ここ数年で、プロモーション動画を取り巻く環境は大きく変わりました。
以前は「余裕があれば制作する施策」という位置付けでしたが、2026年現在は動画をやらないことで機会損失が生まれる”前提の施策”になりつつあります。
YouTubeやWebサイトはもちろん、X(旧Twitter)・Instagram・TikTokといったSNS、展示会・イベント・採用説明会・店頭サイネージまで。どの接点でも、「プロモーション動画があるかどうか」で情報の伝わり方が変わる時代です。
本記事では、プロモーション動画の基礎知識から、メリット・デメリット、種類別の選び方、費用相場、成功事例、制作のコツまでを網羅的に解説します。「動画制作を検討しているが、何から始めればいいか分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
プロモーション動画とは?目的と役割を整理
「プロモーション動画って、結局どういう動画のことですか?」
これは、初回の打ち合わせで本当によく聞かれる質問です。
そして正直に言うと、人によって思い描いている「動画」のイメージが結構バラバラです。
- Web担当の方は「サイトに載せる動画」
- 営業の方は「商品説明用のビデオ」
- 広報の方は「企業PRムービー」
同じ「動画」という言葉を使っていても、頭の中にあるイメージがズレたままプロジェクトが進んでしまうことは少なくありません。
だからこそ、動画制作に入る前に「プロモーション動画とは何を指すのか」「どんな役割を期待しているのか」を一度整理しておくことが、結果的に失敗を減らします。
プロモーション動画(PV)の定義とPR動画との違い
プロモーション動画(PV/video/ムービー)とは、一言で言えば、
企業・商品・サービスの魅力を映像で伝え、何らかの”次の行動”につなげるための動画
です。ここで大事なのは、「きれいな映像を作ること」そのものが目的ではない、という点です。
よく混同されるものに「PR動画」がありますが、CINEMATOでは実務上、次のように捉えています。
プロモーション動画
- 購入、問い合わせ、来店、応募など
- 行動を促すことが主な目的
- Webサイト、YouTube、広告、キャンペーン動画として使われることが多い
PR動画
- 企業姿勢や考え方、ブランドイメージの共有
- すぐの成果より、中長期の印象づくりが目的
- 会見、周年事業、自治体・市の広報動画などで使われることが多い
ただし、実際の動画制作現場ではこの2つをきれいに分けないケースの方が圧倒的に多いです。プロモーションとPRを意図的に混ぜて動画を設計することもよくあります。
何のために作る?主な3つの目的(認知拡大・販売促進・ブランディング)
プロモーション動画を作る理由は、企業によってさまざまですが、整理すると大きく3つの目的に分けられます。
① 認知拡大(まず知ってもらう)
- 新商品・新製品・新サービスの紹介動画
- 新しいサイトや店舗の告知動画
- イベント・キャンペーンの周知動画
この目的では、短時間で内容が伝わることが何より重要です。YouTubeやSNS、動画広告配信など、「流し見される前提」の媒体と相性が良く、動画冒頭数秒の見せ方が結果を左右します。
② 販売促進・行動喚起(動いてもらう)
問い合わせ、商品購入、資料請求や来店など、具体的なアクションにつなげるタイプです。
「良さそう」だけで終わらせず、なぜ今、それを選ぶべきなのかを伝える必要があります。Web広告やLP用の動画が、この目的に当たることが多いです。
③ ブランディング(イメージをつくる)
企業としての信頼感向上、ブランドの世界観づくり、採用やライフスタイル訴求など。数字や機能説明よりも、どんな価値観の会社かが伝わることが重視されます。
プロモーション動画の主な対象(商品・サービス・企業・採用・観光)
プロモーション動画の制作対象は幅広く、商品・製品・サービスの紹介動画、企業・会社紹介動画、採用向け動画、観光・自治体のPR動画、イベント・キャンペーン用ムービーなど多岐にわたります。
対象が変われば、動画の作り方、撮影方法、編集の考え方、配信媒体、費用感も当然変わってきます。「何を撮るか」よりも先に、「誰に、どこで、どう使う動画か」を整理する。これが、失敗しにくいプロモーション動画制作の第一歩です。
プロモーション動画を活用するメリット・デメリット
プロモーション動画の相談を受けるとき、最初は「動画をやれば成果が出そう」という前向きな期待を持たれていることがほとんどです。一方で、話を深掘りしていくと「本当に費用に見合いますか?」「作ったけど使われなくならないですか?」といった本音も出てきます。
ここでは、メリットだけを並べるのではなく、CINEMATOが実際の動画制作現場で感じてきた良い点・気をつけるべき点の両方を整理していきます。
メリット①:短時間で圧倒的な情報量を伝えられる
動画最大の強みは、「一瞬で伝えられる情報量の多さ」です。文章や写真だけでは伝えきれない商品の使い方、サービスの流れ、業務の雰囲気、空気感や温度感も、映像であれば動き、音、表情、間(ま)まで含めて伝えられます。
CINEMATOの現場知見:「接触時間」を資産として考える
私たちは動画の効果を測定する際、再生数だけでなく「営業活動における合計接触時間」という独自の指標を重視することがあります。
例えば、90秒の動画が展示会や商談、Webサイトで合計3万回再生されたとします。
【1.5分 × 30,000回 = 45,000分(750時間)】
これは、「動画1本が、営業マン約5人分の月間稼働時間に相当する働きをした」と言い換えられます。プロモーション動画は、単なるPR素材ではなく、「24時間365日働き続ける優秀な営業マン」を作る投資なのです。
メリット②:視覚・聴覚に訴えかけ、記憶に残りやすい
人は、「読んだ情報より、見て聞いた情報の方が記憶に残りやすい」と言われています。印象的な映像や音、ナレーションが組み合わさると、商品名やブランドイメージが自然と頭に残ります。「後日、指名検索が増えた」「展示会後に問い合わせが増えた」といった声をいただくことも少なくありません。
メリット③:SNS・Web広告での拡散力が高い
プロモーション動画は、YouTube、X(旧Twitter)、Web広告(動画広告)、スマホ向け配信との相性が非常に良いです。特に最近は、縦型動画、短尺コンテンツ、スマホ前提の設計が当たり前になり、写真やテキストよりも「止まって見てもらえる確率」が高いため、広告効果や認知向上につながりやすい点は大きなメリットです。
デメリットと注意点:制作コストと品質のリスク
一方で、プロモーション動画にはデメリットもあります。最も多いのは「動画制作にいくらかかるのか分からない」「費用に見合う成果が出るか不安」「動画の出来がイメージと違った」という点です。
動画制作は、撮影・編集・クリエイターの人件費、場合によってはキャストやCGなどが絡むため、静止画やテキストよりも制作コストがかかりやすいのは事実です。また、目的が曖昧なまま、メッセージを詰め込みすぎた状態で進めると「悪くはないけど、使いづらい動画」になってしまうケースもあります。
プロモーション動画の種類と活用シーン
プロモーション動画と一口に言っても、映像の表現方法によって大きく4つの種類に分けられます。目的と活用シーンに合わせて最適な種類を選ぶことが、成果を出すための第一歩です。
実写プロモーション動画
人物や商品、現場の様子をカメラで撮影する、最もスタンダードな形式です。企業紹介、社員インタビュー、商品デモ、ドキュメンタリーなど、リアルな空気感や信頼感を伝えたい場面で強みを発揮します。
採用動画では「実際の職場の雰囲気」「どんな人が働いているか」を伝えることが重要なため、実写が第一選択になるケースが多いです。成功している採用動画は、作り込みすぎず、社員の言葉をそのまま使い、映像に”生活感”があるという特徴があります。
アニメーションプロモーション動画
SaaS・IT系サービスのように形のない商品や、複雑な仕組みの解説には、アニメーション動画が適しています。実写では表現しにくい概念やフローを、視覚的にわかりやすく伝えられるのが最大の強みです。
撮影が不要なためスケジュールの柔軟性が高く、修正・更新もしやすいというメリットもあります。
3DCGプロモーション動画
製品の内部構造や動作原理の可視化、建築・不動産の完成イメージ表現など、実写では撮影不可能な映像を実現できるのが3DCGの強みです。製造業の製品紹介や、まだ完成していない施設のプロモーションに活用されるケースが増えています。
高級感や先進性の演出にも効果的ですが、制作期間と費用は他の種類より高くなる傾向があります。
縦型ショートプロモーション動画(TikTok・Reels・Shorts)
TikTok、Instagram Reels、YouTube Shortsなど、スマホ縦型視聴を前提としたショート動画は、2026年現在のプロモーション動画において最も成長しているフォーマットです。
Z世代・ミレニアル世代へのリーチに強く、UGC風の親近感ある表現が有効とされています。1本の動画を15秒・30秒・60秒の複数バージョンに再編集し、各プラットフォームに最適化して配信する運用が主流になりつつあります。
プロモーション動画の成功事例
「プロモーション動画の成功事例を見たいです」。これは打ち合わせでも特に多い要望です。
ただ、”有名な会社の動画=そのまま真似すれば成功”ではありません。成功は、派手さや予算の大きさよりも、目的と対象に合った作り方ができているかで決まります。
商品・サービス紹介の成功ポイント
商品・製品・サービス紹介のプロモーション動画で重要なのは、説明しすぎないことです。つい機能・スペック・他社との違いを全部入れたくなりますが、情報を詰め込みすぎると、かえって伝わりません。
成功している動画の多くは、「誰の、どんな悩みを解決する商品か」「使うと何が変わるのか」を、映像と動きで直感的に見せています。WebサイトやYouTube、動画広告用の場合は、細かい説明は記事やLPに任せ、動画は「興味を持たせる役割」に絞るのがポイントです。
企業ブランディングの成功ポイント
企業ブランディング動画では、いわゆる「おしゃれ」「かっこいい」映像が求められることが多いです。ただし、見た目だけを追いすぎると、「何の会社か分からない」「メッセージが伝わらない」という状態になりがちです。
成功している企業プロモーション動画は、創業背景、働く人の姿、会社として大切にしている価値観といった要素を、ストーリーとして自然に組み込んでいます。
観光・自治体の成功ポイント
観光・自治体向けのプロモーション動画では、体験を疑似的に味わってもらうことが重要です。景色・食・人・季節感を、映像・音・動きで見せることで、「行ってみたい」という感情を引き出します。最近では、複数媒体での活用を前提に制作されるケースも増えています。
CINEMATOのプロモーション動画制作実績
CINEMATOが実際に制作したプロモーション動画の事例をご紹介します。
株式会社LIXIL様 ― リフォームサービスWebCM
住宅リフォーム市場での競合差別化を目的に、「ここちよい暮らしの再設計」をテーマとしたWebCMを制作しました。実際のご夫婦の実話をベースにしたストーリーを通じて、親身なヒアリング・安心のサポート体制・確かな技術力というLIXILリフォームショップ様の価値を映像で表現。ナラティブ展開で共感を喚起しつつ、満足度データや専門スタッフの存在といったファクトもバランスよく盛り込み、信頼感を高めています。
アマゾンジャパン合同会社様 ― セラー向け認知動画
Amazon未導入のセラーに対し、導入を検討するきっかけを提供する動画を制作。「なんとなく踏み出せない」セラーの感情に寄り添い、ドキュメンタリー風の演出で登場人物の心の動きを丁寧に描きました。Amazonが提供するサポート内容をストーリーの中に自然に織り交ぜることで、安心感と前進するきっかけを表現しています。
株式会社Hubble様 ― エレベーター広告動画
認知拡大とリード獲得を目的に、エレベーター内サイネージ広告用の動画を制作。短時間・静音視聴という環境特性を踏まえ、複数の訴求ポイントから伝えたい情報を絞り込み、情報量を尖らせることで視聴者に強い印象を残す構成に仕上げました。
プロモーション動画の制作費用・料金相場
「結局、プロモーション動画っていくらかかるんですか?」
これは、ほぼ必ず聞かれる質問です。そして正直に言うと、一言で答えるのが一番難しい質問でもあります。動画制作の費用は、作り方・目的・使い方によって大きく変わるからです。
ここでは、2026年現在の相場感をベースに、「どうしてその金額になるのか」まで含めて解説します。
【価格帯別】プロモーション動画の制作費用の目安
| 価格帯 | 制作内容の目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 10万〜30万円 | スマホ撮影 or 素材活用、編集中心の構成 | SNS用、社内コンテンツ、テスト的に1本作りたい場合 |
| 50万〜100万円 | 実写撮影あり、構成・テロップ・BGM含む | 会社紹介、商品・サービス紹介、YouTube・Webサイト掲載 |
| 200万円〜 | 複数日撮影、キャスト起用、CG・アニメーション、ブランディング重視 | 企業ブランディング、大型キャンペーン、観光PR、自治体案件 |
最も相談が多いのは50万〜100万円の価格帯です。「ちゃんとした会社紹介動画」「商品・サービス紹介ムービー」を作りたい場合、現実的なラインと言えます。
プロモーション動画の費用を左右する要因
同じ「プロモーション動画」でも、費用が変わる主なポイントは次の通りです。
- 実写か、アニメーション動画か ― アニメーションは撮影不要で柔軟だが、フルアニメーションは高額
- 撮影日数 ― 1日か複数日かで人件費・機材費が大きく変動
- 撮影場所 ― スタジオ・屋外・遠方ロケで交通費・宿泊費が加算
- キャスト・ナレーターの有無 ― タレント起用は費用が大きく上がる要因
- CG・モーショングラフィックスの有無
- 企画・コンセプト設計の有無 ― ブランド戦略から一緒に設計する場合は工数が増加
コストを抑えつつクオリティを維持する方法
意思決定のヒント:新規制作 vs 既存動画の改修
予算を抑えるために「既存の動画をちょっと直したい」というご相談も多いですが、私たちは以下の基準で判断することをお勧めしています。
- 既存動画の修正が向いているケース:「他社と同じような表現でも問題ない」「とにかくコスト優先で、早く作りたい」場合。
- 新規制作が向いているケース:「新しいベネフィットを伝えたい」「今の企業コンセプトをしっかり訴求し直したい」場合。
「修正」は見かけ上安く見えますが、訴求内容が変わる場合は結局コストがかさむこともあります。「今の課題解決に最適なのはどちらか?」という視点で選ぶことが、結果的に費用対効果を高めます。
成果を出すプロモーション動画の作り方・制作のコツ
プロモーション動画の失敗は、撮影や編集の段階で起きることは意外と少なく、ほとんどが”その前”に原因があります。「作り始める前に、どこまで整理できているか」が、出来上がりの満足度と成果を大きく左右します。
ここでは、CINEMATOが実務で使い込んできたフレームワークから制作フロー、成果を分ける制作ポイント、制作会社の選び方まで一気に解説します。
制作フロー:4つのSTEPで進める
STEP1:目的(KGI/KPI)とターゲットの明確化
最初にやるべきことは、「このプロモーション動画で、何を達成したいのか」を言葉にすることです。「とりあえず会社紹介動画を」「今っぽい動画が欲しくて」というスタートでは、途中で必ず迷子になります。
最低限、目的(KGI/KPI)とターゲット(対象)は明確にしましょう。
CINEMATOの現場知見:「AS IS / TO BE」の整理
私たちのヒアリングシートでは、単に「ターゲット」を聞くだけでなく、以下の2点を必ず確認します。
- AS IS(現在の印象):今、顧客からどう思われているか?
- TO BE(理想の印象):動画を見た後、どのような感情や認識に変化していてほしいか?
動画は「今の状態」から「理想の状態」へ視聴者の認識を運ぶ乗り物です。この「読後感(視聴後の後味)」まで設計できている動画は、失敗が極端に少なくなります。
STEP2:伝えたいメッセージを「1つ」に絞る構成案作成
プロモーション動画では、「あれも伝えたい」「これも大事」となりがちですが、結果として「何も残らない動画」になるケースが多いです。CINEMATOではよくこう質問します。
「この動画を見た人に、最後に一つだけ覚えてほしいことは何ですか?」
この”1つ”が決まると、構成・カット割り・ナレーション・テロップすべてが、そのメッセージを支える形に整理されます。
STEP3:撮影・編集
構成が固まったら、撮影・編集に進みます。SNS用の短い動画やスピード重視のコンテンツはインハウス制作が向いている場合もありますが、ブランドイメージが重要な場合や、広告・イベントで長く使う動画は、制作会社に依頼する方が安心です。
STEP4:配信媒体の選定
最後に見落とされがちなのが、「どこで使う動画なのか」の整理です。YouTube、Webサイト、SNS、展示会・イベント会場など、媒体によって最適な動画の尺、縦型・横型、冒頭の見せ方は大きく変わります。撮影後に「やっぱり広告でも使いたい」となると、追加編集や撮り直しが必要になることもあります。
現場からの注意点:フィードバックの回数制限
制作進行で最もスケジュールが遅延するのが「修正(フィードバック)」の期間です。私たちプロの現場でも、「構成案」「絵コンテ」「編集試写」の各工程でのフィードバックは原則2回までと定めて進行することが多いです。「修正回数には限りがある」という意識を持つだけで、社内確認の質が上がり、スケジュールの遅延を防げます。
CINEMATOのフレームワーク:SCBモデルとA-U-S-T法
「センスがいい動画ですね」と言われるだけの時代は終わっています。成果が出る動画には必ず、視聴者の行動を想定した論理的な構成が存在します。ここでは、CINEMATOが実際の案件で使い込んでいるフレームワークを紹介します。
ショート動画の黄金律「SCBモデル」
TikTokやYouTubeショートのように、1秒でも判断が遅れるとスワイプされる媒体で成果を出すための構成です。
- S (Situation):冒頭1〜3秒で、視聴者が思わずうなずく”あるあるの瞬間”を提示。「これ、自分の話だ」と感じてもらう
- C (Category):解決策のジャンルとサービス名を明確に提示。視聴者の頭の中にある情報を整理する
- B (Benefit):機能やスペックではなく、課題解決後のポジティブな未来を具体的に描く
デジタル動画の基本構成「A-U-S-T法」
Webサイト掲載動画や広告動画など、しっかり見てもらったうえで行動につなげたい場面の王道構成です。
- Attention(注意喚起):冒頭で結論や鋭いインサイトを提示し、「続きを見ない理由」を消す
- Understand(理解):ストーリーや具体例を通じて背景や根拠を伝え、腹落ちしてもらう
- Stimulate(動機づけ):メリットを提示しつつ、懸念点を先回りして解消する
- Transition(行動誘導):明確なCTAを置き、次に取るべきアクションを迷わせずに示す
成果を分ける4つの制作ポイント
① 冒頭3秒でフックを作る
今の動画視聴環境では、最初の3秒で興味を引けなければ、ほぼ見られません。ロゴから入る、ゆっくりした説明から始める、前置きが長い ― これらは宣伝・広告用のプロモーション動画では不利です。冒頭では、課題を投げかける、結果を先に見せる、印象的な映像・音を入れるなど、「続きを見たくなる理由」を用意することが重要です。
② スマホ視聴・縦型動画を意識する
2026年現在、プロモーション動画の多くはスマホ視聴前提です。横型だけで作ってしまう、テロップが小さい、情報量が多すぎるといった動画はまだ多く見られます。最初から複数フォーマットで設計するケースが増えており、「どの媒体で使う動画か」を先に決めることで方向性が明確になります。
③ ストーリーテリングで自分ごと化させる
成果が出ているプロモーション動画には、必ずストーリーがあります。大げさなドラマは不要で、「ある課題を抱えた人がいて、それがどう変わったのか」という流れがあるだけで、視聴者は「自分のことかもしれない」と感じやすくなります。
④ 動画の最後にCTA(次のアクション)を促す
意外と忘れられがちなのが、動画を見た後、何をしてほしいかです。サイトを見る、問い合わせる、店舗に行く ― この導線がないと「いい動画だった」で終わってしまいます。シンプルなメッセージやURLを入れるだけで、効果は大きく変わります。
プロモーション動画の制作会社の選び方
動画制作会社に依頼する最大のメリットは、「客観的な視点で設計してもらえること」です。社内では当たり前になっている強みや価値も、外から見ると「それが魅力になる」という発見がよくあります。
制作会社を選ぶ際は、次のポイントを確認するのがおすすめです。
- 過去の制作実績が目的に近いか
- 提案が具体的か(「おしゃれにします」だけでなく、構成・ターゲット・KPIまで言及しているか)
- こちらの話をきちんと聞いてくれるか
- 動画制作費用の内訳が分かりやすいか
- 納品後の活用(配信・改善)まで考えてくれるか
「安いから」「有名だから」だけで決めると、期待とのズレが起きやすくなります。まずは2〜3社に相談し、提案内容や相性を比較してから依頼先を決めるのがおすすめです。
2026年のプロモーション動画トレンド
2026年現在、動画制作の技術的ハードルは生成AIの進化によって驚くほど下がりました。ただしその一方で、「誰が作っても、正直あまり違いが分からない動画」が急増しているのも事実です。AIによる効率化は歓迎すべき流れですが、動画のコモディティ化が進む中で、埋もれないプロモーション動画を作るために押さえておきたいトレンドを紹介します。
生成AI時代こそ「Humanize」と「DBA」が勝負
AIによって背景映像やナレーション、編集まで自動化できる今だからこそ、逆説的に価値が高まっているのが「人間にしか出せない熱量や説得力」です。
- Humanize Your Brand(ブランドの人間化):代表者や社員、現場に立つ人の表情や言葉をあえて出すことで、企業を”人格のある存在”として伝える。きれいに整った言葉よりも、少し不器用でも本音がにじむ瞬間のほうが信頼につながるケースは非常に多い
- DBA(独自ブランド資産)の構築:ブランド独自の「色」「音」「間」「言い回し」を意識的に動画へ組み込む。「隠してもその会社だと分かる動画」だけが、視聴者の記憶に残り続ける
「検索される」から「想起される(CEP)」へ
検索行動がGoogle中心からSNS・動画プラットフォームへと分散する中で、単純なキーワード対策だけでは成果が頭打ちになるケースが増えています。2026年の動画戦略で重要なのは、ユーザーが”困った瞬間”に思い出される存在になること。そのための鍵がCEP(カテゴリーエントリーポイント)の設計です。
- シチュエーションとの紐付け:「会計ソフト」で正面から戦うのではなく、「月末の請求書処理に追われて頭が真っ白になった瞬間」とブランドを動画で結びつける
- KPIは「Search Lift(指名検索数)」:再生数だけを追いかける時代は終わりつつある。動画接触後に「ブランド名で検索されたかどうか」を可視化することが重要
サイレント視聴前提の字幕設計
電車の中、オフィスでの隙間時間、就寝前のベッド ― 現代の動画視聴は音声なしが当たり前になりつつあります。プロモーション動画でも、オープンキャプション(常時表示の字幕)を前提とした設計が不可欠です。ナレーションに頼らず、テロップと映像だけで内容が伝わるかどうかを必ず確認しましょう。
プロモーション動画に関するよくある質問(FAQ)
Q. プロモーション動画の最適な長さ(尺)はどれくらい?
目的と配信媒体によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- SNS広告・縦型ショート:15〜30秒
- YouTube広告:30秒〜1分
- Webサイト掲載・商品紹介:1〜3分
- 企業ブランディング・採用:2〜5分
「短い方がいい」と一概には言えませんが、視聴者の集中力が続く範囲で、伝えたいメッセージを1つに絞ることが重要です。
Q. プロモーション動画の制作期間はどれくらいかかる?
一般的な目安は1.5〜3ヶ月です。企画・構成に2〜4週間、撮影・素材準備に1〜2週間、編集・修正に2〜4週間が標準的なスケジュールです。アニメーション動画やCGを含む場合はさらに長くなる傾向があります。
Q. 費用を抑えてプロモーション動画を作るコツは?
以下の3つが効果的です。
- 撮影素材を使い回す:1回の撮影で複数本(長尺+短尺、横型+縦型)を制作する
- 目的と媒体を先に決める:後から「あの媒体でも使いたい」を防ぎ、追加編集費を削減
- 既存素材の活用:社内にある写真・映像・資料をベースにアニメーション化する
Q. 実写とアニメーションのどちらが効果的?
どちらが優れているということではなく、目的によって使い分けるのが正解です。信頼感やリアルな空気感を伝えたい場合は実写、抽象的な概念や複雑な仕組みを伝えたい場合はアニメーションが適しています。最近では、実写とアニメーションを組み合わせたハイブリッド型も増えています。
Q. プロモーション動画の効果測定はどうすればいい?
以下のKPIを組み合わせて評価するのが一般的です。
- 再生数・視聴完了率:動画がどの程度見られているか
- エンゲージメント:SNSでのシェア・コメント・保存数
- 指名検索数の推移:動画接触後にブランド名で検索されたか
- CV(コンバージョン):問い合わせ・資料請求・購入など具体的な成果
再生数だけでなく、「動画がビジネスにどう貢献しているか」を中長期の視点で追うことが重要です。
まとめ:質の高いプロモーション動画でビジネスを加速させよう
ここまで、プロモーション動画について、そもそも何のために作るのか、どんな作り方が失敗しにくいのか、費用はいくらくらいかかるのか、成功している事例には何が共通しているのかを順を追って解説してきました。
改めてお伝えしたいのは、プロモーション動画は「作ること」自体がゴールではないという点です。成果につながっている企業に共通しているのは、目的が明確で、ターゲットが具体的で、メッセージを欲張らず、配信・活用方法まで含めて考えていること。とてもシンプルです。
もし今、プロモーション動画を作るべきか迷っている、費用感が分からず止まっている、という状態であれば、いきなり発注に進む必要はありません。まずは「目的は何か」「誰に見せたいのか」「どこで使う動画なのか」を整理するだけでも、次に取るべきアクションが見えてきます。
CINEMATOでは、「動画を作る前の相談」や「この場合、作るべきかどうか」といった段階からのご相談も多くいただいています。プロモーション動画は、正しく作り、正しく使えば、企業・商品・サービスの価値を、想像以上に分かりやすく届けてくれる手段です。
新卒でデロイト・トーマツグループに入社。その後、株式会社プルークスを共同創業、取締役に就任。大手、メガベンチャー企業を中心に多数のwebマーケティング・プロデュースを手がける。
2017 youtube ads leaderboard下期受賞経験を持つ他、2018年アドテック関西へスピーカー登壇。