頭でどんな『あるある』を入れるか」「ナレーションは強めか、寄り添うか」「数値訴求とストーリー、どちらを前に出すか」といった判断が、一気に具体化します。

優先順位(マスト/ウォント)を書くと、修正が激減する

動画制作では、必ずどこかで「尺が足りない」「予算オーバー」「情報が多すぎる」という壁にぶつかります。そのときに効くのが、優先順位の明記です。ヒアリングシートには、ぜひこう書いてください。

  • マスト要件:絶対に伝えたいポイント、必ず入れたいシーンや要素
  • ウォント要件:できれば入れたい演出、余裕があれば追加したい要素

この整理があると、「削る=価値が下がる」ではなく、「何を守るか」を軸に調整できます。結果として、修正回数も、社内での揉め事も、確実に減ります。

見落とし厳禁!ヒアリングシート提出前の「社内事前準備」

ヒアリングシートの内容がどれだけ丁寧でも、社内の準備が甘いまま動画の制作に入ると、ほぼ確実にどこかで詰まります。これは制作会社側の立場から見ると、とても分かりやすい兆候があります。それは——「シートは埋まっているのに、決めきれていない項目が多いプロジェクト」です。

ここでは、CINEMATOが現場で実際に感じている「これを事前に整理してもらえると、プロジェクトが一気に楽になる」ポイントを正直にお伝えします。

動画の使用用途と納品形式(スペック)を先に決めておく

意外に多いのが、制作が進んでから「この動画、縦型でも必要でした」「展示会でも使うので、ループ再生にしたいです」と要件が増えるケースです。動画は、用途が変わると設計そのものが変わります。

ヒアリングシート提出前に、最低限以下は社内で確認しておきましょう。

  • 使用媒体:Webサイト(トップ/LP)、YouTube(広告/チャンネル)、SNS(Instagram/TikTok/X)、展示会・営業資料・サイネージ
  • アスペクト比:横型(16:9)、縦型(9:16)、正方形(1:1)
  • 尺(長さ):広告規定による上限、展示会用の推奨尺

この整理ができているだけで、動画制作会社は「あとから作り直す前提」ではなく、最初から最適な構成で設計できます。

自社で用意できる素材(リソース)を棚卸ししておく

「素材は、必要なら全部撮影してください」。もちろん、それでも動画制作は可能です。ただ、現場感としては、使える素材が少しでもあるプロジェクトのほうが、圧倒的に進行がスムーズです。

ヒアリングシートを出す前に、次を確認しておきましょう。

  • ロゴデータ:AI形式があるか、PNGのみか
  • 商品画像・サービス資料
  • 過去の撮影素材・動画データ
  • 撮影場所:自社オフィス、工場・店舗、使用可否・撮影制限
  • 出演者:社員出演の可否、キャスト手配が必要か

「これは使える/これは新規で必要」を分けておくだけで、見積の精度も、スケジュールの現実性も一気に上がります。

権利関係・ガイドラインは「最初に全部出す」

制作途中で一番つらいのが、完成間近でNGが出ることです。「この色はブランド的に使えない」「この言い回しは法務チェックでNG」「競合比較は避けてほしい」。これらは、後出しになるほどダメージが大きくなります。

ヒアリングシート提出前に、必ず確認してください。

  • ブランドガイドライン:使用可能な色、フォント指定、ロゴの扱い
  • 表現上の制限:NGワード、比較表現の可否
  • 音源・ナレーション:商用利用の可否、社内指定の有無

動画制作会社は制限がある前提で、最適解を探すプロです。だからこそ、「制限は後から」ではなく、「最初に全部」共有することが重要です。

社内の最終意思決定者を明確にしておく

これは、動画制作会社として声を大にして言いたいポイントです。「誰が最終判断をするのか」「誰のOKが出たら進めていいのか」。これが曖昧なまま進むと、「一度OKが出たのに、後から覆る」という事態が高確率で起こります。

ヒアリングシートに、「社内の決裁フロー」「確認者の人数」まで書いてもらえると、制作側は修正前提ではなく、一発で決めにいく設計ができます。

ヒアリングシート提出から納品までの動画制作フロー

ヒアリングシートを書き終えたあと、多くのクライアントが感じるのが、こんな不安です。

  • 「このあと、何がどの順番で進むのか分からない」
  • 「いつ頃、何を判断すればいいのか見えない」
  • 「制作会社に丸投げして大丈夫なのか少し不安」

これは当然の感覚です。動画制作は専門性が高く、プロセスが見えにくいからこそ、不安が生まれやすいのです。ここでは、CINEMATOが実際に行っている進行をベースに、ヒアリングシート提出後から納品までの流れを、クライアント目線で解説します。

STEP1:ヒアリングシート送付・打ち合わせ(キックオフ)

まずは、完成したヒアリングシートを動画制作会社へ送付し、オンラインまたは対面でのキックオフミーティングを行います。この場で大切なのは、「ヒアリングシートに書いた内容を説明すること」ではありません。

本当に重要なのは、「なぜこの動画を作るのか」「どこが一番の課題なのか」「成功したと言える状態はどこか」といった背景や温度感を共有することです。ヒアリングシートがしっかり整理されていれば、打ち合わせは「情報共有」ではなく、認識を深める対話に変わります。

STEP2:企画構成案・見積書の提出

キックオフ後、制作会社から「企画構成案」と「見積書」が提出されます。この段階で注目してほしいのは、「映像がかっこいいか」ではありません。

見るべきポイントは、「Why(目的)に立ち返った構成になっているか」「ターゲットの行動を想定した流れになっているか」「ヒアリングシートの内容が、ちゃんと反映されているか」です。もし違和感がある場合は、「好みが違う」ではなく、「目的とのズレ」としてフィードバックするのがコツです。

STEP3:発注・プリプロダクション(詳細詰め)

企画と見積に合意すると、正式発注となり、制作はプリプロダクション(事前準備)フェーズに入ります。

ここでは、「台本・ナレーション原稿」「シーン構成」「撮影スケジュール」「ロケーション・出演者」といった、動画の骨組みを固めていきます。この段階でどこまで詰められるかが、後半の修正回数を大きく左右します。「まだ早いかな?」と思うくらいが、ちょうど良いタイミングです。

STEP4:撮影・制作・編集

ここから、実際の制作フェーズに入ります。実写撮影、アニメーション・グラフィック制作、編集・音調整を行います。

動画制作会社によっては、ラフ(仮編集)段階で一度共有されることもあります。このタイミングでのフィードバックは、「細かい好み」よりも、方向性が合っているかどうかに集中するのがおすすめです。

STEP5:試写・修正・納品

完成動画を確認し、必要に応じて修正を行います。ここで重要なのが、社内の意見をまとめたうえで、まとめてフィードバックすることです。

「人によって言うことが違う」「修正が小出しに来る」。この状態は、制作会社にとっても、クライアントにとっても消耗します。ヒアリングシートがしっかりしているプロジェクトほど、修正は最小限で、納品までが非常にスムーズです。

動画制作ヒアリングシート テンプレート(記入例つき)

ここまで読んでいただいた方の多くは、「考え方は理解できた。じゃあ、実際には何を書けばいい?」という状態だと思います。そこでこの章では、CINEMATOが実際のプロジェクトでベースとして使っている構成をもとにした“そのまま使えるヒアリングシートテンプレート”を紹介します。

※完璧に埋める必要はありません
※未定・相談事項があってもOKです
※「この項目があるだけで、打ち合わせが一気に楽になる」ものだけを厳選しています

【基本情報】

  • 会社名/部署名
  • 担当者名
  • 連絡先
  • 制作依頼の背景(簡単でOK)
    例:新サービスの立ち上げに伴い、Webサイトと展示会で使用する動画を検討している

【Why|目的・背景】

  • 今回、動画を作ろうと思った理由
  • 現在感じている課題
  • 動画で達成したいゴール(KGI/KPI)
    記入例:サービス内容が複雑で、営業が毎回説明に時間を取られている
    → 動画で概要を伝え、商談をスムーズにしたい
    → 問い合わせ後の商談化率を上げたい

【Who|ターゲット】

  • 想定している視聴者
  • BtoB/BtoC
  • 新規/既存
  • どんな状況でこの動画を見るか
    記入例:30代〜40代の製造業の設備導入担当者。展示会やWebで初めてサービスを知るケースが多い。忙しく、細かい説明は避けたいと感じている

【What|伝えたいメッセージ】

  • 一番伝えたいこと(1つに絞る)
  • 商品・サービスの強み
  • 競合との違い
  • 視聴後に取ってほしい行動
    記入例:「初めてでも失敗しない導入支援」が強み。まずは資料請求につなげたい

【Where|活用媒体】

  • 使用予定の媒体
  • 想定シーン(Web/SNS/展示会/営業資料 など)
    記入例:Webサイトのトップページ、展示会ブースでのループ再生、営業資料として商談時にも使用

【How|表現・トーン】

  • 実写/アニメーション/グラフィック
  • 雰囲気・トーン
  • ナレーションの有無
  • 参考動画URL(あれば)
    記入例:実写+グラフィック。落ち着いていて信頼感のあるトーン。
    参考URL:https://www.youtube.com/xxxx (※テンポ感とテロップ表現が近い)

【When|スケジュール】

  • 希望納期(完パケ)
  • 使用開始日
  • 絶対に動かせない日程
    記入例:〇月〇日の展示会までに使用開始したい、遅くとも〇月〇日には初稿確認を希望

【How Much|予算】

  • 上限予算
  • 目安レンジ
  • 予算未確定の場合はその旨
    記入例:70〜100万円程度。内容次第で調整可能

【マスト要件/ウォント要件】

  • 絶対に外せない要素
  • できれば入れたい要素
    記入例:マスト:サービス概要・導線説明/ウォント:アニメーション演出、BGMの作り込み

【備考・相談事項】

  • 未定事項
  • 制作会社に相談したいこと
  • 懸念点
    記入例:尺は短めが良いが、最適な長さを提案してほしい

テンプレートは「完成させるもの」ではなく「思考を揃えるためのもの」。このテンプレートを見て、「思ったより書くことが多い」と感じた方もいるかもしれません。ただ、これはあとで打ち合わせや修正で話すことを、前倒しで整理しているだけです。

実際には、「このテンプレートを7割埋めているプロジェクト」と「ほぼ白紙でスタートするプロジェクト」では、制作のスムーズさも、成果も、まったく違います。

動画制作ヒアリングシートに関するよくある質問(FAQ)

ここでは、CINEMATOが実際の相談・打ち合わせの中で本当に何度も聞かれてきた質問を中心にまとめました。マニュアル的な正解ではなく、「現場ではどう判断しているか」という視点でお答えします。

Q. 予算がまったく決まっていない場合、ヒアリングシートには何と書けばいいですか?

A. 「決まっていない」と正直に書きましょう。

それ自体はマイナスではありません。おすすめなのは、次のどれかです。

  • やりたいこと・理想像をすべて書いたうえで、見積をもらう
  • 「◯万円台でできることを知りたい」と記載する
  • 「30〜50万円」「100〜200万円」など、幅を持たせて記載する

動画制作会社として一番困るのは、予算も希望も見えない状態です。情報があればあるほど、現実的な相場感や、その金額でできる“ベストな選択肢”を具体的に提案できます。

Q. ターゲットが幅広く、1人に絞れません(子供〜高齢者など)

A. 「全員に届けたい」は、結果的に誰にも刺さらないことが多いです。

ヒアリングシートでは、「最も響かせたいコアターゲット」を一度設定することをおすすめします。もし本当に複数ターゲットが存在するなら、「ターゲット別に動画を分ける」「同じ素材から複数パターンを編集する」といった設計も可能です。「誰を一番動かしたいか」を決めることが、動画のメッセージを強くします。

Q. 参考動画がどうしても見つかりません。空欄でも大丈夫ですか?

A. 空欄でも問題ありません。

その場合は、「避けたい表現(派手すぎる/売り込み感が強い 等)」「近い雰囲気のCMや他業界の動画」だけでも書いておくと、制作側はかなり助かります。また、「イメージに近い動画をいくつか提案してほしい」と書いていただければ、制作会社側で事例を探すことも可能です。

Q. ヒアリングシートは、どこまで細かく書くべきですか?

A. 書けるところまでで十分です。

ヒアリングシートは「完成させること」が目的ではなく、考えを共有するためのツールです。「未定」「相談したい」「制作会社と一緒に決めたい」。こうした項目があっても、まったく問題ありません。むしろ、「ここが決まっていない」ということが明確になることで、打ち合わせの質が上がります。

Q. Excelとスプレッドシート、どちらで作るのが正解ですか?

A. 正解はありません。環境に合うものを選んでください。

  • 社内外での共有・コメントが多い → スプレッドシート
  • 社内規定やセキュリティ重視 → Excel

大切なのは形式ではなく、関係者全員が同じ内容を見て、同じ認識を持てるかどうかです。

まとめ:質の高いヒアリングシートが動画制作成功の第一歩

動画制作ヒアリングシートは、「制作会社に渡すための事務資料」ではありません。私たちCINEMATOは、これを“動画という成果物を生み出すための設計図”であり、同時に動画制作会社に想いを伝える重要資料だと考えています。

なぜなら、ヒアリングシートに書かれているのは、単なる仕様や条件ではなく、「なぜ、この動画を作るのか」「誰に、どんな認識を持ってほしいのか」「この動画で、何を変えたいのか」という、企業やプロジェクトの「本音」や「意志」だからです。

動画制作で起こるトラブルの多くは、撮影や編集の技術的な問題ではありません。「思っていた完成イメージと違う」「修正が増え、スケジュールもコストも膨らむ」「何のための動画か分からなくなる」。こうした問題のほとんどは、最初の整理不足=ヒアリングシートの質に起因しています。

逆に言えば、ヒアリングシートがしっかりしているプロジェクトほど、「制作進行がスムーズ」「見積の納得感が高い」「修正回数が少ない」「最終的に『成果につながる動画』になる」という結果に、ほぼ確実につながります。

完璧なヒアリングシートを書く必要はありません。大切なのは、「分かるところまででいいから、具体的に書くこと」「曖昧な部分は『未定』『相談したい』と正直に書くこと」「社内で一度、目的と優先順位を整理すること」。この一手間をかけるだけで、動画制作会社は単なる外注先ではなく、同じゴールを目指すパートナーとして動きやすくなります。

動画は、作ることが目的ではありません。伝えて、動かして、結果を生むことが目的です。そのスタート地点にあるのが、この「動画制作ヒアリングシート」です。

まずは、テンプレートをダウンロードし、埋められるところからで構いません。一つひとつ言葉にしていくことで、動画の完成形だけでなく、自社が本当に伝えたい価値も、きっとクリアになるはずです。

CINEMATOは、「作るだけで終わらない動画」を、本気で一緒に考えます。その第一歩として、ぜひこのヒアリングシートを活用してみてください。

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